ダンジョン プロローグ
「はー、今日も良い天気だ」
ギルマスからの面倒な依頼を終え今は放浪生活中だ。
今回は湿地帯に辿り着きここで長期滞在をしている。
主に【ポットチャック】と呼ばれる後足が発達し、跳ねて移動するモンスターを釣ったり、それを狙う【スムゥル】と呼ばれる飛行モンスターを狩って生活している。もちろん干し肉化している。
ただ予習が不十分で湿地帯の野草の確保があまり上手く行っていないので野菜不足気味だ。
だからそろそろウリスタニアへ帰ろうかと考えている。
「あらぁ、初めて見る顔ねぇ。誰かさんがいないから依頼が溜まって大変だわぁ」
「初めまして、リトと申します。ここは随分と人気なギルドみたいだ。オイラとしても鼻高々です」
「鼻を上げるより腕を上げている人に心当たりはないかしら」
「何分、足しかないものに囲まれて暮らしてましたので心当たりは全く」
「あら残念」
「ええまったくです」
「マスターいつもの」
とりあえず換金で手に入れた金を手に食事処へやって来た。今回の報酬はあまり期待できそうになかった。
食事処を後にし再びギルド側にやって来て精算されたお金を受け取った。
「それでピリアンさん、何故依頼が溜まってるんですか。遂にギルド員に逃げられました、ね」
「そこは、か?、が正しいはずです。もっとも、見当外れですが」
「残念です。ピリアンさんが嘘を付くなんて」
「嘘?」
「ええ。まずギルド員に逃げられていない場合は依頼は溜まる程受けないでしょ。逆に依頼が溜まってる場合はギルド員に逃げられたって事でしょ」
「違います!逃げられても無いですし依頼が溜まっているのも事実です」
「はいはい」
「信じてませんねー。良いでしょうしっかりかっちり教えてあげます。
実は戦闘が出来る方は今【ダンジョン】の救援依頼で大方出払っているんですよ」
「ダンジョン?ああそう言えば都市内の様子、微妙な緊張感が漂ってましたね。戦争関係だと思ってましたけど」
「買い占めの話しとか聞いてませんからもう今年は無いだろうって見解です」
「そうなんだ。それでダンジョンの方はどういう問題が起きたんで?」
「三日前、『第七鉱山』がモンスターに占拠されました」
「第七か。ここから一番近い奴だったか」
「ええ。だから借り出されちゃって」
「ダンジョン組の怠慢か。無視すりゃよかったんじゃ」
「そうはいきません。うちは総合系ですしダンジョン関係の依頼も受けてるんですよ」
「あーそういやライツさん達ダンジョン組でしたっけ。滅多に会わないで記憶の彼方だったは」
「それはあなたが滅多に帰って来ないからです。それでここはダンジョン鉱山で回っている都市ですから鉱山を取り返すため人員を割いてるんで通常の依頼が捌けてない状況なんです」
「そこに俺が帰って来たと」
「そういう事です。それで北一、二、南一、東一のどのグループの依頼を受けますか。善意で方角毎にグループ分けしときました」
「善意ねぇ。・・・・・・下の方の依頼なんてどう見たってここ数日どころのもんじゃないじゃん。体よく押し付けるつもりですね」
「ただの受付日付順です。深読みのしすぎですよ」
都市に帰って来て早々、外へ再度出る事になった。
もちろん野草が豊富な場所を選んだ。




