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好奇心で異世界への魔法陣に飛び込んだら青春を謳歌しました!  作者: 夜月紅輝
第5章 たとえ叶わないとわかっていても
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第75話 久しぶり

今回はメインですよ、ユリス(>_<)


評価、ブックマークありがとうございます。励みになります(*^-^*)

「そういえば、お疲れさん」


「なんのことだ?」


「南のことだよ」


「ああ、そういうことか」


 大輝はビールを口に含むとゆっくりと飲み込んだ。現在、大輝達は近くの大衆食堂にいて、そこで男二人の水入らずでいろいろなことを話している。そして、不意に俊哉がそんなことを聞いてきた


 大輝は俊哉がなぜそんなことを聞いてきたのかちゃんと理由を知っている。これは香蓮と話している時にたまたまでた話題なのだが、俺がデートの誘いを香蓮にした時に実は香蓮も俺にデートの誘いをしようとしていたようなのだ。それを不思議に思って香蓮に話を聞いてみると茉莉から言われたの事。最近、俊哉が茉莉と二人でいる時間が多いことは知っていたので、俺はそこで俊哉がなぜあの時あんなことを言ったのか合点がいった。そして、俊哉はそのことで俺と香蓮の関係が一度崩壊したことを謝りたいのだろう。だが、こいつは昔っから謝り下手だ。遠回しに聞いて俺の反応を確かめてから謝ろうとしてくる。まあ、それが俊哉らしいったら俊哉らしいのだが。


「まあ、気にすんな。結果的には以前通りに戻ったわけだし」


「お前がそれでいいならいいんだが......」


 大輝のセリフで謝るタイミングを逃したのか言葉が段々と尻すぼみにになっていく。そして。ふと大輝に聞いた。


「それで、お前はまだ板挟み状態なのか?」


「板挟み......なるほど、そういうことか。優柔不断な話だけど、そんな感じだ」


 俊哉が聞いてきたことは要するに香蓮とエミュのことだ。香蓮は大輝に対する恋心を自覚してから普段とは少し違う行動をしてみて大輝になにかとアプローチしている。そして、そんな香蓮に大輝は翻弄されているというのが今の現状だ。また、大輝も香蓮とエミュには特別な思いを抱いていて二人の好意をどう捉えたらいいか悩んでいる。このままでは大輝がそれで潰れてしまう。それを込みで大輝を飲みに誘ったのだ。


 大輝はその問いに対して本音を吐いた。普段あまり言うことはないが、きっと元世界からの連れで唯一の男だからだろう。それはなんだか男の友情みたいで少し来るものがあるな。あれ?まだそんな年食ってないはずだが。


「俺さ、どうすればいいんだろうな。このままじゃいけないとは思ってるけどさ、どうにも踏み出せないでいるんだ。そして、前みたいにだんだんと今の距離感が居心地よく感じてきて.....ダメだよな、こんなんじゃ」


「まあな。だが、もしかしら今に今決める必要はないんじゃないか?」


「本気で言ってるのか?」


 大輝は俊哉の言葉に耳を疑った。それは事が酷くなればまた今回のようなことが起きるという可能性があるということだ。俊哉とてまた今回のようなことは起こって欲しくないはず。


 すると俊哉は大輝に諭すように答える。


「お前なぁ、今のゆらゆらとどっちにも転びそうな状態で選んだったってそれは相手に失礼だろ?そういう意味も含めて言ったんだよ」


「......そうだな。また自分本位でしか考えて無かったな」


「まあ、そんな考えすぎんな。時には時間がヒントをくれるときもある」


「俊哉......それはどこの知識だ?」


「俺が読んだことのある小説の一文」


「そんなことだろうと思った」


 大輝は思わず呆れたため息を吐くが、その顔には笑みが浮かんでいた。「こういう時に相談に乗ってくれる存在は偉大だな」と感心してしまう。


 その時、店の入り口から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「ふー、やっと着きましたね」


「さすがにお腹へっら~」


「ここで済ましていきましょ」


「賛成だな」


「......あ」


 大輝はその声がする方向を見ると思わず声が漏れた。そこにいたのはクリシュナ達であったからだ。そして、クリシュナ達も大輝の声に気づいたのかそちらへ向くと大輝と目が合って、ユリスだけ逸らされた。心なしか顔がやや赤いような......気のせいだろうか。


 クリシュナは大輝の存在に気づくと実にいい笑みを浮かべた。一方、大輝はその笑みを知っていた。あの笑みは大体何か企んでいる時の顔だ。村にいた時はあの妖艶な色仕掛けで何度奢らされたことか。そのせいで何度もエミュに怒られた。


 そんな大輝の思いも露知らずクリシュナは近づいて来る。


「お久しぶりね」


「そうですね、その節は本当に助かりました」


「なあなあ、このとんでもない美人は誰だ?」


 ふと俊哉が大輝に耳打ちで聞いてきた。心なしか声が弾んでいるような。まあ、この人の前では何が起ころうとも自己責任だ。だが、それでも我が友、必要なことは話しておこう。そう思うと大輝は村にいた時のことを思い出しながら説明した。そして、説明し終わると「なぜおお前ばかり」と肩を殴られた。


