第18話 肉フェス#1
大輝が朝起きてて、一階のリビングに向かうと何やらリューク達がなにやら身支度をしている。大輝自体早く起きるタイプではないが、今日は村が一段と活気に溢れていたのでいつもより早く起きた。そしてリューク達も朝っぱらから活動することは少ないのだが、今日は一段と早かった。それを怪訝に思った大輝はリュークに聞いた。
「お前ら、今日、いつもよりよっぽど早くないか?」
「ん?あれ?お前、もう行ってると思ってたぞ。」
「どこに?」
「どこにって肉フェス。」
「肉フェス?」と大輝は小さく呟くと窓に近づいてそこから見える景色を見た。するとまさに祭りという雰囲気で朝から多くの人たちが露店の準備をしている。また、知り合いの冒険者もどこかに向かっているようだ。......あの格好と方角的にギルドか。そういえば、リューク達も同じ格好をしている。
「なあ、なんでそんな格好してんだ?祭りなんだろ。」
「あー、そういえば大輝たちはここに来て初めてだったわね。」
「簡単に言うと今から祭りの主役である『肉』を調達しに行くんです。」
「今から?」
「今からです。調達ノルマを達成した後も調達は出来るので好きなだけ肉を持って帰ることができます。とっても美味しいですよ。」
なるほど。それは実に魅力的だ。ここには焼肉みたいな店はないから、思いっきり肉を食える機会がなかったんだよな。大輝は焼肉を思い出して「じゅるり」と思わずよだれが出る。今から急いで準備しなければ。大輝はリューク達に先にギルドに向かってるよう伝えると急いで自室に戻った。......あ、エミュも起こさなければ。
大輝は装備をつけてエミュの扉の前に立つ。エミュはまだ寝ているようだ。......まあ、しかたない。今日が肉フェスなんて昨日の時点で知らなっかたからな。本来なら今日はオフだった。大輝はエミュの部屋の扉を数回ノックする。......起きる気配はない。そういえば、エミュの眠りって深いんだよな。クエストに行く以外基本朝まで起きたことがない。
大輝はもう一度ノックするが、それでも起きる気配はない。しかたない入......る?ドアノブに手をかけた瞬間、大輝に羞恥心が湧き起こった。......え、いいのか?許可なく入っても。女子の部屋だぞ!?だ、だが......入りたいか入りたくないかと問われれば入りたい。俺はエミュを起こしに来たのだ。......そうだ!俺はエミュを起こしに来たのだ!正当な理由があるではないか!何をためらうことがある!不純な気持ちなど一切.......ない。ない!それでも声ぐらいはかけとかないと。
「は、入るぞー。」
「zzzzzzz。」
少しどもりながら大輝は部屋の中に入る。部屋は整理されていた。が、思ったほど女の子らしいといった内装ではなかった。エミュは竜人族であるから感性が違うのかもしれない。大輝はふとテーブルを見た。エミュの初代ガントレットだ。これはEランクに上がる少し前に買ってあげたものだ。『初代』ということは今は二代目を使っている。
「まさかとっておいてるなんてな......。」
これは大輝にとって驚きだった。こうも大切にされてたと思うと嬉しくなる。......あれ?今使ってるのは?大輝はあたりを見回す。だがよく見るガントレットはない。「あっれ~?」と思いながらも注意深く探す。
「あ!」
見つけた。見つけた場所はエミュが寝ているところだった。しかも大事に抱えるようにしながら眠っている。その光景に大輝はさらにほっこり。なんだかこのまま眺めていたい気もするが、今日はエミュが大好きな肉がこれでもかと食える日だ。こんな日を逃すのはさすがに可哀そうだ。
「おーい、エミュ、起きろー。肉が食えるぞー。」
「う~む。むにゃむにゃ。zzzzzzzz。」
大輝はもう一度声をかけるが起きない。相当眠りが深いようだ。こ、これは直接起こさないとダメなのか。大輝は少しぎこちない歩きをしながら、エミュの元に立つ。すると大輝は思わず顔を赤らめる。それはエミュの肩辺りまで寝巻かネグリジェのような服が見えないからだ。そんなエミュの姿を見て、「まさか寝るときは全裸タイプなのか」と思ってしまった。いやいやいや、エミュに限ってそんなわけない。これは俺の勝手な妄想だ。
「おーい、起きろ。」
「......う~ん。......あれ?大ちゃん?」
「よ!おはよ......う......。」
大輝は口を開けたまま固まっていた。エミュは目を擦りながら、体を起こし、怪訝そうに大輝を見つめる。しばらくしてエミュは大輝のの一転が顔でなく、その下に向いてるものだとわかった。その瞬間、エミュの顔が真っ赤に染まる。......あ、今、私、真っ裸だ。
「きゃああああああ!」
「うぉぉぉ!す、すまん!!」
大輝はエミュに背を向ける。......見たのは数秒もないのにしっかり目に焼き付いてしまった。幸いというのか大事な部分は見えてない。大輝が後ろを向いている間にエミュは肌を隠すようにシーツかぶる。
「......もうこっち向いても大丈夫だよ。」
「あ、ああ。わかった。」
大輝はエミュの方へ向き直す。が、エミュはシーツをたくし上げて肌を隠し、顔を赤らめているため、それが逆にエロく感じる。全然大丈夫じゃない。.......なんか悪いことしてる気分だ。
「そ、それでこんな朝からどうしたの?大ちゃん。今日はオフじゃなかったの?それにこの恰好。」
「ああ、それなんだが、今日はお祭りらしいんだ。それも『肉』の。」
「ほんと!?」
「え、エミュ落ち着け、見えそうだ。」
「見たいが」という感想を飲み込みながら、エミュから目をそらす。エミュは慌ててシーツをたくし直す。大輝は後ろを向いたままリューク達に教えてもらったことをエミュに伝えた。すると大輝の思った通りエミュは興奮気味に食いついた。それから、エミュが着替えるというので部屋に出て数分後......大輝たちはギルドに向かった。
それでは、また次回。




