第2話 異世界と技能
「ようこそ!異界の勇者様方!ビエラ王国へ!」
そこにはドレスを着た、金髪の俺らと同年代くらいの女性、というか美少女がいた。
「私はビエラ王国第一王女のアディル・ビエラと申します。アディルとお呼びください。」
彼女はこの国の王女らしい。
周りを見回してみると昼休みの教室にいた生徒全員がこの空間にいた。そして皆何が起こったのか理解出来ず、唖然としていた。
また建物の壁や天井を見てみると中世ヨーロッパのような雰囲気で金や宝石などが所々にちりばめられていて、とても豪華だ。床には教室で見た幾何学的な魔法陣が彫られていた。
「異界の勇者様方、説明をしたいので移動しましょうか。皆様私に着いてきてください。」
俺らは言われるがままアディルに着いて行った。
◆ ◆ ◆
俺たちはアディルに大講堂のような場所に連れてかれた。
「まず、こちらの都合で異世界へ召喚したことを謝罪します。」
アディルは1番に謝罪した。この国の王族がこんな簡単に頭を下げていいのか?
「あ、頭を上げてください!異世界に喚ぶということは何か事情があるんですよね?」
自体をいち早く理解し、質問を投げかけたのはクラスの委員長的存在の龍宮凛だ。
「ええ、そうなんです…今この世界は最近復活した魔王によって危機に瀕しているのです…」
「魔王?詳しく説明していただけますか?」
そこから王女アディルによる説明が始まった。まとめると
・まずここは"ビエラ王国"であること
・この世界には魔法、技能、ステータスなどよくありがちな異世界であること
・魔王は一定間隔で発生し、魔物を従えて世界を支配しようとすること
・魔王はとても強く、異世界人ではないとトドメはさせないということ
・異世界人である俺らを訓練し、魔王を倒させるということ
って感じだ。
「なにか、質問がある方はいらっしゃいますか?」
「では、1ついいですか?」
「1つと言わずに遠慮なく質問してください」
「私たちを訓練して魔王を倒させる、ということですが私たちは元々居た世界ではなんの能力も持たない、高校生でした。そんな私たちが強くなれるんでしょうか?」
龍宮がみんなの思っているだろうことを質問してくれた。
「それならばステータスと唱えてみてください。こちらへ来るときに固有技能を貰っているはずです。」
本格的にテンプレな異世界ものみたいになってきたな。
「す、ステータス?」
誰かがそう口にし始め、みんなもステータスを開いていった。
「「「ステータス」」」
そう口にした瞬間目の前に半透明の板のようなものが出現した。
「えーと、俺の固有技能は…」
異世界に来て貰った俺の固有技能は…