『霊長砂漠の浄化、1班から5班』
七時半。一行は霊長砂漠に到着した。
五十人が五人ずつ、10班に分かれて、地区ごとに負のこごりの除去作業を行う。
各班の班長は鳥俯瞰者が務める。
作業の手段は問わない。臨機応変に対処する。
場所はレンナのフレイム・ラプターが案内してくれる。
連絡はテレパスを使用する。
ついでに幽霊に遭遇した場合は、可能な限り魂浄めで成仏させる。
各班は早速、作業に取り掛かった。
1班——
「小さなクルス・アイランドを作ろう。それで周りに大渦を発生させて、負のこごりを集めて浄化するというのでどうだ?」
リーダー、マルク・アスペクターが言った。
「いいっすね、やりましょう!」
平面者が賛成する。
「人数の内訳はどうしましょうか?」
もう一人の平面者が問う。
「クルス・アイランドに三人、大渦に二人だな」
「鳥俯瞰者に平面者二人と、方向者二人ですね」
「よし、始めるぞ」
マルクの指揮の下、法陣作りが始まった。
2班——
「なんだこりゃ、負のこごりの吹き溜まりじゃないか!」
リーダー、ナタル・アスペクターがやけくそ気味に叫んだ。
「大当たりですねぇ。どうしましょうか?」
平面者が問う。
「これは……どこから手をつけていいんだか」
うへぇっ、と方向者が呟く。
「仕方ない。ちょっと手間だけど、レインボーアーチで切り崩すか。八方位もあればなんとかなるだろ。五人いるから、足りない分は三方位分の護符を作るよ」
「キッついですよねぇ、光の加護がない夜中に光の法陣使うのは」
平面者がぼやくと、ナタルは言った。
「そう言うなよ。負のこごりを除去するには、光って決まってるんだからさ」
3班——
「なんで光の加護がある昼間にやんないんすかね」
方向者が尋ねると、平面者が答えた。
「作業自体が急がなくちゃなんないのと、夜にならないとこの辺りにうようよしてる魑魅魍魎が出てこないからだろ」
「脅かさないでくださいよ!」
方向者三人が震え上がった。
「まぁ、なんにせよ、定石どおりにやってれば問題ないわよ。半球六芒陣で囲んで一気に光変換するわよ。私が二本掛け持ちするから位置について」
リーダー、オリーブ・アスペクターが指示を出した。
4班——
「赤銅色の鎧を着た戦士と敵の大将は、一騎打ちの果し合いの末、相討ちとなった。両軍は引き揚げ、この場での開戦は行われなかった」
リーダー、トゥーラ・アスペクターがリーディングをすると、負のこごりがすうっと消えた。
「おおーっ!」
見ていた平面者らの感嘆の声が上がった。
「いい? つまり過去を読み取って正確に表現することで、闇の過去帳に記録してもらって、因縁を解くのがこの方法よ。原因を取り除けば、負のこごりは雨散霧消する。これなら光の加護はいらないわ」
「なるほど、こんな方法があったんですね……」
「さぁ、みんなもやってみて。パワーは使わないけど、言霊は正確にね」
「了解!」
5班——
「なんか、満遍なく負のこごりが広がってますね」
方向者が言った。
「水溜まりみたいな」
もう一人の方向者が表現する。
「それだ! レインウォークを使おう。雨の日に水浸しになる道路みたいに、負のこごりを連結させて浄化するんだ」
リーダー、ポール・アスペクターの言葉に、平面者が一言。
「……砂漠でレインウォーク……」
「要はレインウォークで発生した波紋で、こごりが連結できればいい。水そのものじゃなくて、水の性質を借りるんだよ」
「それならできそうですね」
「やりましょう。子どもの頃を思い出して、盛大に水溜まりを歩きますよ」




