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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
序章【出会い】
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03『臆病+口下手=∞』

「「……」」



何だろう、このビクビクした感じ……

緊張しているのだろうか。それとも話題振らない俺が悪いのか。

一応言っておくが振らないわけじゃない。振れないんだ。

こういう娘の扱い方を……俺は知らない。


ちなみに彼女の名は 山背 桜というらしい

なかなか良い名前である。



降魔の森は予想以上に薄暗く、不気味だ。

辺りには見たことも無いような植物が生い茂り、空気も鬱蒼としている。

毒々しい色の花や棘だらけの草も生えていて……もうさっそく帰りたい


確かに一人じゃ心細いだろうな。特に女子は。


「なぁ、桜さん」


「いや、あの……呼び捨てでいいです……」


「じゃあ桜、何か話したいことないか?」


「……圭一さんは何かありませんか?」


質問返された。話したいことは無いのだろうか


「(無いから聞いてるんだよなぁ……)」


それにしても……気まずい。

何か話題を出さないとこの先やばい

ずっと無言のままじゃ流石に俺も精神崩壊するぞ


というより、そもそもの目的は入学試験だ。

ということは話題より使い魔(魔物)を探す方が優先である。

だが、使い魔を優先すれば話題がない。

話題が無いということは結果的に気まずい。

気まずいから話題を探す……無限ループだ


口下手+臆病=気まずいという事を覚えておこう


ふと気が付くと、桜がじっと何かを見つめている。

そしてなぜか俺の学ランの裾を掴んでいる。一人にしないでってか

……微笑ましい事してくれるなこの娘は。


「……どうかした?」


「……あれ……何ですかね……?」


桜が指差す先には、巨木の根に座る……『女の子』がいた。

黄緑色の髪と、葉っぱを継ぎ合わせたような服。

そして頭にはいくつかの可愛い花が咲いていた。

パッと見、植物が擬人化したような女の子である。恐らく魔物だろう

木々の隙間から降り注ぐ光のせいもあってか、とても綺麗に見える。


桜はスキャナ片手に女の子を見つめていた。

どうやら一目で気に入ってしまったようだ。


「桜、気になるんなら誘ってくれば?

萩原先生の話が正しければおとなしい魔物だろうし」


「そう、ですね……私、頑張ってみます……っ」


桜は俺に軽く頭を下げ、巨木の方へ走って行った

……なるほど、白か。


そんなこんなで一人残された俺は、とりあえず辺りをぐるっと見渡してみる。

辺りは薄暗い森。俺が立っているのはケモノ道。

森の木は見上げるほど高く、見たこともない植物が生い茂っていた。

改めて見てみるとやばいなこの森。


でも、そこらじゅうに魔物がいるってわけでもないらしいな。

桜のように運よく見つけられないと、この試験はクリアできないのかもしれない。


俺も早く魔物を見つけないと桜に迷惑をかけてしまう。

悪い娘ではなさそう。てかむしろ良い娘だし、負担を掛けるのは好ましくない。

まぁそのための二人組でもあるんだがな


ふと、木々の奥に岩肌が見えた。

草をかき分けかき分け進んでいくと、それなりに大きな洞窟が姿を現した。


どんなRPGでも洞窟はモンスターの住処である。

となればこの洞窟にも魔物がいるはず。



……入らないわけには行かないな


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