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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
第二章【対抗テスト】
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42/114

EX『過去』

少しシリアスな番外編。本編とは少しだけ関係しています

相変わらず展開遅くて申し訳ない

~降魔城~


流星学園で対抗テストが行われている頃、降魔城では穏やかな時が流れていた

体を取り戻した橘と、邪龍の二人組、そして龍皇。


ノワールが出発してから少しさびしくなってしまった城内では特にすることも無く

橘は使いに出ているため、三人は暇を持て余していた。


「ところで龍皇様、どうしてキャロル様は地下に居たんですか?」


「あっ、それ私も知りたーい! 物心つく前からずっとだよね」


「あいつか……」


龍皇は高い天井を見上げ、感傷に浸るように軽くため息をついて話し始める


「あいつは魔神の一種だが、昔からこの城に住んでいたんだ。

まだこの城に邪龍族が沢山いて、フィリアが生きていたころの話だ

お前らはまだ子供だったからな。理由を知らないのも無理はないさ

話すと長いんだが……聞くか?」


「皇后陛下ですか。とても綺麗な方だったことは覚えていますが……」


「人間だったけど、優しい人だったねぇ……懐かしいや」


「……昔は、少し無口なだけの女だった。けどあいつの言葉は一族を狂わせた

あいつが何か一言喋るたびに、城の中は滅茶苦茶になったんだ

腹が減ったと呟けば、数名が虚ろな瞳でその身を捧げたり

一緒に寝ようと甘えれば、聞いた者全員がその場で昏睡状態になったり……


そういった辺りに影響を及ぼす言葉ならまだマシだったさ

反転(リバース)』『変更(チェンジ)』『強化(グレードアップ)』『消去(デリート)』『交換(トレード)

あいつがこれらの言葉を呟いた時は酷かった……今思い出しても悪夢だ。


……あいつは誰もができるはずないと言ったことを平然とやってのけた。

こんなこと、ありえないと誰もが口を揃えて言った。

いつしか邪龍族のやつらはあいつを恐れ、忌み嫌うようになった

……けど、フィリアは違ったんだ。


フィリアはあいつのことをとても可愛がっていたよ。娘のようにな

あいつもフィリアに良く懐いて、甘えたりじゃれたり……べったりだった


それからしばらくして、ノワールが生まれた。

子供だったお前らと出会ったのもこの頃だったな

フィリアはノワールの世話をしながらも、あいつのことを可愛がっていた。

あいつは元々美しい女だったが、フィリアの前では幼い少女のようだったよ

幼いノワールにちょっかいを出して叱られ、落ち込んだりもしていた。

その姿に俺も同胞たちも和やかな気分になったもんさ


そんな時だった。『奴』が来たのは……。


『奴』は強かった……何が起こったのかすら良くわからない。

気が付いたら俺は、地下迷宮の奥深くに立っていたよ。

傍にはノワールを抱いたフィリアと、橘、お前ら、そしてあいつが居た

それから俺は隠れていろと手近な部屋にまとめて押し込んで玉座に戻ったんだ。


……俺が戻った時には、何もかもが遅かったさ。


玉座の間の壁は大きく抉られ、辺り一面が真っ赤に染まり、

紅い水たまりの中に白い娘が佇んでいた

どこか遠くを見つめる金色の瞳に光は無く、その背には同胞とよく似た翼。

その体は血に汚れても尚、光り輝いていた


一瞬生き残りかと思ったが……その娘は俺を見つめて微笑み、辻風と共に姿を消した

あの時見た『奴』の笑顔を、俺は忘れない。


しばらくして地下迷宮からノワールを連れた橘とお前らが出てきた。

俺がフィリアはどうしたと尋ねても、お前らは首を振るばかり。

そして震える手で俺に金色の鍵を手渡したんだったかな


俺はもちろん鍵を手に地下迷宮に向かった。

だが、いくら通路を進んでも部屋は見つからなかった。

場所を間違えたかと別のルートを探しまわったりもしたが、結局見つからなかったんだ。


その後……玉座の間に戻ると、それまで泣いていた橘が涙を拭いて呟いた


『狂ってしまわれた』

『フィリア様は、私たちを守ってくださったんです』と。


俺は詳細を求めたが、橘はそれ以上何も言わなかった。


それからどれだけ時間が経ったか……果てしない時間が過ぎた気がするが

俺は未だに、フィリアがどうなったのか知らないんだ。

それと、フィリアの使い魔……モノだったか。あいつは何処へ行ったんだろうな……」


「「……」」


「……どうかしたかお前ら、妙に静かだな」


「そんなことがあったなんて……私全然覚えてないよぅ」


「そのキャロル様を、何故起こしたんですか……?

キャロル様を封じたのがフィリア様の意思ならば、どうして……」


「……ふん」


龍皇は玉座の間の天井を見上げ、呟く


「永い時は過ぎ去った。そろそろ潮時だろう? フィリア……」





――ぽろっ


『……?』


何だろう。眼が熱い


私は、有り余る袖でぐしぐしと顔を擦る

それでも、私の顔を伝う液体はとめどなく溢れてくる


『……?、?』


ぽろぽろと頬を伝う液体は、少し温かい。

拭っても、拭っても、溢れる液体は止まらない。



この液体は何だろう。どうして、止まらないのかな。

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