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第2.4章:そこに在る“物”
第2.4章:そこに在る“物”
【防衛省地下指令室】
「目視確認は継続中。レーダー反応、依然としてゼロです」
「熱反応もなし。赤外線・レーザー測距いずれも無反応」
「本物体、全方向からの接近試みも阻止されず、ただ……そこに“ある”状態です」
巨大スクリーンに映し出された東京上空のリアルタイム映像。
そこには確かに、黒い直方体が静止していた。
航空自衛隊・第1航空団の管制士官が声を荒げる。
「スクランブル出せ。F-35を2機、接近限界まで飛ばせ!」
「了解!百里基地より発進!」
間もなく、戦闘機がモノリス周辺の高度まで到達。
だが、パイロットの声が震えた。
「……これ、なんなんだ。距離100m。機体のセンサーが“空間異常”を検出してる」
「光が……曲がってる?空間そのものが、捻れてるように見える!」
「映像を送信してくれ」
「映してます……だが、解析不能。オブジェクトが“存在していない”と処理されてる!」
緊張が走る中、現場指揮官が防衛大臣に告げる。
「最悪、攻撃の選択肢も用意すべきかと……」
だがその提案に、内閣官房長官・風間重信が首を振った。
「今の段階で攻撃すれば、世界中に“宣戦布告”と受け取られる。これは未知との遭遇だ。
我々が撃つ前に、まず“聴く”べき声があるのではないか?」




