合同依頼9
攻略八日目昼、俺達は敵南門の上空に到着した。
「やってるやってる」
既に籠城に切り替わり、メイザーが櫓の上から弓や石、槍を放ち地上組に攻撃を加えている。
地上組も矢盾を前面に出しつつ、矢などの攻撃を放っている。
「あれはゼイメイザーか」
「狙うなよ。作戦通りにしろ」
「わーってるよ」
ゼイメイザーとやれば報酬上乗せはあるだろうからな。報酬第一の者は作戦を無視する者も多い。
騎士は名誉、兵士は命、請負人は金、と極端だが認識はこんな感じだ。
いい感じで集団がまとまって来たので空部隊のリーダーが、
「リト、下ろせ」
指示に従いポクーに降下を命じた。
「やれ」
リーダーの指示のもと皆一斉に己の技を放ち始めた。
矢が飛び、トイルが投擲され、魔法、魔陣の派手な、ムーズの幻想的な攻撃の数々。
そしてそれを浴び、瞬く間に数を減らしていくメイザー。
「次の目標は門だ。攻撃開始ー!」
上空かの強襲攻撃に成功し、メイザーが混乱中の中地上組と共に火力が高い者達が門に集中攻撃を始めた。
高火力な攻撃がいくつも決まり門は音を立てて崩れ去った。
そうなると地上組が我先にと門へ殺到し、切り崩しにかかった。
「リト、ここから離脱しあの辺に下ろせ」
俺達空組も解散となった。あとは皆各パーティーに戻り依頼を遂行するって訳さ。
皆を降ろし、再び上空へ上がった。
「ポクー、お疲れ様」
俺の仕事もここまで、あとは結果を見守るのみ。
上空でしばらく戦況を見守りつつ待機していると、
ここ一帯に響き渡る大声が聞こえた。
「おいでなすったか」
件のボルイメイザーが出て来た。
確かに情報通り右腕が異常に発達したメイザーだった。
そして多くの取り巻きの中には一体ゼイメイザーもいた。
門から少し離れた位置にいたゼイメイザーとは別個体だ。
ボルイメイザー一体、ゼイメイザー二体がこの集落のトップと幹部だ。
数ばかり多いメイザーはあの強襲でだいぶ減ったが、まだその三体は一体もやれていない。
流石に時間がかかりそうだ。
ボルイメイザーという不確定要素はあるがそれ以外をみれば勝ちを拾うのは既に容易い状況だ。
あとはボルイメイザーに逃げられないように気を付けるだけだな。
状況を眺めているとボルイメイザーが家の柱を右腕で引きちぎり投げた。
投げられた柱は対峙していたパーティーの後衛二人を巻き込み、投げた先にあった柵にぶつかり轟音があがった。
その轟音に一瞬、場が止まった。
あまり良くない兆候だ。
今の一撃で火力一人とその前で露払いしていた者が一人消えた。
防具を来た請負人とはいえ、生きているか死んでいるかすら五分五分、この中での復帰は絶望的だ。
一時場が止まったとはいえすぐさま一つのパーティーがカバーに入ったが、ボルイメイザーは味を占めたのか取り巻きを前に出して、残った家の柱を引きちぎっている。
周りの掃討もまだ終わっていないためあれ以上はまだ集まらん。
ボルイメイザーの第二投が投げられた。
奴は暴君だな。
同族のメイザーも巻き込みまた一人盤上から消えた。
そうなると今度は何人かの者が瓶を投げ始めた。方針を変えたな。
あの瓶の中は油。森への延焼の危険性があるが討伐を優先したか。
「ポクー、あっち行って」
俺は一度ここから離れることにした。




