表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/17

Shutter:11 ぬめぬめのヌメーナ

次の日の朝。


ミューに頭をグラグラ揺さぶられ、目が覚める。


「リズ、そういえば設置した他のもんどりは、引き上げなくてよいのかにゃ?」


「うわぁぁぁ! 忘れてた!!」


急いで車を飛び出し、設置していたもんどりを上げていく。


トラップ部分を外し、網に中身をあけていった。


残っていた七つのうち、最初の三つは空だった。


「残念〜。次いこ、次っ!」


また一つと網にあけていくと、今度は黒くて細長い「ナニカ」が飛び出す。


「あばばばば、こいつ、すごいニュルニュル!」


慌てて掴もうとするが、ぬめぬめしていてなかなか抑えきれない。


首元を狙い、左手の人差し指と薬指の甲側に身を乗せ、中指で締め上げる。


すると垂れたロープのように、びろーんと縦に伸びた。


「うぉー! うなぎだ! うなぎ♪ でも何か紫?」


「とりあえずカメラで撮るにゃ」


ミューに促され、カメラを具現化し、シャッターを切る。


【アルバム】が光ったので、写真を表示し、詳細を表示した。


●ヌメーナ

表面にぬめりのある水生生物。

食べると美味しい。

とても高値で取引される。


「高値で取引されるだと!?」


目の前が金、金、金、でいっぱいになる。


「さばくのがたいへんにゃにのだけど、美味しいのにゃ。さっそく絞めるにゃ」


ーー無理ぃ!

お金にするぅぅ!


ミューの手をさっと躱し、リュックの中に放り込む。


「……ミュー、私はいま、お金がないの。今後のことを考えて、お金にしよう」


自分がそう言うと、ミューはムンクの叫びのような絶望した顔をし、うなだれた。


「それはかなしいにゃ……。骨も揚げるとおいしいにょににゃ……」


目に涙を溜めながらうにゃうにゃと悲嘆にくれるミューを尻目に、他のもんどりも上げていく。


すると残りのもんどりにも、一匹ずつひっかかっていた。


「お金〜♪ おっかね〜♪ 現実はしっかり見る〜♪」


フリーランスになりたての頃に、とてもお金に困った時期があったため、それを機にシビアになった過去がある。


一匹を捕まえたら慣れたので、手際よくポイポイとリュックに放り込んでいくと、ミューの目から一筋の涙が溢れた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