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『七宮廷神界の暦』

 世界を半球に見立てて、底の円盤を大地として、地に六芒星を描く。

 すると六つの方位が決まる。

 北に光の精霊界。

 北東に風の精霊界。

 南東に水の精霊界。

 南に闇の精霊界。

 南西に地の精霊界。

 北西に火の精霊界。

 中央が人界である。

 この六つの精霊界の世界における役割は、天を覆い地に充ちて世界を構成すること。もう一つは”四季”をもたらすことである。

 一年を四期に分割すると、三か月。

 聖灯(せいとう)の十二月、昇陽(しょうよう)の一月、氷凍(ひょうとう)の三月が冬。

 蒼水(そうすい)の三月、繁緑(はんりょく)の四月、花翔(かしょう)の五月が春。

 落雨(らくう)の六月、輝雲(きうん)の七月、風雷(ふうらい)の八月が夏。

 宇宙(そら)の九月、豊穣(ほうじょう)の十月、霜舞(そうぶ)の十一月が秋。

 四季と精霊界を対比させると、冬は光と風の精霊界が司り、春は風と水の精霊界、夏は闇と地の精霊界、秋は地と火の精霊界が司っていることになる。

 そして、一年を二期とした場合は、天弧と冥弧に分割する。

 天弧とは、秋の実りを収穫し、野山が枯れて光が地に届き、雪が大地を覆い、大地が力を蓄えてやがて雪が溶け始めるまでの季節のことをいう。火から光、風の精霊界へ移行していく様を、天にかかる弧になぞらえて天弧と呼ぶ。

 冥弧とは、雪解け水が大地を潤し、草木が芽吹き花が咲き乱れ、大地が影を作り、やがて生長して実を成すまでの季節。水から闇、地の精霊界へ移行する様を、冥界を巡る弧になぞらえて冥弧と呼ぶ。

 現在は宇宙の九月。夏から秋になり、地の精霊界から火の精霊界へ力が交替する時期であり、冥弧から天弧へ移行する節目でもあった。

 これから秋が深まるにつれ、火の精霊たちは豊かな実りをもたらすため、天地を駆け巡る。さらに海にも力を及ぼし、魚の産卵を促したり、海流を調整したりする。

 世界全土に秋が充ちる。

 レンナがやろうとしていることは、火の精霊界のエネルギーが燃え盛ろうとする中で、一部の地域を水と風の精霊界に治めさせること。つまり、天地の運行に逆らう結果になるのである。

 正確には宇宙の九月中であれば、まだ地の精霊界——冥弧——が司っているのだが……。


 















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