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空浮ぶ請負人が過ごす日々  作者: チカさん
第三章 ダンジョンと呼ばれるもの
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ダンジョン採掘3

 冬も中頃。


「ここも駄目か。・・・・こりゃあ」


今のところ誰もメンバーが欠けずにダンジョン鉱山採掘が続いている。ただ最近はダンジョンの再生速度より採掘速度が速く、少しずつ二階層も奥へ進んでいる。


収益は少しずつ落ちているが、それは他にも大勢潜っているので相対的に鉱石の価格が下がっているだけで、初年度組も慣れて来たので思ったよりも収益は安定している。


「こりゃあ三階層に行った方がマシだな。・・・ラム、リトと交替してくれ」

「「え~~~~!」」

「・・・いや、なんでリトもなんだ」

「そりゃあラムが絶対そう言うと思ったから、被せた」

「ライツさん僕だってやれます。こんな干し肉マニアには劣っていません」

「ラムよ。お前は何を言ってるんだ。最近俺が作ってるのは燻製肉だぞ。燻製器持ち込んでるだろ」


ダンジョン潜りを続けると干し肉作りが強制禁止になるため禁断症状が出るんだよ。だから燻製器を持ち込んで干し肉を燻製肉にして誤魔化しているのだ。


「聞き分けろリーダー命令だ。ラム、お前の実力じゃ三階層は早いと判断した。それだけだ」

「まっ、ラム今は替わっとけ。その内嫌でも参加する事になるさ」



 二階層と三階層の境界前でメンバー交換を行い三階層へ突入した。


突入後、今まで聞こえていた採掘音が少なくそして小さくなった。


少なくなったのは三階層に来ている者達が少ないため、小さくなったのは境界では光や音が減衰するため二階層からの採掘音が小さくなったためだ。減衰する理由は知らん。


「お出ましだ」


入って幾らもしないうちにランク0、1のモンスターが連れ立って現れた。

ランク0は【リットラッゼ】、ランク1は【グリム】と呼ばれるモンスターだ。


「ポーザはリゼ(リットラッゼの略称)をやれ」


俺の立ち位置は元々ラムがいた場所で前のライツさんとポーザ二人の後だ。

討ち漏らした場合や応援要員だ。


リットラッゼとグリムを容易に倒し、進み始めて幾らもしないうちにまたしてもモンスターが現れた。


今度はランク0同士のペアだが、それを倒してすぐまたもモンスターが現れた。

やはり人が少ないとモンスターの密度が高い事高い事。



 俺達は早々に本道から逸れ脇道に入った。この先からは採掘音が聞こえないためそこを目指している。


そして今前衛二人は三匹のモンスターと戦闘を繰り広げている。全てランク1のモンスターだ。


ライツさんとポーザの戦い方は堅実だ。

ポーザは防御型の戦闘スタイルで敵を張り付けてされている。そして攻撃はライツさんが危なげなく相手に手傷を負わしていっている。

時間はかかるが怪我等のリスクを踏まえた戦い方だ。



 その三匹を倒し、更に数匹倒して部屋に到着した。


「今日はここにするか」


採掘開始だ。




「では行ってくる」


毎度おなじみの運搬のお時間です。

護衛はライツ、ポーザ、ラム。俺は解雇されました。


まぁもちろん冗談で、意外とこの階層まで来てる者が多いらしく、敵の頻度が少し緩かったと判断されたためだ。


そして俺は、今度は二班のカーサと交替し、マルクとイルジと俺で二人ペアを組み順繰り休みを取りながら部屋出入り口を防衛している。


「また腕を上げたかリト」

「腕自体は大してっ変わってませんよっっと」


襲撃してきたグリムが飛びかかって来た瞬間槍の柄で頭を打ち払い、槍を持ち直し首を刺し貫いた。


「はい、これで終わりー」


・・・はぁ。

こいつ肉取れないんだよなぁ。グリムは地上ではずっとずっと東の方に生息するモンスターらしく、どんな干し肉の味がするか知らないんだよなぁ。


「やっべー。燻製作ってて良い?マルク」

「いいわけないだろうが。ほら次の団体様がご到着だ」


今度は三体ご到着だ。真っ先に飛びかかって来たリットラッゼを打ち返し、面倒そうな【ホトンタッペ】と呼ばれるランク1後半のモンスターと対峙した。

ホトンタッペの体は分厚く堅い肉を持っている。そのため頭狙いが楽に倒せるんだが、図体の割りに速く、特に突進の突破力は高いので防衛線を抜かれる可能性があったため敵前に詰めた。この三階層一番の難敵だ。





「ふぅ。倒しにくかった」


ホトンタッペ、中々の難敵だった。


「嘘つけ。圧倒してただろうが」

「いやいや、俺は地上組だから出来るだけ傷が無いように倒す訓練が必要なんだよ。皮や牙、爪に傷が入っちゃったら値が下がるだろ」

「そんな事気にしなくなったのはいつだったかな。おかげで冬まで大した稼ぎにならんかったな」

「ライツさんがぼやいてたし、ギルマスも泣いてたぞ」

「まっ、またこうしてダンジョンに潜る事になったんだ。不細工な皮を提出する必要もなくなったし泣くことはもうないだろう」

「さてね。先の事は分からん」


マルクと話していると、前の戦闘で倒したグリムが消え始めた。

だが、


「おっ、・・・・残ったか。ちっ」

「悪いね。いっただきー」


グリムの消えた場所にはグリムの牙が残っていた。

ダンジョン内のモンスターは基本消えるのだが、たまにそのモンスターの一部が残る事があるのだ。俺達はその残った部位を象徴部位と呼んでいる。


このパーティーでの取り決めでは残った象徴部位は倒した者が手に入れる事になっているため、これは個人のボーナスだ。

低階層で手に入る象徴部位の大概の換金額は一品おかずが増える程度だが、それだけで何か幸せな気分になれる。








「では、今冬のダンジョン採掘は終わりにする。皆よく頑張ってくれた。かんぱーーい!」

「「「「「「かんぱーーーい!!」」」」」」


俺達は三階層に入る事が多くなったため、今冬のダンジョン採掘を打ち切ることにした。冬はもう少し続くが利益が上がらん事をやってもしゃーないからだ。

それで今から打ち上げだ。


場所はギルドに併設した食事処の一角。酒の種類は少ないが一応は置いている。


もちろん俺は魔水だが。




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