其の六 ある一日の出来事
注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。そして唐突な戦闘などがあります。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。
……と言うか文句はペンギンに言って下さい。
ふと、目が覚めた。
理由は多分、無いはずだ。理由を勝手に付けるとしたら、今日は疲れたのだろう。大体あの手伝いの所為だ。
レトは小さく寝息を立てている。起こさない様に、そーっと動いて、俺はベットから降りた。
「……んぅ……」
「……起き……ては無いな」
レトは抱き締めていた俺がいなくなった所為か、抱き締めていたはずの腕をパタパタと動かしていた。
取り敢えず少しは大丈夫だろう。ちょっとした夜更かしだ。
何処に行くでも無く、メルトスノウの中を歩き続けた。眠気は未だに無い。
俺は何時の間にか司令室兼研究室に来ていた。そこでは夜遅くまで何かを書いているフラマがいた。
「……む? ……ああ、ナナシか。どうした?」
「お前こそ、こんな夜遅くまで。何時もそうなのか?」
「貴重な時間を睡眠で使うのは勿体無い。必要なことだとは理解しているのだが……どうしても、研究の方を優先してしまう」
「体を壊さない程度にな」
「……それで、何故ここに?」
「簡単な話、眠れないだけだ」
俺はフラマの向かいに座り、その研究を眺めていた。
変異体の肉片に回収していた俺の血を垂らし、顕微鏡で反応を見ている。レトの血でも同じ様にだ。
「……特に目立った反応は無し……か。君達の体から、完璧に汚染を克服出来る薬も作れそうな物だが」
「それを血で作るのか?」
「君達にとって血は重要な物だ。特に、ナナシ。君にとっては」
「まあ確かに傷が治るな」
「そうだ。そして、分からないのか? レトが君の血を啜った後に、魔法技術にも似た物を使ったことを」
少し記憶を遡ると、確かに使っていた様な気がする。あの氷に、あの蝶の羽根。
……何処かで、見たことがある。あの容姿。黒色の髪に、銀色の瞳。何処かで、見たことがある。
結局それは、俺の頭の中に答えがあるのだろう。それを決して引き出せないだけであって、それも全て、俺の頭の中にある。もしくはレトの頭の中だ。
……黒色の髪は、俺と同じか。
「君達はまだ謎が多い。何があったのかも未だに分からないんだ。ただ、少なくとも私は、君達がこの雪と、密接な関係があると思っている」
「そうだと良いんだが……少し俺の考えも言わせてくれ」
常備されている紅茶を入れながら、俺は手を止めたフラマに語り始めた。
「俺とレトにとって一番古い記憶。その景色の中に、雪は無かった。そして俺とレトの平均気温を上げる特異な力。そう考えると、あの一帯の雪を溶かし数日だけ雪を止ませたのは、恐らく俺達だ」
「……それは、私も予想している」
フラマは立ち上がり、畳まれていた大きな地図を床に広げた。
「まず、雪が溶けていたのは此方でも確認していた。そして雪の積もり具合から推測するに――」
フラマは傍にあった羽ペンを手に取り、空中で筆を走らせると、床に置かれていた地図に黒い線が書かれ始めた。それは地図上に円を書いた。
「――この周辺。ああ、この中心が、丁度君達がいた場所だ」
「もうそこまで調べが付いてたのか……」
「単独での調査で調べた。こんなことで、フィリップと言う貴重な戦力を失う訳にはいかない。今はもう安定しているが、まだ戦闘員を増やすべきでは無いからな。だが……ここに目ぼしい物は発見出来なかった。むしろ君達がいたことが、不自然だ」
「そうなのか?」
