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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
序章【出会い】
13/114

12『奴らは集う。彼のもとへと』

場面転換、会話多め。分かりづらかったら申し訳ない



黒館くろのやかた



「―――期限は今日までの約束でしょ!? まだ用意できてないってどういうことよ

……ハァ!? 生活が苦しい? 知らないわよそんなの!

アンタそうやって半年も期限伸ばしてあげたの忘れたワケ!?

いいから明日までに全額揃えて持ってきなさいッ!!」



黒館の書斎、一人の少女が乱暴に電話を切った。

紫色を帯びた黒髪はクセが強く、大きく湾曲したアホ毛が特徴的でもある。

その切れ長の瞳は淡い水色で、どこか冷たい印象を受ける。


……少女の周りにはふわふわと人魂が浮いている。


「お嬢様。少しばかり大目に見てあげては如何でしょう……?」


どこからともなく現れた赤いメイド服の女性が、微笑みつつ言う。

真っ赤な髪を三つ編みに束ねた女性だ。他に言いようのないくらい美人である。


「柊! アンタは甘すぎるのよ。『裏切る』のは得意なくせに……

いいからとりあえずお茶を淹れてくれない?」


「申し訳ありませんお嬢様……丁度、『幽幻茶葉』を切らしておりまして……」


「何で用意しておかないのよ! じゃあココアでいいわ」


「かしこまりました。ホットココアでよろしいですか……?」


「……冷たいのがいい」


「お嬢様は猫舌ですねぇ……うふふ、可愛らしい」


「う、うるさいっ! いいから早くしてよ」


「……それでは、失礼いたします」


柊と呼ばれた赤いメイドさんは深々とお辞儀し、闇に消えた。

残された少女は書類が山積みになった机に向かい、手際よく判子を押していく。


「まったくもぉ……16になる娘に仕事押しつけてどこ行ってんのよパパったら……」


―――ぺたぺた。

少女は愚痴をこぼしながらも判子を押す。


……すると、書類の山から一枚の封書が出てきた


「ん……これって、玲紀からの手紙? なんでこんなとこに……


『アサギへ

パ…ドラが破…れた………至急、流星…園に来て…戴。

…女は今、新入…の一人と…契約を結…で…るわ

次…満月…来る…に何とか……頂…。

                      玲紀』


……何よコレ、インクが掠れて全然読めないじゃない!」







「……呼んだりしたらダメですよAlice、彼はああ見えて意外と鋭いんですから」


『……』


「呼んだ覚えはないって……そう言われましても」


『……っ!』


「そんな……あまり我儘を言わないでください」


『……?』


「いえ、その……ダメというわけではありませんが……」


『……!』


「分かりました……でも貴方は人形なのですから、あまり動き回ったりしちゃあ……」


『……~♪』


「分かってるって、ホントですか……? 不安です……」


『……』


「分かってますよぅ……私から彼に渡しますので、

それまでは大人しくしててくださいね?」







「―――貴方たちは先輩として、恥じることの無いように精進なさい

今度入ってくる新入生は、今までにない使い魔を持っているわ

くれぐれも取り込まれないよう気を付けること。いいわね?」


「……はい」


「Zzz……」


「起きなさい藤野。私の前で居眠りは許さないわ」


「Zzz……」


―――バチッ!

「っと……何するんすか校長」


「居眠りしてる貴方が悪いのよ。避けていいなんて許可した覚えはないわ」


「……暁先生の居眠りは許すくせに……」


「……」





「ぐぅ……この、暴力教師め……!」


「スミレ。貴女は新入生の面倒を見てあげて頂戴」


「……はい。校長先生」


A棟三階、とある教室では

魔女のような恰好をした女性、玲紀校長と、二人の生徒が居た。


仮面舞踏会に用いる様な、黒い仮面を被った少女と

白い学ランを着込んだ青髪の男。


二人とも胸に『S』をあしらった校章がついている

『S』の文字はspecial classの証。すなわち特殊魔物科の生徒である。




~666号室前~


ふと気が付くと、俺は自室の前に立っていた。

ドアの前に立つだけで冷蔵庫のような冷気がじわじわ伝わってくる




部屋の中には、『彼女』が居る。


分かりきっている……その事実だけが、俺の鼓動を速めた


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