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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
第二章【対抗テスト】
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32『学科の意地』

~幽霊街・黒館~


「やれやれ……」


黒館の主、ファルシオは空き部屋のベッドに腰掛け、溜め息をついていた。

その隣には大きな布を纏う幼い少女。キャロルが座っている


「君はどこから来たんだ? 何でもいいから答えてくれないか」


『……』


キャロルは答えない。


「喋れないのか、ただ単に無口なのか……それすらもわからないな」


実は数日前、黒館のチビたちがどこからか連れてきて

腹を空かせていると騒ぐものだから、ファルシオは飯を与えた。


その結果、何故かファルシオに懐いて黒館に居座るようになったのである

しかしキャロルは何も喋ろうとしない為、その素性は謎に満ちていた


時刻は昼過ぎ。ファルシオは軽く頭を抱え、呟く


「昼飯……食べるか?」


『……』


キャロルはこくりと頷いた。



~流星学園・温室~


「さて、準備はいいか? お前たち」


「バッチリ」


「今年はどんな仕掛けなのかな? 楽しみ~」

「あたしたちはあんまり良い成績残したことないけど、今年は大丈夫でしょ」

「だって桜ちゃんが居るんだもん。優勝できるかも」


「そ、そんな……」


植物科の使い魔育成場所、もとい教室である温室には

桜と蓮華先輩、そして数名の生徒が居た。


桜の使い魔であるプラムは、日光を浴びてめきめきと蔓を伸ばしている

その頭(のように見える場所)には桃色の花がいくつか開花していた

ひらひらと揺れ動くその花は、淡く光り輝いている。


「今日はテストだよ……頑張ろうね、プラム」


『……う?』


桜はプラムを抱きかかえ、にこやかに微笑む。


「桜。今回はお前の使い魔が役に立ちそうだ……期待しているぞ」


クラウス先生が大薔薇を眺めつつ言った。

周りの生徒たちも自分の使い魔と共に立ち上がる


「我ら植物科は柳が卒業して以来、優秀な成績を残せていない。

だが今年は違う。それを他の学科に見せつけてやるぞ……いいなお前たち」



~獣人科教室~


「皆! 準備は良い? そろそろ整列の時間だよ」


ケモナー会長こと生徒会長、粟木ルイは先生の代わりを務めていた。

彼女の愛猫、クロナもやる気に満ちている


学園の中でもトップクラスの成績を誇る獣人科だが

獣人科の代表である会長の個人的なライバル心により特殊科を敵視している。


「去年も一昨年も、浩二君に手柄を取られっぱなし! 

今年こそぎゃふんと言わせてみせる……!」


「会長……悪魔科やその他の学科は気にしないんですか?」


「個人的な気持ち持ち込むのやめてくださいよ会長」


数名の生徒がぼやく。


「いいの! 私は浩二君に勝って、あわよくば仲良く……

じゃなかった、暁先生をうちに引き入れるんだからっ!」


「訳分からん」


「浩二先輩が好きならそう言えばいいのにー」



「……とにかく! 今年の目標は打倒、特殊科だぁぁ!!」


「今年も。でしょ」


一人高々と手を突き上げる会長をよそに、獣人科の生徒たちは呆れ顔である。

それでも彼女は生徒会長だ。並みの生徒では会長にはなれない。


その事実こそが、彼女とクロナの実力を現していることだろう



俺を含めた特殊科は校庭に整列していた。

甲高い女子アナウンサー(?)の声がスピーカーから響く


『メテオカーニバルと並び称される流星学園の一大イベント、対抗テスト!

毎年夏と冬に行われるこのイベントで学科最強が決まりますっ!

さぁ今年のトップはいったいどの学科になるのか。

そして特別ボーナスで夏休みをエンジョイするのはどの学科になるのか!

大、大、大注目の熱い戦いが今! 始まりますっ!』


テンション高すぎやしないか?

こういうの聞くとこっちまでテンションあがってきてしまう

あれだ。運動会のあの曲聴くと走りたくなる感じ。


「いつものことながら元気だな……あいつ参加しないのか?」


藤野先輩がやれやれといった具合で呟く。

元気って言うか盛り上げ役って言うか……

……ってか参加しないってことはあの人は生徒なのか?


「……耳痛い」


『ちなみに実況解説はこの私、神霊科二年の石崎 紅葉(もみじ)がお送りします!!

皆! 盛り上がっていこうぜぇぇえええ!』



掛け声と共に、耳をつんざく咆哮がビリビリと校舎を揺らした。



昼飯を食べ終わったキャロルは、ガシャガシャと棚を漁っている


「……キャロル様、その棚は銀食器(シルバー)の棚ですよ」


『……』


音もなく現れた深紅のメイド、柊が注意する。

キャロルはじっと柊を見つめてはいたが、結局沢山の銀食器を取り出し

身にまとう布の内側に忍ばせた。


「どこへ持っていくつもりですか……?」


『……』


キャロルは小さな手でぴっと外を指差した。

彼女が指差しているのは何処なのか。そしてそれは何を意味するのか。


それは未だ定かではない


……波乱の対抗テストが、幕を開ける。


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