「ああ。記憶を失う前の君達は何を目指した? メルトスノウか? いいや、それはあり得ない。メルトスノウへ行くなら他の集落から連絡するはずだ。しかも君とレトは汚染に強い耐性がある。そんな人間を、我々が知らないはずが無い。いや、むしろレトは食事が不要、そんな人間がいる時点でだ。我々が知らない、にも関わらず君達がまるでメルトスノウを目指している様にここにいたことが不自然だ」
「……確かにそうか」
「そして、どうやって大量の雪を溶かしたのか。君達に関与する物は全て謎に包まれている。興味深い二人だが、現在残っている技術で君達を解明するのは不可能だ。科学技術でさえも魔法技術でさえも、君達を説明することは不可能なのだから」
納得はした。
……いや、そうじゃ無いんだよ。俺はこんな話をする為に起きてたんじゃ無いんだよ。眠れないから起きてたんだよ。
フラマは考える様に目を横に動かすと、何かを思い出したのか引き出しを次々と開けた。
そして、俺に小さく白い木の実を手渡した。
「魔法技術の応用で特殊な品種改良を繰り返した木の実だ。本来は何個か磨り潰し水と混ぜ睡眠と麻酔の効果を出す薬にするのだが、そのまま噛んでもある程度の効果はあるだろう。これを食べれば今夜は良く眠れるはずだ」
「何でこんな物が司令室にあるんだ?」
「私が眠れない時に良く食べている。最近はあまり効き目が悪くなって来ているんだ……」
「そうか……ちゃんと寝るんだぞ……?」
「分かっているんだが……」
その白い木の実を噛み締めながら、俺は自室へ戻った。自室と言ってもレトと二人の部屋になってしまっているが。
飲み込めば、瞼が少し重くなった。速効性が思っていた以上に強い。
未だに寝ているレトの隣に寝転ぶと、勝手に腕を動かし俺を抱き締めた。
……ああ。やっぱり温かい。
俺は、この温かみに慣れてしまった。この温かみに依存してしまった。離れることが出来ない程に。
……記憶を失う前は、俺はどんな気持ちで、レトと接していたのだろう。少なくとも親しかったとは思いたい。記憶を取り戻せばこの感情が消えることだけが、恐ろしい。
……あの木の実は流石だ。ここまで深く思考を動かしても、瞼は重くなる。
眠気に抗うことはせずに、俺はレトを抱き締めた。そのまま、瞼を閉じた――。
「――……起きて……下さい。……もう、朝の様です……。あのー……?」
「……もう少し」
「……ああ……その様な顔を……辞めて下さい……。私は……その顔に弱いのですから…………」
何時もより強い眠気を抱えながら、俺の朝は始まった。
何時も通りサラの検査を受け、何時も通りの朝を迎えた。
あまりに温かくない朝だ。まあそれは仕方の無いことではあるのだが。
メルトスノウ内を歩いていると、入口の方が少し騒がしい。騒がしいと言うか、逃げている人と専門では無い武器を抱えて走っている人が少数いる。
俺とレトは疑問を浮かべながら、入口の方へ向かった。
そこでは、未だに動いている変異体が鎖で縛られていた。力強く暴れ回り、それを武器で傷を付けていた。
すると、サラが集っている人々を蹴り飛ばしながら変異体の頭に近付いた。そのままその頭部に触れると、何やら不思議な言葉を発していた。
俺が知らない言語か、もしくは適当に口走っているのか。それは分からない。
すると、変異体は即座に動きを止めた。
「"アルバート"」
サラがその名前を呼ぶと、小さな少年がその動かない変異体の目立つ角を刃物で少しだけ削っていた。
彼の名はアルバート。サラの助手をしているらしい。可哀想に。
少し顔を動かすと、フィリップが入口から帰って来た。体に積もった雪を溶かしている内に、俺は聞いてみた。
「フィリップ、何故生きている変異体をこの中にいれたんだ?」
「ああ、そうか。見るのは始めてか。変異体にはまだ謎が多いからな。ああやって捕まえやすい身体能力が低い奴を生け捕りにすることがある。あくまで無理が無い程度だがな」
