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空浮ぶ請負人が過ごす日々  作者: チカさん
第一章 請負人の仕事
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合同依頼5

 侵攻開始二日目の夕方。


「リンクは繋いだわ、あとは任せたわ」

「ええ、雲も少ないし何とかなると思います」


シンバエアさんからパペットを受け取りメイザーの集落へ出発した。

時刻は既に夕方。あちらに着くのは闇が支配した夜中だから月明かりで何とかするしかないな。雲よ隠すなよ。


メイザーは人と同じように篝火を焚かんからなぁ、集落の位置すら特定するのが困難だぜ。



 月明かりを頼りにメイザーの集落上空に到着した。


「さて、どこに落とすか」


集落は既に出来上がっているため警備の穴を抜かないといけない。切り立った山肌を背に半円状の柵ならその山肌を落とすが、完全なループをした作りだ。


「いや。面倒だが確実に」


荷物入れから糸を取り出した。落とすのは危険が高すぎると判断し、糸に括り付け降ろす作戦にした。それでも確実に降ろすため矢が届く範囲には下りないといけない。

糸は細いから遠目には見えないだろう。つまり糸が露見しない限り俺の存在もまた露見しないだろう。



 パペットが直ぐに糸を外せるように括り、糸を垂らし始めた。

奴等の声も聞こえないからまだ気づかれていない。



・・・たらり




 手ごたえが変わり糸を切った。


「まずは一体」


降ろした場所は月明かりでは判別できないが背の高い草木が多かった場所だ。しっかり頭に見取り図を覚えさせておいてよかった。



 同じ場所にもう一体降ろし次の場所へ行こうとした時、メイザーの声が聞こえた。


気付かれたか!?・・・・分からん。だがポクーにゆっくり上昇を命じ、一旦撤退した。



 数時間が経ち、再び試みた。

次に目星をつけていた落下予測地点上にゆっくりゆっくり漂いながら到着し、再び糸を垂らし始めた。



・・・たらり




 本陣上空に帰って来た。

同じ場所に二体、違う場所にもう一体の計三体のパペットをメイザーの集落に侵入させた。手元にはもう二体あるが最低限の一体以上降ろせたから任務は完了だ。

久々に死線をくぐったぜ。疲れたからもう寝る。



 日の出と共に起きると少し睡眠時間が足りなかったが良しとし、本陣に降り立ち、作戦本部の天蓋に入った。


天蓋の中には総指揮と副官、それに数人のパーティーリーダーが何やら話し合っていた。


「リト、帰ったか」

「ええ、首尾はどうですか?」

「最低でもゼイ以上が確定した」


シンバエアさんが上手くやっているようだ。パペットはシンバエアさんの視界準拠らしいので日の出と共に行動を始め、もうそんな情報を集めて来るとは。


「なるほど。建物はこの一番立派な奴ですか」


俺が描いた地図を写した机の上の地図の一つの建物を指差すと、


「いやそこでは無いっぽいんじゃ」

「あらら・・・あとは情報待ちですか」

「そういう事じゃ」



さて、少し雲行きが怪しくなったこの依頼はどうなるかな。




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