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空浮ぶ請負人が過ごす日々  作者: チカさん
第四章 今夏は水枯れのもよう
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新たなる依頼

 俺は今、放浪生活をしている。

あの入札は非落札となった。まぁ競争だからこういう事もあるさ。だが入札というのも面白いものだと今度からたまに覗いて見てもいいかもしれんと思ってもいる。


非落札だったからという訳では無いが依頼も大体消化したので、干し肉作ってはあてどなく彷徨っている。

風の向くまま今は昨年来た湿地帯に滞在している。ただ昨年とは違い、湿地の野草の予習は十分なため野菜不足にも陥っていない。

また一つ俺の放浪範囲が広がったという訳さ。


今日も時間が許す限りポットチャックを釣ったり、スムゥルを狩ったりして干し肉化している。こちらもこの辺の野草で味付けしている予習様様だ。


ただ、この辺に人里は無いので塩漬けするための塩の調達が出来ないため、そろそろ一度帰ろうかと考えている。






「やっと帰って来たーー!!」


放浪を終えギルドの建物に入って来た瞬間、ギルマスが大声を上げた。顔はこちらを向いている。

一体何?何?何時ものやり取りは?えっ?


混乱しているが、とりあえずギルマス前まで歩いて来た。


「一体何ですか?」

「これです!」


そう言ってギルマスが渡して来た書類には、こう書かれていた。


「招集」


・・・穏やかな単語じゃないな。

一体どういう事かとギルマスの方を向き直ると、ギルマスが話し始めた。


「はい。連盟を通してヴィーゼヌ卿から幾人かの請負人に招集がかかりました。その中にリトさんも含まれいました」

「一体どういう事?」


ヴィーゼヌ卿はここ一帯を治める領主の事で、そんな者から招集が掛かるとは一体何があったのだろうか?

招集とは付いているが、領主程の人物の招集を完全無視すると今後の商売にマイナスになるし、これといった理由も無く辞退するのも下策である。


ギルマスの説明が始まった。




「ふむ、なるほど」


どうやらこの招集は『モズナン地方』への救援活動の招集の様だ。


モズナン地方はここより北のボーグ山脈のその北側と山脈が切れている西側一帯の地名で、今干ばつが起こっているそうだ。

それがどうした。と思うかもしれんが、あそこは国境の要衝のため救援部隊が送られているそうだ。今、人里ではこういう事が起こっていたんだな。


それにしても国境の要衝だから救援部隊を送るか。干ばつなんて少なからず毎年どこかで起きているが、救援部隊が出るなんて話は余り聞いたことが無い。随分贔屓されてるんだなぁ。

しかもここ、モズナン地方から一番遠い地方に当たるんだぞ。ここからだとモズナン地方に入るまでに標準獣車で十日程度掛かったはずだ。


「この前救援隊第二陣が出発したので、次が最後の第三陣です。一体いつ帰って来るのかひやひやしましたよ」

「ふーん。まぁ間に合ったからよかったじゃん。それで第三陣の説明会はいつ?」

「明後日連盟で四の鐘からです。ただ内容は既に出回ってますので、今ここで聞いていきますか?」

「これの精算後に聞くよ」


討伐証明部位や採取物を提出して、いつもの様に食事処でいつものを頼み、ゆっくりしてから再びギルマスの元へ戻った。



「依頼内容は至ってシンプル。干ばつの影響を抑え、撤収まで復興作業も行う事。です。

報酬は日当1ティカ。ウリスタニアから出発した日から帰還した日まで。それと出来高です。食事や一般的な道具類はあちら持ち。特殊な道具については要相談となっています。あと騎獣の飼料等に関しても一部負担するそうです。リトさんに関係があるのはこれ位ですね」

「なるほど。思ったより待遇いいな。日当なんて普通に数十ゼンだと思ってたよ」

「選考基準を満たした者しか呼ばれてませんから」

「ああそうか」

「最後の第三陣ですから、集まるのは依頼中で捉まらなかった人とリトさんの様な人だけとなるでしょう」


この依頼は周辺の町の者も一度ここウリスタニアに集まってから向かっているそうだ。だがそういう者も第二陣で大概向かったそうで、第三陣は絞りカス位の人数になりそうだとよ。人数がだよ、決して実力がカスじゃあないぞ。



その後も幾つか話を聞き、明後日に向け準備を開始した。




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