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空浮ぶ請負人が過ごす日々  作者: チカさん
第二章 請負人の日常
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都市の日常1

「あらぁ、なんだか覚えが無い顔がいるわ。一体何処をほっつき歩いてたのかしらぁ」

「初めまして、リトと申します。遠くから見るあなたは日に日に艶っぽくなっていく。恋でもしているのではと安心を抱いています」

「ええ、恋しくて恋しくて動悸がするの。あの人は今日も帰ってこなかったと」

「罪作りな者も一定数はいるものです。人生の先達として、彼の罪は忘れた方が良いと助言しておきます」

「ええそうね、覚えておきなさい。・・・・・・とりあえず30ティカになります」

「確かにいただきました」


「リトさん、今回はまたえらく長い事帰って来なかったわね」

「ええだから証明部位と素材の換金だけでそれほどいったわけですよ」

「モンスター狩ってくれるのはありがたいけど、常設はギルドに入る割合が少ないから依頼を受けて狩って欲しいわ」

「俺達も業が深いものですね」


俺達は言うなればモンスターの被害が多ければ多い程儲かる仕事だ。

だから俺達は、出来ないと言う事もあるがモンスターを殲滅せず、ある程度調整する程度に留めている。だから俺達は『間引き屋』『自演屋』という蔑称で陰口を言われる事もある職業だ。まぁ蔑称が無い職種は目立ちも儲かりもしないものだろうけどね。

ちなみに請負人はまだまだ別称、蔑称が多数存在する。



 とりあえず換金も終わり食事処に入った。ちゃんとした精算は俺の食事中にしてもらうことになっている。大量だからな。まぁあと20ティカはかたいはずだ。


「マスター、いつもの」


そしていつもの様に、カウンター席に腰かけ注文した。


出て来たのはつまみと魔水。

俺が数あるギルドの中からこのギルドを選んだのは実はこの魔水が決め手だった。


魔水はいろいろな品の原材料になり、全体としては需要も供給も多いが、基本は個々人が魔力を込めて作っているため、一銘柄の生産量は微々たる量だ。

酒と同じで味が分からん者にはどこの酒蔵でも同じ酒にすぎないが、分かる者にとっては贔屓どころが出来ると言う訳だ。

ちなみに俺は酒の方は同じ種類の酒なら何処の酒蔵でも同じ味に感じる。というかそもそも興味が無いため前に飲んだ味すら覚えていない。というのが正確だ。


仕入れ先は教えてくれないがこの魔水は等級2と何処にでもある等級なのだが、大抵の魔水は片手間の副業の品で利き魔水に少々自信のある俺としてはああいうのは雑いんだが、この魔水は中々丁寧に仕上げた一品だ。等級が同じなら効能も誤差の範囲だから数作った方がよほど効率的だ。

ちなみに魔水の味にそこまで興味がある者は少なく、付加価値が付かず等級≒価格となっているため買う側としては有難い品だ。


まぁここまで引っ張ったが飲むのはポクーだ。

ポクーの利き魔水は俺より腕が良く、ポクーの御眼鏡に適い、家計に優しいを突き詰めた結果がここで出される魔水だ。等級3、4は作り手も少なく本業にすらなり得る程高いので逸品はそこそこある。

俺も高給取りになったら上の等級買ってあげたいんだがなぁ。


ちなみに等級2の二倍希釈をいつも与えているが、これは家計的な意味ではない。

俺もよく分かっていないのだが、希釈は酒ならアルコールの濃度を下げる行為だが、魔水なら質を割っていると言われている。どうも魔水の等級は魔力の濃度によって分けられている訳では無いそうで、込める魔力自体に細工を加えているようなのだ。

俺は基本飲む側なので基本的な作り方は知っているが奥義とか秘奥とか言われる門外不出のその辺は知らん。

だから高給取りになってもポクーに合っているっぽい二倍希釈を与える事にかわりはない。割らないと一時は良いんだが副作用が出るんだよなぁ。

俺も利き魔水をするとき以外は三~四倍希釈して飲むことが多い。もっとも、俺は魔力をあまり使わんから魔力回復目的ではなくポクーと共に飲んでる事に意義を感じている。



 帰って来た次の日は休暇を取った。装備類は大体整備に出したからそれが終わるまでだが。

そして今日はポクーと共に利き魔水ツアーだ。

魔水は個々人が作っているため移り変わりが激しく、月日が経つと贔屓が消えたり新人が出て来るからだ。


「前回は北を攻めたな。今日は南にしようか」


そう決め宿屋から出た。



 宿は都市東側にあり、そこからテキトーに道を選び道沿いの露店で魔水を売っている店を探しながら南へ南へ歩いた。


そして道沿いの顔見知りから新人の品や情報を得つついくつか魔水を確保した。利き魔水はあとでゆっくりと、の予定だ。

そうして南の城壁が見えて来た辺りの事。



「珍しいのが売ってるな」


俺の目の先では一人の女性が魔水を売っていた。

ただ、その容姿は俺とは違い額に一本の角が生えていた。【マニティ族】と呼ばれる種族の女性だ。他にも背丈は低く大人でも俺達の三分の二程しかないのが特徴だ。


ちなみに俺達といっているが俺は【クリアディア族】。このリーメイ公国で最も多い人種だ。他にもトビーさんは【モズラリメ族】だしエジンバギルドのマルイルさんは【ポリテック族】など、幾つかそれなりに多い人種がいるが、この国でマニティ族を見るのは珍しい。


魔水の味は種族でもそれなりに変わるんだよな。質は分からんが購入しておいて損は無い。




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