「じゃあさっきのサラのあれは何だ?」
「ああ……あれか……。……サラが、魔法技術も扱えることはもう知ってるだろ? その魔法技術の一つだ。強制的に全身麻酔下に落とす。触れば簡単にな」
「あいつの方が強く無いか?」
「良いかナナシ。医者に逆らえば命に関わる。それを良く知っておけ。俺は何度も蹴り飛ばされたから良く分かる……」
「残念だったなフィリップ。俺はレトの血を飲めば傷は治る」
「クッソ……医者の恐ろしさを知らずに暮らしやがって……!」
その後色々聞き込み、何処でその変異体の研究をしているのかを聞いた。
どうやら地下にあるらしい。俺はそこへ向かうと、やはりではあるがフラマがいた。
先程の変異体では無いが、もう死んでいる変異体の腹を割いてその中を漁っている。
「……人間としての身体機能はやはり失われている。本来ならばもう生物として生きられないだろう。と、なると、やはり……魔法技術による変異。汚染は魔法技術の可能性が高い……。……だが、それなら魔法技術特有のエネルギーを感知出来るはずだ。しかもここまで人間を変えてしまう汚染……何故感知出来ない……」
「あー……フラマ?」
呼び掛けると、フラマは此方に勢い良く振り向いた。その顔は、僅かに笑っていた。その微笑みも、誤魔化す様に手で隠した。手を降ろすとその微笑みは嘘の様に消えていた。
「……ナナシか。昨日は良く眠れたか? それにしても、どうしたこんな所で」
「少し気になってな。何か分かることはあるのか?」
「ああ。多くある。見てくれ」
そう言われてフラマが覗いている腹の中を見た。あまり気分の良い物では無いのだろうが、俺にとっては滴る血がただただ美味そうにしか見えない。
「心臓が二つに別れているんだ。丁度心房と心室に、別れている。これでは全身に血液を送ることは不可能だ」
フラマは指差しながら教えてくれた。
「にも関わらずこの変異体を傷付けると血が流れ出る。生きている時もきちんと血が流れていたんだ。あまりに不自然だ。そして、この変異体は呼吸を必要としていなかった。分かるか? この変異体は元々は人間だったと言うのに人間が生きられる体をしていない」
フラマの口は少しずつ速くなっていった。
「呼吸が出来なければ脳に酸素が送れない。だが何故か問題は無い。むしろ脳は正常に動いていた。きちんと此方を認識していた。味も感じただろう。耳も聞こえただろう。暑さも、寒さも感じただろう。にも関わらず、心臓は別れて、呼吸を必要としていない。遺伝子を調べれば確かに人間だと言うのに。だからこそ我々は、人間を変異体に変える汚染を生み出すあの雪を、人為的な物だと仮定した。魔法技術でしかこの様な事象を解決出来ない、そして、これは自然で生まれる魔法技術では無い。自然で生まれる魔法技術はもう少し小規模だからだ。確かにこの星が、いや、この宇宙が生まれた理由の一端には魔法技術が介入されていると思われる。だが、それはあくまで科学技術との相互作用による物だと予想される。確かに雪は科学技術だと説明は出来るが、科学技術と魔法技術の相互作用の大きな事象は記録上は数回しか確認されていない。しかもあくまで小規模だ。確かに人為的に科学技術と魔法技術の相互作用を生み出すことには成功させている。これは前に説明したはずだ。だが、決してあの汚染を引き起こす忌々しい雪の様に長期間、世界規模で引き起こすことは当時の技術でも不可能のはずだ。可能だとしてもそれを企てる理由、そして気付かれない訳が無い。それを解明出来る可能性を持っているのが、ナナシ、そしてレトだ。君達は今の所科学技術とも魔法技術とも言えない全くの未知の技術で傷を治す。