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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
第二章【対抗テスト】
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34『道の先』

「さて……どうすっかな」


俺とユイは真っ白な扉の前に立っている。

この先は『無限回廊』だそうだ


響きからして嫌な予感しかしない。

ぶっちゃけ言うとこの扉を開けるのに多少の抵抗があったりするのだが

扉を開けないと先には進めない。となればやはり開けるしかないわけで……


「何をもたついているんですか。さっさと行きますよ」


「ちょっと待てユイ! まだ心の準備が、だな……」


―――ガチャ。

「あ……」


ユイが容赦なく扉を開け放ち、辺りの景色が一変する。

気が付くと俺とユイ+α(アリス)はどこまでも続く通路の途中に立っていた


やっぱりか……どこまで行っても終わらない通路だろコレ


どうせ謎を解くとか術者を探すとかしないと出られないとかそんな感じなんだろ?

……心の底から面倒だ


「はぁ……時間かかりそうだな」


俺がやれやれと肩を落とし、しばらく俯いたのち顔を上げると


『Hey, let's go fast』


……眼前に金色の文字が浮いていた。

早く行こうってか? あまり気乗りしないんだが……


「アリス……闇雲に進んでも多分永遠に出られやしないぞ?」


アリスは胸ポケットの中からキラキラした瞳で俺の顔を見つめてくる。

その顔に迷いは無い。それどころか楽しそうだ


それからアリスは胸ポケットから飛び出し、俺に向かって小さな手を振っている

早く行こうと言わんばかりだ。マジかよ……


『The situation does not change even if I stop』


「全く……踏み込んだからには覚悟を決めてください。

立ち止まっていても永遠に脱出はできませんよ」


「お前ら同じこと言うなよ……」


入っちゃったものは仕方ない。腹をくくるか……



~数分後~


「……」


少し歩いてはみたが、やっぱり景色が全く変わらない。

続く道の果ては見えないし、当然壁の模様などに違いもない。


単純に進むだけじゃ絶対突破できないぞコレ


「ユイ……魔物の匂いとか感じないのか?」


「ダメです。先ほどから匂いも気配も感じません

空気の流れから察するに、ここは別次元の空間ではありませんが……かなりの規模ですね」


ユイが真っ赤な瞳で白い壁を睨み、手にした小太刀で切り付ける

しかし、壁は切り裂かれるどころか傷すらつかない。


傷がついていないというよりは……見えていないだけのような気もする

……あれ?


「これだけの規模でこんな幻術じみたことが出来るとは……

……残念ですが今の私では見破ることはできそうにもないですね」


「……」


ユイは半ば諦めたような口調で言うが

その表情は、諦めてはいなかった



~ゴールエリア・『空虚の間』~



「さて……うまくやってくれると良いんだがな」


ガァン! と金属を蹴り飛ばす音が響く。

純白の学ランを着た三年生、浩二は金の鍵を手にちらりと後ろを振り返る


そこには、機械の残骸に座ってぼんやり天井を眺めるスミレが居た。

その表情はどこか物足りないと言っているようである


「……きっと大丈夫」


ゴールエリアは2Fに直結する部屋。

待ち受ける番人の出す問いに答え、正解すると鍵を手に入れることが出来るのだが……


この二人にそんなものは関係ない。


強引に機械製の番人を破壊し、鍵を手に入れ2Fへ行く

特殊であるがゆえに、特殊科にルールは存在しないのである。


「さて、行くぞスミレ……先輩の意地を見せてやらぁ」


「……頑張ろ」




何故かアクティブなアリスは白い壁をコンコンと叩いたり

そこらを歩き回ったりして首をかしげている。


『There is nothing. What should I do?』


……で、諦めたのか俺の足に擦り付いてくる

俺にどうしろって言うんだ


「まぁとりあえず大人しくしておけよ。ほら」


俺はそっと手を差し伸べてみる。

アリスはちょこんと俺の掌に乗り、少し残念そうな顔をして俺をじっと見つめる


『I want to be useful, too.』


そんないじらしい顔をしないでくれよ……

なでなで。

撫でたくなってしまうじゃないか、と思ったらすでに撫でてた。


『Hey, stop it!』


「あぁ、ごめん……ごめんってば、暴れるなって」


俺はじたばたするアリスを胸ポケットに入れ、再び前を向く


「……何をしているのですか」


「……」


……すると、小太刀を握ったユイが恨めしげに俺を睨んでいた。

いや、どうしろと?


「人形と戯れている暇があるなら打開策を考えてくださいっ」


「そういうことか……」


「全く……気楽なものですね」


少し苛々した口調でユイは言うが……

俺が見た限り集中して策を考えているようには見えない。


少し顔を赤らめ、そわそわと落ち着きがない。

何かを誤魔化すように小太刀を振り回しているかと思えば、

何故か必死に自らのもふもふした尻尾を毛づくろいしたり……


「……どうした?」


「べ、別に何でもありません! 放っておいてくださいっ」


ユイは決して目を合わせようとしない。

しかしその手はちゃっかり俺の学ランの裾を掴んでいた



もう少し素直になればいいのに……





「ねぇ、起きてよ……ねえってば」


白い胞子が溢れる部屋の中。

ノワールは動かないアサギをゆさゆさと揺すっていた


辺りには怪しい色合いの茸が生い茂り、胞子を吐き出し続けている

『防』の文字が描かれた半透明の防壁に包まれ、ノワールは冷や汗を滲ませる


部屋の奥には一際大きな茸に腰掛け、ケラケラ嗤う女性が居た。

女性は怪しく光を放つ紫色の茸帽子を被っている


そしてそのしなやかな指には、蔦と共に金色の鍵が絡みついていた



「さぁて……ここまで来れるかな?」

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