合同依頼3
次の日の昼前、他の偵察要員とその護衛の組が来た。
意外と早いご到着だ。
ちなみに俺は今日休みだ。森との相性が悪いから仕方がない。
シンバエアさんのお願いも準備が必要なので明日のためやることは無い。
だから干し肉作りを始めた。
干し肉作りはそう難しくない。
まずモンスターを狩り、血を抜きます。そしてそのまま狩りを続けるなら近くの川にでも沈めておきましょう。なければしゃーない。運悪く川の中に肉食の大型モンスターがいて食われた場合もしゃーない。
次に水場を確保し解体に移ります。
獲物の皮を剥ぎ取り、頭を落とし、内臓を摘出します。腹を裂くとき内臓を傷つけないように慎重に行いましょう。
剥ぎ取った皮は直ぐに売れるんだったら売りますが、それ以外では塩漬けして置いておきましょう。
摘出した内臓で腸詰等を作ろうと思えば作れますが、放浪中は難度が高いので諦める事を推奨します。
残った肉側は狩った時に付いた傷付近も廃棄し、あとは好きに解体しましょう。あばら骨を切り離すと比較的スムーズに解体できますがお好みで結構です。ただ干し肉にする上で脂身は止めておきましょう。獣脂を手に入れる方がよっぽど建設的です。
次に解体を終えた肉を漬けこみます。塩だけが最も簡単ですが、酒や周辺で使えそうな野草をあらかじめ確保しておいたら味にバリエーションができ良いでしょう。
漬けた肉は暖かい場所に置いておくと腐ってしまうため、大きな葉などに包み、ポクーに乗って上空に上がって放浪生活を続けます。結構上空は寒いです。
肉によって違いますが、水分が出る様なら適宜水を捨てましょう。
次に村に着きます。流れ着いてたまたまで結構です。
たまたま着いた村で後の工程をやってしまいましょう。
包みから出した肉を塩抜きしそのまま切って干すより、焼く、煮る、蒸すなどお好みで調理した方が良いと思います。あとは干します。
これでまた放浪を続け乾燥すれば干し肉が完成です。
後はお好みで燻製に挑戦しても良いですが、放浪中はやはり難度が高いです。
以上だ。
今日は依頼遂行中のため、テキトーに森の外を散策し入手したモンスターを解体し、漬け込み、包んで、上空で任務とは関係なく辺りを観察して過ごした。
次の日。
解体した肉を漬けて包んだ物とシンバエアさんのパペットをポクーに乗せて上空にあがった。
そして上空に達するとテキトーな間隔でパペットを落下させた。
この行為は飛行モンスターには見つかるため襲撃の危険性も無い訳ではない。
まぁここら辺の飛行モンスターは雑魚なため干し肉化。じゅるり
パペットはほぼ木製でサイズは掌程度、そのパペットは紙製のパラシュートを付けて落とす作業だ。
シンバエアさんは本陣に作った儀式場と呼ばれる場所で落としたパペットを操作することになる。
シンバエアさんの能力上、眠るとパペットとのリンクが切れるため、これから有益な情報を得るまで起きていることになる。二日位は完徹出来るらしい。
今回は第一陣として二十体撒く予定だ。
本隊が到着するまでにどれ程の成果を出せるかな?
「おっ、来るか?」
パペットを撒いていると、飛行していたモンスターの顔がこちらを向いていた。
パペットも落下途中でモンスターに鹵獲されたりもしてるが、その落下元でもある俺も当然目立つ。
来るか?それとも眺めて終わりか?・・・・・・・・・・残念。鳥肉はお預けのようだ。
いそいそと手に持った玉を腰の入れ物へ戻した。
これこそ対飛行モンスター用の装備である網を玉状にした物だ。飛行モンスターは大概翼が付いているため翼に網を引っかければ勝ちで、たまに主装備を網といいそうになるほど使う頻度が多い道具だ。
もちろん今戻したのはその辺の飛行モンスター用で、ワイバーンサイズに使うような大きな網ではない。
玉にすると綺麗に広がらないが、捕獲ではなく引っかけるだけなのでそこまで気にならない。
何度か撒く作業と臨戦態勢を繰り返し、全てのパペットを撒き終えた。
これで本隊から指示が来るまでやることが全て終わった。
それから数日間、本陣で干し肉作りをして過ごした。
パペットを撒く作業から二日後の夕方手前、本隊が到着した。
さぁいよいよだ。