1章1B 夢の中で踊りましょう
疲れた。とても疲れた。
特に佐藤に疲れた。
…でもあいつ、ちょっとかわいそうだな。
僕はあまりに疲れたので、学校から帰ってくるや否や、ベットに飛び込んでしまった。
「お、おまえは誰だ!」
気がつくと目の前に大きなムカデらしきものがいた。
僕の体には重たい鎧がついており、手には大きな剣が握らされている。
後ろには多勢の女の子たちが、
「和哉〜頑張って〜。この街を救ってえ〜。」
と、僕に向かって叫んでいる。
そうか。ここで僕がかっこよくムカデを倒して、モテモテになるのか。
僕は女の子たちにウィンクを1つすると、ムカデに向かって走り出した。
その時、剣に『宝刀 もやし丸』彫られているのが見えた。
……弱そうな名前だな。
ムカデまでの距離はあと5mもない。
僕はもやし丸を大きく振りかぶった。
しかし、もやし丸は名前によらず、重かった。
僕はもやし丸を振ることが出来ず、その場に転んでしまった。
女の子たちが
「うわー、和哉ダッサ。」
と言っているのがきこえる。
そしてそれに追い打ちをかけるようにムカデが動き出し、
「フハハハハ、モテないビーム。」
といい、口元から光線を出した。
しかし、僕はなんともなかった。
「なに?モテないビームが効いていないだと?これが効かない人は元からよっぽどモテていない人だけなはず。おかしいぞ。」
ムカデが不思議がる。
ハイハイ。僕がよっぽどモテていない人で悪かったね。
そこで目が覚めた。なぜか枕が濡れていた。
その時、午前2時だったが、そのあと一睡も出来なかった。
〈続〉
【次回予告】
次回、和哉大活躍。一気にモテモテ!(理想)
by和哉