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離島生活1

 離島生活八日目。

 ポクーも復調した事により、この島を離れることにした。


「ポクー、行くよ」


 リハビリがてら今日は、この島から南西にある島まで行くつもりにしている。


 それとこの諸島の大体の位置が判明した。

ポクー曰く、東。

実に分かり易い。どうやら交戦した地点から東に随分流されたそうで、ここの真南はピットヤーグ王国もしくはファルクス帝国のどちらかだと思われる。


 つまり、この諸島から離れるにしても安易に南下してはいけない。西に進みリーメイ公国に着くように、数日空に滞在するつもりで食糧等を用意しないといけないみたいだ。

何もかもあの時落としたから、どれ程準備に時間がかかる事やら。




 ポクーに乗り、南西にある島まで移動してきた。移動途中に空から辺りを窺ったが南に大陸は見えなかった。明日以降にもっと高度を上げて確認するつもりだ。

 この到着した島は前の島より大きく、大きさとしては農耕地を除いたウリスタニアの半分ほどだとみた。

 そして到着早々、今日の寝床探しを始めた。手頃な場所がなければ東北の島まで帰る必要があるので、これは急務であった。






「おおっ!?」


 海沿いをしばらく歩き、島の南側に回ると、何と、人工物を見つけた。


 その人工物は元々家だったと思われるなりをし、既に崩れ果て用をなしていなかった。

 不用意と思いつつも好奇心が抑えられず、元家らしきものに近付くと、奥には多分元々畑だったと思われる不自然な空間もあった。


「一体いつのものだろうか?」


 こういうのに詳しい訳ではなく、よく分らんが、こんな所にまさか人が住んでいた痕跡を見つけるとはな。すぐ近くには川も流れているし、住めない事はなかったようだ。



「これは墓か?」


 周囲に人の痕跡が見当たらなかったので、長い事この地には人が来ていないと当たりをつけ周囲を散策すると、元畑だと思われる場所から少し離れた位置に三つの大きめな石が等間隔に置かれている場所を見つけた。

どこの様式かも検討がつかない簡易的なものであったが、これは墓で間違いないと思う。最低でも三人、いや四人か? はこの地で住んでいたという事だろうか。


 久々に見た人工物を後にし、島の探索を再開した。思いがけないものを見つけたが、今の目的はあくまで拠点探しだ。




 人工物があった場所より西へ草木をかき分け進んでいると、洞窟を見つけた。しかも、その洞窟の出入り口には箱らしきものの残骸があった。


「先程の者達がかつて利用していたのだろうか?」


 誰からも回答は得れない独り言を言いつつも、そういう場所なら拠点に誂え向きなのではと思う。洞窟は東向きに空いており、朝ならまだしも今は口から少し奥までしか照らされておらず、どれ程の深さがある洞窟かも知れなかった。


「・・・ん?・・・うーーん」


 洞窟に近寄ると何やら違和感を感じた。いや、違和感というより既視感が近いだろうか。洞窟の形うんぬんではなく雰囲気というか感覚的なものだが、どこかでこれと同じような感覚を味わったことがある気がする。



 とりあえず既視感を置いておくとして、今日からの寝床にならないかと洞窟前で焚き火を始め、火のついた枝を持つと慎重に洞窟内に足を踏み入れた。


「結構広いな」


 出入り口付近から火のついた枝を掲げて照らしても、洞窟の奥まで光が届かず、相応の深さがある洞窟のようであった。


 そして更に数歩奥に歩くと、


「はぁ!?・・・・嘘だろ」


信じられない事が起こった。それは、あの違和感を感じた事だ。数回行ったり来たりをしたが、その度にあの違和感を感じた。


「・・・間違いない。ここはダンジョン(・・・・・)だ」





 家に引き続き思いがけないものを見つけた俺は、一度焚き火の所に戻ってきた。


「ふー、ふー、ふー。落ち着けぇ深呼吸深呼吸。・・ん゛!?」


 深呼吸した弾みで傷に障ったが、逆にこの震える程の興奮を抑制する事ができた。


 ダンジョンとは即ち宝の山。場合にもよるがダンジョンとはそれ一つで国ができる程のものだ。

 元家があった事から初発見ではないだろうが、この島が発展しているようにはとても見えなかった。つまり、元住人達はここの存在を積極的か仕方なくかは分らないが隠していたという事だろう。


「落ち着け俺ぇ」


 自身を再度落ち着かせ、浮かび上がってきた未来の展望を消し去った。



 焚き火近くに腰を据え、冷静に現状を鑑みての対応を考え始めた。


 ダンジョンが見つかったのは単純に幸運な事だ。何故なら肉の確保が容易になる可能性があるからだ。


 ダンジョン内のものは幻体である。だが、鉄鉱石等を一度外に運び出せば通常の鉱山で採ったものと同じ。

 それはモンスターにも言える。実は生け捕りや倒してすぐダンジョン外に持ち出すと幻体ではなくなるのだ。開拓初期にはそれで食肉を賄う事があったりとそこそこ有名な話だ。ウリスタニアダンジョンでは、採掘の方が割がよく潜っている者同士のいざこざがあるため、ダンジョン産の肉が出回る事は殆どないがな。


 懸念事項は一階層に出てくるモンスターの種類。ここで岩石系や樹木系とかいらん種類が出ない事を祈るしかない。




 ダンジョンの洞窟は拠点足り得ないので、後ろ髪を引かれつつも探索を再開した。


 洞窟からしばらく採取を行いながら進んでいくと、またしても洞窟を見つけた。入るまでもなく、これもダンジョンの出入り口だと思われる既視感を感じた。


「想定の範囲内。探索を続けよう」



 その後も探索を続けるも拠点になりそうな場所は見つけられなかった。そのため東北の島に戻り、馴染みの洞窟で一夜を過ごす事になった。




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