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15話 ごめんね千香

 私は千香の着替えを片手に、千香の手をもう片方の手で握り、暗い廊下を通り私の部屋まで連れて行った。

自分の濡れたパジャマは後にして、先に千香の着替えをする。

着替えを終えた千香が突然私に抱き着いた。

「お姉ちゃん大好き!」

千香はその一言とともに私により強く抱き着く。

私の下半身がどんどんと千香に締め付けられて圧迫されていった。

 

 この時、膀胱に再びおしっこがたまっていることに気が付いた。

夜ご飯の間にお水飲みすぎたせいかもしれない……

私はそう考えつつ、両手で股間を抑えようとするが、千香に前から抱き着かれているせいで、抑えることはできない。

「千香、もうわかったからちょっと離れて……」

「いやっ! お姉ちゃん好きなんだもん。ずっと一緒にいたいの!」

千香は私の願いを全力で拒否しながら、その意思の表れかより腕の拘束を強くしていく。

より強くなっていく尿意に、私は足をこすり合わせたりともじもじして抵抗しようとする。

 

 「だめだよ。ほんとにちょっと離れて……」

「お姉ちゃんがそんなこと言うはずない! なにか悪いおばけのせい!?」

千香はお化けの類が苦手すぎて、最近よくこういった思想に走ることが多い。

「私が、悪いお化けを追い出す!」

千香がその言葉を放つと同時に、千香の腕による拘束は外れて、私は咄嗟に前押さえする。


 「お化けさん出ていけ‼」

千香はそう言いながら私の下半身を何度もたたく。

小学1年生程度の力で殴られていてもほとんど痛くはない。

だけれども、私は今おしっこを我慢していて、千香に殴られるたびにおしっこが少しだけ出てしまう。

冷たくなっていたパジャマが再び温められる。

しかし、一回の量が少なく、小刻みなせいで温度は波のように周期的に変化するばかりだった。


 「お化けめ! 食らえ! 千香パンチ!」

千香はそう大きな声をあげながら両手で私の下腹部を圧迫する。

パンチといっているのになぜ両手なのかはわからないが、私はそんなことを全く気にすることもできず、意識はほとんだ下半身に注がれる。

私は咄嗟に前押さえしている手をより強く股間に充てる。

その直後おしっこは本格的に流れ出してきた。


 どんどんおしっこが出ていく。

私はふと手元に意識を当てた。今気が付いたが私の手には千香の着ていたパジャマがあった。

すでにおしっこで濡れているから、千香のパジャマを濡らしていいなんてことは絶対にない。

しかし私は手を動かすこともできずに千香のパジャマにおしっこを吸わせる。

とはいっても千香のパジャマも、すでにおしっこで濡れているせいで吸水性はほとんど失われいていた。

私のパジャマの薄い生地も、千香のおもらしで濡れたパジャマも超えて私の手に少しのおしっこがたまる。

幸いにも水たまりを作ることはなかった。


 しかし、私は緊張の末疲れ果ててしまい、その場に座り込んだ。

「お化けさんどっか行ったのかな。お姉ちゃん大丈夫?」

私の中でいろいろな気持ちが渦巻いていた。

「千香のバカ……」

私の頬には涙が伝っていた。しかし暗闇にいるせいで千香にはそんな私は見えない。

千香の姿はほとんど確認できないが、部屋から一人の小さい子が出ていく足音が聞こえた。

なんで私あんなこと言っちゃったんだろう……

私は風雨の音だけが聞こえる中に数分間嗚咽の音を混ぜていた。


 翌朝私は寒さで目を覚ました。

時刻は4時半でちょうど日が昇ってきたくらいの頃だった。

窓を開けると、青く澄んでいて雲一つない空が見えている。

まさに台風一過だ。

私は冷たくなっている黄色い水たまりの上で寝ていたみたいだ。

寝る前にできていなかった水たまりがあるということは私が寝ている間におねしょしてしまったということだ。

泣き疲れて突然寝てしまい、フローリングの床の上で寝てしまっていたせいで、おしっこは吸収されることもなく私の体のほとんどを濡らしている。

寒さに一度身震いした私はそれと同時に尿意を感じた。


 「どうせおもらしとおねしょで濡れちゃってるし一緒だよね。それにこのままトイレに行ってもおしっこを広げてしまうだけだから……」

決意するのにそれほど時間はかからず、私は水たまりに寝転がったまま再びゆっくりとおしっこをした。

ゆっくりと出ていくおしっこはパジャマを超えることはなく、全く前には飛ばない。

おしっこはおしりの溝そして背筋を伝い、背中まで流れていく。

あったかい、気持ちいい、そんな気持ちが私の心の中で渦巻いている。

こんなことして気持ちよさを感じるなんて、私とうとう変態になってしまったのかも……


 そんな背徳的な放尿を終えた私は、パジャマを脱いで、部屋に何枚も備えてあるタオルで体を拭いて、いつも来ている私服に着替える。

着替え終わった私は、無意識によりやってしまったおねしょと、意識的にやってしまったおもらしによりできてしまった水たまりの処理をした。

「せっかく早く起きたんだから、昨日の夜に作ってしまった水たまりを掃除しないと」


 私はそう思い、部屋にできていた水たまりを拭いたタオルとバケツをもって、廊下にでる。

ドアを開けてトイレの方に一歩踏み出した私の足に何か濡れた感触が伝わる。

足元をみると黄色い水たまりができていた。

その水たまりは線のように千香の部屋からトイレの方へ伸びていた。

「千香ってば、真っ暗なのに一人でトイレに行こうとしたんだ……」

いつもなら私を起こして一緒にトイレまで行くのに、私が昨晩あんなこと言ったから……

私は心が痛くなった。


 

 

 

 


 


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