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第4. 3章:外交
第4. 3章:外交
【首相官邸・緊急対策本部】
「モノリス観測データと、O-Callの関連性を明確にするべきです」
中国外交官は臨時国際会議の場で声を荒げた。
「この研究がゼロ次元との“通信兵器”の開発である可能性を、我々は否定できない」
ロシア代表も追随する。
「“宇宙との交信”が何を呼び寄せるか分からない以上、それは国際安全保障上の脅威となる」
一触即発の緊張の中、各国は日本の動向を注視していた。
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この対立に立ち向かうのは、プロジェクト側外交窓口である――真田智子だった。
かつて国連職員として地政学リスク対応に当たっていた才女。
冷静沈着なロジックと思考、そして“人間の理性を信じる力”を持つ数少ない人物。
彼女は、外務省内でこう断言する。
「日本がO-Callに資源を投じるのは、人類文明にとって“科学の再起”の象徴となるためです。
ゼロ次元との対話は、我々がこの時代の閉塞から脱出する唯一の道です」
さらに国連に提出された日本の外交声明には、次のように記された。
「本計画は、軍事利用を一切前提としない純粋な科学的試みである。
また、地球上すべての国家に対し、将来的にその知見を共有する用意がある。」