君は人の血を啜ることで傷を治し、レトは自然と傷が治る。欠損さえも、時間さえ掛ければ簡単に。それに加え彼女は痛みを感じず、暑さも感じず、寒さも感じない。この神経の遮断もどうやっているのか分からない。ただの体質の可能性もあるが、あまりに不自然だ。つまりこれは科学技術と魔法技術の相互作用でも説明出来ない謎の力。ひょっとしたらだが、雪はその技術を使っているのかも知れない。それならば、君達が雪の汚染を受けないのも理解がすんなり出来る。離乳食を老人が飲み込む様にな。君達は汚染を引き起こす雪と同じ技術で生きている為、その技術と適用している可能性がある。これが、私の持論だ。分かったか?」
フラマの捲し立てる様な声は、俺の頭で理解を拒否していた。
覚えている言葉を少しずつ別けながら、一つずつ別けて理解を進め、ようやくフラマが言っていた言葉の全てが分かった。
「あーはいはい。つまり俺とレトが雪の汚染を受けないのは、その雪と同じ技術を使ってるからの可能性があるってことだな。完璧に理解した。うんうん」
「そうか。それなら良かった。フィリップよりは頭が回るらしい」
「あいつは脳味噌も鍛えてるからな」
「確かにそうだ。……あいつは赤子の時から辺りを走り回ってた。その時三歳の私を置いてな」
「へー……え!? あいつフラマよりも年下なのかぁ!?」
「ああ、そうだが? 言ってなかったか? まあ確かに、勘違いするのも無理は無い。フィリップは老け顔で、私は見た目だけは若いと良く言われるからな」
「今日で一番驚いたかもな……。……参考程度に、今何歳だ?」
「私が二十四、フラマが二十一だ」
「……三十代だと思ってたー……」
「そう言えば、ナナシは何歳なんだ? まだ聞いたことが無かったはずだ」
「……うーん? ……えー……えーと、確か、二十……あー? つまりえーと俺は一体……? んー? うーん? 済まない分からない」
「そうか。それさえも失ったのか」
「らしいな」
「生まれた歳さえも君達にとっては重要な情報だったが……まあ仕方の無いことではある。催眠治療を根気強く続けるしか無いな。もしくは頭の中から直接記憶を抜き取り此方で解析するか……」
「何!? 頭から直接って何!? 怖い!?」
「安心してくれ。魔法技術でやる。デメリットとしては、まあ、死ぬ程痛いと言うだけだ」
「それが嫌だ!!」
「失敗率は現在修復さえた技術で90%超えだ。失敗すれば記憶を全て失い赤子の様になる」
「やーめて辞めて!! 辞めて欲しい!!」
「分かっている。流石にあんなにリスクのあることはしない」
「それなら良かった。……いや本当に。……良かった」
安堵しながら、俺はメルトスノウ内を歩いた。どうせすることは変わらない。
俺の役職はあくまで戦闘員。一応戦闘員はフィリップ以外いるらしいが、それはあくまで兼任らしい。どうしようも無い時だけ出動する武器を持っただけの烏合の衆。つまり俺がやるべきことは、役立たずにならない様に鍛えることだけ。
まだ、あの剣に慣れていない。手にしっくりと来ない。むしろあの黒い剣がそれ程までにしっくりと来ただけではあるが。
あの黒い剣の出し方は未だに分からない。分かれば俺はこんなに悩んでいない。恐らくとんでも無い集中力から、どうにか出て来る俺の鎖の様な物なのだろう。
それがまだ出せない以上、俺の一番殺傷力が高い武器は作って貰った剣を使うしか無い。どうにか使い慣れなければいけない。
軽い剣は良い。振り回しやすい。切れ味も良いのなら、文句を言う所が無い。
剣を振るいながら、体を力強く動かし、その剣の軽々しさに慣れていく。どれだけ自分が動けるのかを自覚しながら、俺は更に速度を速めた。
汗は少しずつ置き去りにされて行く。すると、何時の間にか訓練場にフィリップの姿が見えた。
