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『笑話の里の精鋭たち』

 エスクリヌス上層、笑話の里——。

(一体、何が始まったんだ?)

 鳥俯瞰者のアンリは、集会所に足を運んだ。

 この時間には閉まっているはずの集会所に、カンテラの灯りがあり、数人が集まっていた。

 中に入ると、長老——修法者——を中心に、六人が話し込んでいた。 

 アンリも仲間に加わる。

「何があったんですか? 妙に胸騒ぎがして落ち着かないんですよ」

 すると一人の男性が盛んに頷いて答えた。

「おまえもか。俺たちも理由は同じさ。今、長老が透視しているところだ」

 テーブルに両手を乗せて、目を閉じていた長老は、やがて目を開けた。

「……どうも、霊長砂漠で浄霊の護摩行を執り行っておるようじゃな」

「霊長砂漠か……遠いな」

「だから声がかからなかったんだな」

「そう言えば、昼間、童話の里から問い合わせがあったわよ」

「なんて?」

「ここ数年に亡くなった人で、変な死に方をしている人が大勢いないかって」

「なんだそりゃ」

「つまり……今、浄霊している魂の大半が、エスクリヌス出身だった、とかいうことでしょうか」

「するってぇと、何らかの原因で銀霊鳥になりきれなかった魂が、霊長砂漠に落ちた、ってか」

「大問題じゃないか!」

「しかし、ここ数年で大勢、しかも変死なんて、すぐわかりそうなもんだが」

「いや……もしかすると、呪界法信奉者が妙な方法で、銀霊鳥化するプロセスに介入してるのかもしれないぜ」

「例えば?」

「例えば……そうだな。銀霊鳥化する時に必要な霊因子を奪っちまうとか」

「う~ん」 

 全員が唸ってしまった。

「そんなことができるとしても、原因を絶たねば、いくら浄霊しても追っつかぬだろうな」

 長老が一同を見渡す。

「童話の里に詳細を問い合わせます」

「エスクリヌスの役所の死亡記録を総当たりします」

「テロで亡くなった人々の死亡原因を調べます」

「後悔の塔に動きがないか、確認します」

「逮捕した呪界法信奉者に問い質します」

「銀霊鳥に関する事例を検索します」

「今現在の死亡者からの追跡調査を行います」

 アンリも名乗りを上げた。

「頼むぞ。わしは闇の精霊界に問い合わせて、冥界胎道に異常がないか調べてもらおう」

 長老の分担が明かされたところで、会合は打ち切られた。

 笑話の里は少数精鋭で、問題にあたることになった。

 エスクリヌスは国内に呪界法信奉者の拠点、後悔の塔を抱えているので、問題処理力が格段に発達している。

 それはカピトリヌスの神話の里も同様だった。

 笑話の里と同じ結論に達した修法者らが、直ちに調査班を結成して、問題解決に乗り出した。

 呪界法信奉者の動向を掴むことは、エスクリヌス、カピトリヌス双方にとって、最も重要なことなのだ。














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