00『降魔伝説-七天襲来-』 4/5 微改
昔々、この世界に七匹の魔物が舞い降りた。
『地皇』
まず、度重なる大地震に何もかもが崩壊し
『風神』
現れた竜巻は辺りの全てを巻き込み破壊し切り刻み、その全てを平らげ
『主蠍』
降り注ぐ熱波により湖は干上がり、大地は砂漠と化し
『緋妃』
大いなる火山は前触れもなく噴火し、舞い上がる灰は光を遮断した
『海王』
押し寄せる津波は街を飲み込み、山を削り
『水姫』
続く大雨により川は氾濫し、全ては水底に沈み
『白帝』
そして凍てつく大寒波により、世界は一度氷に閉ざされた。
舞い降りた魔物たちは天変地異を引き起こし、やがて各地に散っていった。
しかし……一匹だけ、この地に残る魔物が居た
白い毛並みを風に靡かせ、吹雪を纏う白き者である。
白帝と呼ばれた氷を司る魔物は、純白に染まった場所でただ一人、暮らしていた
いつしか生き残った人間のうち、三人の勇士が白帝の住まう『銀の箱庭』へ出向き……
……黒き箱に封じたという。
三人の勇士は三英雄と呼ばれ、褒め称えられた
その後、白帝を封じた事により銀の箱庭の氷雪は融け
長い年月の末に、魔力を帯びた植物が生い茂る緑豊かな森となった
そんな森の魔力に惹かれ、いつしか次元の境界から魔物がやってくるようになった。
次々と魔物が降り立つ森を人々は恐れ、こう呼んだ
―――――『降魔の森』と