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空浮ぶ請負人が過ごす日々  作者: チカさん
第四章 今夏は水枯れのもよう
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水枯れを救え7

 ノカ集落到着二日目に起こった事件の翌日。

このノカでは現在、枯れ果てた作物の撤去が始まっている。


その光景を見つつ、朝を過ぎた頃には今日の畑の散水活動が終わった。

元々製塩の村である事と、大抵の地域で雨水だけで育つ主食作物なため毎日の様に散水する必要はないのだ。

もっとも、ポクーの散水能力の高さが何よりも比重が大きいからいえるのだが。水さえあればこれほど散水にうってつけのモンスターもそうはいないだろう。



 翌日昼過ぎ。


「では、これで」

「はい」


俺と班長は代官邸に来ていた。相殺金の交渉をしていたのだ。

本来はもっと後々の予定だったが、俺達二十五班を取り巻く状況が変わったため日を改めたのだ。


俺達二十五班はここナルキの一部も散水の範囲に入ったのだ。

それ位戦力過剰だったのだ。だが、この地の住人との蟠りが未解消のまま作業に入るわけにはいかない。だから交渉を先に持って来たのだ。



 代官と区長を交えた交渉翌日からナルキの一部も散水範囲に入り、それから何事も無く日が過ぎ、ネネン村に来て十日が過ぎた。

この十日間に一度だけ雨が降ったが、大した雨量では無く日に日に川の水位が下がっていっている。


そして今日は班長がハウンで開かれる会合のため昨日から出張している。この会合の結果如何で俺達の今後の予定が決まるため周囲一帯に微妙な緊張感が漂っている。

引き続きこの地で活動か、派遣先の変更か。




 翌日、班長が帰って来た。


「皆、集まってくれ」


班長が帰って来ると俺達二十五班の面々に集合を命じた。

いよいよ結果が発表か。

ただ班長の顔はあまり良さげな感じではない。微妙な場所を押し付けられたのか?


「我々二十五班は引き続きここ、ネネンで活動を行う事になった」


この場にあった微妙な緊張感が霧散した。したが再び班長が口を開いた。


「ただし、同じくここネネンに派遣されていた十六班は異動となった」


ふんふん。それで。


「以上だ」


「えーと、班長?派遣されていた部隊が別に回されたのは分かりましたが、新たに派遣されて来るところは?」


副班長が皆の気持ちを代弁する様に班長に問うた。

嘘だろ、止めてくれよ。


「・・・以上だ」


「マジかよ。俺達だけ?」

「ごほん。もちろん十六班以外はそのままだ。ゆえに今から村中央のナルキへ拠点を移す事になった。準備を開始しろ」


おいおい俺達をどれだけ働かせる気だよ、この依頼。




 班長からの命令で惜しまれつつもノカからナルキへ移って来た翌日。


早朝からナルキに流れる川にポクーの一部を挿し込み、ナルキの東にある集落『ヌッサ』へ移動した。ここネネン村は東からヌッサ、ナルキ、ノカの三つの集落で形成されていて、今日から東から西へ散水活動を行う事になったのだ。



 ヌッサ東端から川で分かたれたナルキ東側の散水を終えたときには昼近くになっていた。はっきり言って疲れた。

散水作業の一環とはいえ、村人達からどの畑にどの程度水を撒けばいいのかを確認する作業がだ。

最初だからあちらに一々説明や加減調整に四苦八苦したのだ。明日以降はもう少しマシになるだろう。


昼は丁度拠点近くまで来ていたので拠点で昼を摂り、昼過ぎからも同様に散水活動を行った。もっとも、ナルキ途中からとノカはもう勝手知ったる地で、随分早く終える事が出来た。




「おぅ、村制覇おめでとさん」


拠点に帰るとハンクスに出迎えられた。


「ああ、一日かければ何とかなるもんだな」

「そうみたいだな。これで俺達は畑は全部お前に任せられぬな」

「精々今の間に稼ぐとするよ」


こうして異動初日は過ぎていった。



 それからというもの朝から晩まで水水水水の生活をしていると、


「なぁ、ポクー。お前最近大きくなってないか?」


頭に乗るポクーの感覚が最近違っている気がしだした。まさか魔力を摂り過ぎて太ったのか?


「そんな事無いって?うーん、そうかなぁ」


ポクーはそう言うがなっと頭の上に手を伸ばし、ポクーを掴んで目の前に持って来た。そして目の前のポクーをじーーっと眺め、そして、


「確かにこんなもんだった気がする。気のせいだったのかな?疑ってごめんねポクー」


再びポクーを頭に戻した。

どうやら俺の気のせいだったようだ。


こうして今日も一日が始まった。




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