「よぉナナシ」
「どうしたフィリップ。止まる暇が無いんだ。要件だけ話してくれ」
「いや何。お前と同じ理由で来ただけだ」
「変異体の捕獲で疲れただろ。休んだらどうだ」
「そうはいかねぇ」
フィリップは大鎚を俺に向けて力強く振るった。それを剣先で止めた。
「さ、手合わせ願おうか」
「死なない程度に頼んだ」
剣を両手に持ち、体を横に回した。横振りの黒い軌道は、同じ様に体を横に回して遠心力が加わった重量の暴力が剣を伝って俺の体に響いた。
俺の軽々しい剣は簡単に弾かれ、腕は大鎚の衝撃の方向に沿って動いた。
フィリップは遠心力のまま体を回し続け、俺の腹部フィリップの踵が激突した。ただでさえ筋肉馬鹿の所為で、その衝撃さえも致命的なダメージに近付く。
後方に転回し、空中に浮かぶ一瞬の逆様の体勢でフィリップの動きを見詰めていた。その体に左手を向け、鎖を放った。
鎖は俺が着地したと同時にフィリップの体に巻き付こうと動いていた。この鎖の扱いにも慣れて来た頃だ。腕を動かし、指の微細な動きで鎖を自由自在に操ることが出来る様になっていた。
だが、フィリップはその黒い鎖を怪力のまま掴みかかり、振り回した。左腕に直に繋がっているから、俺の体ごと振り回された。
瞬時に鎖を短くし、遠心力とその短くなる勢いのまま、俺の体はフィリップに突撃していた。
その勢いのまま剣を振り下ろすと、フィリップは大鎚の柄で受け止めた。
鎖を消し、左腕でその柄を掴み、大鎚ごとフィリップを投げ飛ばした。
金属同士の打つかりのその一瞬、闘争心が膨れ上がり、乾きが内部に広がってしまった。体の血は湧き上がり、肉体は闘争心の増大により躍動を強めていく。
視界はとても、ゆっくりと流れ始めた。何時もより、遅く、そして何時もより、細かく見える。
フィリップの次の動きが良く分かる。いや、正確には、次の動きを予想しているのだろう。それをとても無意識的に、感覚で頭の中に像を造っている。
その次の動きに合わせて俺は動き続ける。
集中力はただ俺の中の闘争心を湧き上げるだけ。ただ、それだけ。集中力は俺の中で永遠に湧き上がる闘争心を浮かび上がらせる。
フィリップに一度、自然として剣を横に振るった。大鎚の柄で受け止めていたが、それと同時にフィリップの体は一瞬でその場から消えてしまった。
横を見ると、フィリップは何時の間にか壁に叩き付けられていた。
それに追撃を入れようとする無意識の手を、意識で止めた。
集中力は途切れた。弱々しく倒れ、それと同時に、渇望は脱力感を生み出し、やがて涎が口角から僅かに溢れ始めた。
「……腹減った……腹減ったー……」
フィリップは何とか体を起き上がらせ、俺に駆け寄った。
「ああ、そうだったな。レトを呼んで来る」
「……ああ……大丈夫だ。……レトー……来て欲しいー」
「そんな小さい声で来る訳が――」
すると、少し遠くから走って来る足音が聞こえた。それはどんどん近付いて、更に強い音が響いている。
やがて、レトが先程のフィリップよりも素早い速度で俺の傍に駆け寄った。
「俺より速く無かったか!?」
「……少し……黙っていて下さい……。……声が……聞こえなくなりますから…………」
レトは俺の顔を見詰めていた。すぐに首の包帯を解き、俺の体を持ち上げた。
俺の頭を手で受け止めながら、露出した首の肌に近付けた。その首に、噛み付いた。
疲れ切った体に、レトの血で渇望が満たされていく。この気持ちはきっと、俺だけが感じることが出来る物なのだろう。
最後まで読んで頂き、有り難う御座います。
いいねや評価をお願いします……ペンギンの自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……