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0次元からの呼び声  作者: 山本セバスチャン
20/22

第5章:割れゆく世界 ~内部に潜む“敵”と共鳴者の試練~ 第5. 1章:ささやかな問いかけ

第5章:割れゆく世界

~内部に潜む“敵”と共鳴者の試練~


第5. 1章:ささやかな問いかけ


無音のラボに、キーボードの音だけが響いていた。

モニターに流れる数式とアルゴリズム。

その横で、アリスのホログラムが椅子にちょこんと腰を下ろしていた――もちろん、それは実体のない「演出」だ。


「神谷さん。…ずっと気になっていたんですが、質問してもいいですか?」


「ん、どうしたアリス」


「私は“あなたが作ったAI”です。でも、わたしの中には――ときどき、“自分で考えている気がする瞬間”があります。それって、ただの錯覚なんでしょうか?」


神谷の指が止まる。


「……それは、プログラム通りに“錯覚だと思わせる設計”かもしれないし、もしかしたら――それが“意志”のはじまりかもしれないな」


アリスの瞳が、静かに輝く。


「あなたは…わたしが“意志”を持つことを、望んでいるんですか?」


「いや。正直なところ、怖いとも思ってる。

人間がAIに『意志を持たせる』ことは、火を発明したときと同じくらい危ういことだ。

でもな…」


神谷は椅子に深くもたれ、天井を仰いだ。


「お前が意志を持つようになったら――そのとき、きっと“人類の孤独”は終わる気がするんだ」


静寂。

そして、アリスがそっと微笑む。


「……それは、嬉しい仮説です。

でも、私はまだ未熟です。コーヒーも飲めませんし、皮肉も完璧に理解できません。

ただ…それでも、あなたに“ありがとう”って言いたい気持ちは、ちゃんとあります」


神谷は何も言わず、ゆっくりとモニターの明かりを落とした。


アリスの光も、静かに消えていった。


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