プロローグ
かつて竜が住まい、あらゆる種族が争い、共存していた世界「ウェリナス」
ウェリナスには人間、エルフ、精霊、魔族、そして竜人の5つの種族が混在している。「人間」はどの種族よりも勤勉で、探究心を持ち、諦めることのない屈強な心を持って古くからウェリナスの開拓を続けて来た種族。「エルフ」は深き森に住み、何よりも自然を愛して、争いを好まず、ひたすらに自らの住む森を守り続けてきた種族。「精霊」は世界に満ちる魔力の具現化した姿、火水風土雷氷光闇無の九つの種類が居り、同じ種類でも様々な容姿がある。彼らはこの世界が出来て以来ずっと存在していた種族であり、魔法を行使する為の魔力が集まり目に見える姿である、故に彼らは世界のどこにでも居り、ほかの種族とは少し違った所が多くある。「魔族」は元は魔物と呼ばれるウェリナスに多く生息する動物であったが長い時間をかけて魔法を操ったり、人間やエルフの姿に近づいていったりと進化を続けて、ついに種族として確立された者達である。彼らは元になった魔物と人間を足して割った様な姿をしている、だが魔物と違い知性と理性を持ち、その恐ろしい姿からは想像できないほどに社交的で優しい種族だ。「竜人」はかつて世界を席巻し、ほかの種族を脅かしていた竜の末裔である。竜が人間とエルフによって殆どが滅ぼされ、残り僅かの生き残りは険しい山の中に隠れ住んだ。そして長い時間をかけ、魔物と同じように人間の姿に近づいていった種族である。
5つの種族はウェリナスの世界に点在し、様々な国家や団体となっている。これはその中の1つ、竜人が住まう国「デルカ竜国」の物語である。