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空浮ぶ請負人が過ごす日々  作者: チカさん
第四章 今夏は水枯れのもよう
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水枯れを救え1

 モズナン地方への出発当日の朝。

ウリスタニア西門近くの発着場には多くの者が集っていた。


請負人、兵士、領政府職員、私的に雇われた者達等で計百人弱といったところか。

ちなみに、三分の一近くは私的に雇われた者。どうやら今回俺達と一緒に行く領政府職員はそこそこ文官職に就いている者が数人いるらしく、世話回りの者を多数連れて来ているようだ。


はぁ、めんど。一般人連れだと移動速度が遅くなるんだよな。



 少し待機してると第三陣の総隊長の挨拶が始まった。


「ヴィーゼヌ領救援隊第三次部隊部隊長に就く事になったウェンド・リネイだ。階級は一等尉。行軍中の全体の指揮は私が執るが基本は各班班長に従ってくれ」


俺達請負人や私的に雇われた者達へ向けた言葉だろう。

その後各班に散って二十五班の溜まり場で班長に就いたクズサ一等曹の挨拶があった。

このクズサ一等曹がこの依頼中の上司か。と眺めた。・・・・・相性は悪くはなさそうに感じた。変に偉ぶる感じでもないし、そこそこ軍役が長そうで俺達の扱いも慣れてそうに見える。

とりあえず面倒そうな上司じゃなくてほっとした。



 鐘の音が響き渡り略式の出陣式をした後、隊列を組み移動開始となった。


隊列は非戦闘員も相当数いるので、戦闘職の兵士達がその者達を覆う様に護衛する形になった。もっとも、俺は空組なので隊列を無視ってるが。

ポクーの上には俺と自分の荷物以外にも樽や桶等の水入れに使う物が乗っている。どうもこういうのも足りていないようだ。



 ウリスタニアから北西方向へ街道を進み数度の休憩と食糧補給を挟み、夕方前に街道上の村に到着し、その村の村外れで野営する事になった。


ちなみに休憩の度にポクーの上から荷物をどかすのが地味に面倒だった。ずっと乗せとくとその間も魔力を消費するから、降ろせる時には降ろすべきだ。既にあちらまで使う用事が無いと聞いたので、ロープで幾つかに纏めて持ち運び易いようにしてある。


皆のテント張りを手伝ったりし、しばらくすると辺りに夕食の匂いが漂い出した。

作ってるのは支援担当の兵士だが、中には自前で作っている者もいる。

俺も干し肉に関しては用意してきているから似た様なものだ。誰が支給品のまっずい干し肉を齧るってんだ。


支給された夕食のメニューは定番の麺料理『ツスト』。調理器具と乾麺と少量の調味料さえ用意してればあとはその辺で採ったり獲ったりすれば、何とかなるお手軽料理だ。

そして朝食はそのスープ分が残っていれば堅焼きパンのいい付け合せになる訳さ。



 今、俺の目の前にそのツストがある。

一口味を確かめ、


「さて、何を足そうか」


ツストは基本汁少な目の薄味状態で出される。後はお好みで足せ、という系統の料理である。多人種に配慮した結果生まれた料理らしいからな。

そのため簡易台の上にはいくつかの定番の調味料と足しスープが置かれ、皆好みの味に仕上げていく。もちろん定番外は自前で用意しろ、だよ。

俺もオーリャスープを足し元の位置に戻って来た。

そして荷物入れから予め切って来たチーズと干し肉を取り出し、投入した。

これで今日の夕食の完成だ。


うん、いける。中々良い腕の調理番がいる様だ。



 移動二日目朝。昨夜の夜間哨戒は任意参加だったため俺はもちろん参加せず過ごした。俺は上空で寝るから途中でどうやって起こしに来るんだ?状態だからだ。

俺は都市外で地表で寝る事はあまり無い。


「皆、準備はいいか!」


班長が声を張り上げ、準備済みかを確認すると今日の移動を開始した。




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