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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
第一章【学園生活】
16/114

プロローグ『記憶』

―――私は元々、白い場所に住んでいた。


別に何かをしていたわけじゃない……ただ、日々を何となく過ごしていた。

その場所は……何処までも真っ白で、とても寒くて、寂しい場所。


食べ物なんて何もない。寝床なんてあるはずもない。

白くて冷たい野原はどこまでも、どこまでも真っ白で……頭上に広がる空も、同じ色。


私の意識も、体も、記憶も、次第に白くなっていった


私は、死んでしまうのだろうか?……いっそのこと死ねたらどんなに楽になれるだろう

何も食べなくても、何もしていなくても、私は生き続ける。

今まで何回も何回も、白と黒の狭間を私は生きていた……いまさら、死ねるはずもない



毎日毎日、白い世界に私は消えて、やがて夜がやってくる



たまに見える満月を見ていると何故だか力がみなぎる気がした。けど、私は何もしない

私は、意味の成さない努力を知っているから……


何度か、白い世界を駆け巡ったりしてみた事はある。

……結果は変わらなかった。どこまで行っても同じ景色が広がっているだけ


ずっと同じ……何も変わらない日々。




……そんなある日、いつもとは違う出来事が起こった。


「わぁ……凄い綺麗な髪だねぇ、こんなとこに魔物が住んでるなんて……」


―――私の前に、『人間』が立っていた。

初めて見た生き物のはずなのに、なぜか私はこの生き物が人間であると理解できた

なぜ、私の前に人間が居るのだろうか……? ここは、どこまでも白い場所なのに……


「凄い……真っ白な髪に紅い瞳が宝石みたい。耳と尻尾……狼かな?可愛いねぇ」


人間は、私の頭を軽く撫でつつ微笑む

何となくではあるが、人間の言葉は理解できた。


胸に、不思議な気持ちがこみ上げてくるのが分かる……

今まで微動だにしなかった私の尻尾が、緩やかに動く。


「ねぇキミ……名前はあるの?」


『な…まえ…?』


「そう!名前だよ。良かったぁ、ちゃんと言葉は通じるみたいだね

それにしてもきれいな声……わたあめみたい♡」


『……?』


「その様子だと名前は無いみたいだね。可哀相に……ずっと一人ぼっちだったの?

……そっかぁ……じゃ私が付けてあげるよ」




「キミの名前は――――」



                                





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