「ねぇ、そこの君?」


「は、はい!何でございましょうか!?ちなみに俺の名前は俊哉と言います!」


「それじゃあ、俊哉君。少しお話しいいかしら?」


「喜んで!」


 そして、俊哉はクリシュナに誘導されるままに開いている席に座った。そして、そのクリシュナに続くようにリズベットとライナリーゼが。それを見た大輝は俊哉を心の中で合掌した。我が友よ、そこは濃すぎるキャラが集まって、金が搾り取られるまで終わらないカオスルートだ。だが、俺は止めはしない。すでに忠告......いや、警告はしたからな。それでもなおお前はその道を選んだ。お前こそ真の勇者だ。


 大輝はまるで戦地に向かう同士に敬礼するような目で見ているとユリスから声をかけられた。


「あの......相席いいですか?」


「ああ、別に良いぞ」


 ユリスの言葉に大輝は軽く答える。その言葉を聞くとユリスは座った。大輝はそんなユリスを見ていると思わず怪訝な顔になる。なぜかわからないがユリスの動きがどうにもよそよそしいのだ。なんというか俺とどう話せばいいか戸惑ている感じに近い。だが、俺にはそんな態度を取られる筋合いがまるでない。いや、もしかしたらあの時俺を叱ったことを気にしているのか?なら、それは杞憂に過ぎない。俺はあの時叱ってくれたからこそ心に喝が入って、頑張ることが出来たのだ。なので、どちらかと言えば感謝しているぐらい。だがまあ、ユリスが言いずらそうにしているならこちらから話題を振るか。


「ユリス、あの時はありがとな」


「へ!?......あ、はい、あの時ですね。あの時全く困りましたよ......それで話は変わりますが、今何の料理を食べられてますか?」


「ん?......グラタンだが」


「美味しそうですね。私もそれにしましょうか」


 大輝はそんなユリスを見てさらに怪訝に思い、首を軽く傾げるほどになった。......今、露骨に話を逸らされたよな?それだけ触れられたくないということか?だが、それを差し引いても今は明らかに様子がおかしい。俺が今食っている料理は出されてまだ間もない。見ればグラタンと一目でわかるほど原型も崩れてはいない。それから妙に会話のテンポが早い。俺の言葉に若干被せ気味で返してくる。なにか悩みとか抱えているんだろうか。


 すると今度はユリスの方から話しかけてきた。その表情は少し浮かない様子だ。


「それでその相手とはどうなりましたか?」


「ユリスのおかげで無事仲直りできた」


「そうですか、それは良かったですね」


 リリスはあまり感情を見せずに淡々と返答した。これはもう異常だと捉えるべきかもしれない。いつもならまるで自分のことのように喜び「さすが私の弟子です」と声高らかに言いそうなところだが、現にそうではない。これは聞くしかない。


「ユリス、悩んがあるなら聞くぞ」


「悩みですか......大丈夫ですよ、何もないですから」


「正直に言わせてもらうと俺にはそうは見えない。さすがに言動が不自然過ぎる。これは何かあったと思うのが普通だと思うが」


「......」


 大輝は少し強めの口調でユリスに問い詰めた。ユリスは最初こそ黙っていたが、しばらくしてゆっくりと話し始める。


「これは個人的な問題なんです。それも大輝さんには言えない......いえ、いずれは言わなければならないのですが、今はまだその一歩が踏み出せないといいますか。その勇気を持つ前に不意に会ってしまって、どうすればいいか未だ整理がつかないといいますか......」


「俺に言えないことか......それはどういった類のことかも言えないのか?」


「言えませんね......それはもはや答えを言っているようなものなので」


 大輝はユリスの言葉からどんなことかを考えてみるが、全く何かわからない。とりあえず自分とユリスに関係した思い出から探ってみるがそれでも。ここはユリスに任せるべきなのか?だが、この様子がどこか香蓮の時を連想させて放っておくことが出来ない。嫌だが少し本音をしゃべらせる様に仕向けるべきか否か悩みどころだ。


 するとそんな考えがユリスに伝たわったのか不意に手を重ねられた。


「余計なことはしないでください。必ず自分で何とかしてみます。ですから、()()を信じていてください」


「......分かった。俺はユリス(師匠)を信じるよ」


 そういうと初めてユリスが柔らかい笑みを見せた。そして、話題を変えた。


「そういえば私、明日この国を出立して故郷へ一度帰ろうと思っています」


「明日ってまた随分と急じゃないか?」


「むしろこっちの予定が正しいんですよ、ここに来る前に馬車が壊れてしまってそれで遅れただけですから。まあ、確かに別に焦るほどのことではないんですが、師匠に早めに顔を見せて上げようかと思いまして」


ユリス(師匠)の師匠か......俺も弟子として会ってみたいな」


「全ての仕事が終わったら会いに行けばいいんですよ。......あ、もしかしたら通り掛けに寄っていくこともあるかも知れませんね」


「そうだったらいいな」


 そんなことを話し合いながら二人はやっと打ち解け合って気軽に話し始めた。そして、しばらくして俊哉が「助けてくれ」と泣きついてきたのでクリシュナ達も含めてこれまでの旅のことを話していった。


**********************************************

「「......え?」」


 クリシュナ達と一緒に飯を食った三日後、大輝はある村でユリスと運命的な再開を果たしていた。だが、それは同時に大輝とユリスに残酷な事実を伝えていた。


 大輝とユリスがいるのはユリスの故郷であり、そこに災悪が現れていることを示唆していたからだ。

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