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第16話 依頼

本編の途中で出てくるキャラが個性的なので必要に応じてカッコで伝わりやすいようにしています。

「う、うぅ......。」


「起きた?大ちゃん。」


「ああ、エミュか。」


 大輝はむくりと起き上がると自分の体を確かめた。......よし、なんともない。それにしても酷い夢......うん、夢だった。あれは夢だ。全然知らない女性が奇声を上げながら突っ込んできて、きっと大型トラックに突っ込まれたらあんな感じだろうというような衝撃をダイレクトで受けたからな。今でも生きていることが不思議......。


 大輝はふと辺りを見回すとなにやら床を叩き、悔しがってるの悲しんでいるのか少なくともそのどちらかは必ず表してるような態勢の女性がいた。突っ込んできた女性だ。夢であって欲しかった......。すると近くに、一番最年少であろう少女が頭を下げてきた。


「この度はうちの仲間がとんだご無礼を......。」


「ああ、大丈夫だ。五体満足だから安心してくれ。」


 大輝が無事を伝えると少女は安心したような顔を見せた。小さいながらもなんと出来た子だ。これはきっと良い女性に育つだろう。大輝はなんだか近所のおじさんのような気分になった。


「それにしてもあなたもそんな格好してるなんてね。ここではブームだったりするの?」


「......はい?」


 ば、バレてる。大輝は直感でそう思った。いや、状況から考えれば床を叩く......というよりももはや殴っている女性の表情を見ればわかるか。唯一、俺に触れた人だし。


「なあ、どういうことだよ!?クリス!?ハニーが男だなんて!?この世界はどうなってんだ!?」


「いや、知らないですよ。」


 まさかの言葉に思わずツッコんでしまった。そんなに悔しいのか、俺が男だったことが。

 そんなやりとりを「ふふっ」と笑うクリスという女性は少し腰を据えて話しましょうかと提案してきた。そんな提案にのった大輝は近くにあった椅子に座った。そしてまた大輝はここが応接室であろう部屋であることに気が付いた。


「それじゃあ、自己紹介をしますね。」


 初めにしゃべりだしたのは最年少の少女だ。少女は自分の自己紹介をしてからメンバーの紹介をし始めた。


「まず私がこの中で一番のしっかり者だという自負があるユリス・ラグドールです。で、私の右手側から順に普段おっとりしてそうなのに時折Sっ気を見せるクリシュナ・アスベルッサ。」


「ふふっ、少し悪意を感じるわね。クリスと呼んで。」


「ほんとのことです。次に女性を愛しすぎ女性に好かれる女リズベット・カーラ。」


「ふっ、褒めるなよ。リズで構わない。」


「褒めてません。で、最後にた行、だ行が究極的にら行になるライナリーゼ・クロット。」


「これは完全に悪意らよね。らのしみにろっれおいらプリンくっらから?(楽しみにとっておいたプリンを食ったから?)あ、ライナれいいよ。」


「......!それについては初耳ですね。後でOHANASHIがあります。それと、いずれ......いや、話せばすぐにわかるようなことですよ。」


 な、なんとも個性的な面々だな。エミュも興味津々らしく目を輝かせている。大輝とエミュもそれぞれ自己紹介をした。大輝のほんとの声と名前を聞いてリズベットは露骨にショックしている。そんなかおされてもなぁ。それにしてもなぜこんな面々と一緒にいるのだろうか。今はただでさえ早く着替えたいのに。そんな大輝の心境を知ってるのか大輝を向いて少し笑っているような表情のクリスは状況を話し始めた。


「今あなた達がいるのはね、気絶した君の看病もあるけど、私たちが用があったからでもあるの。」


「用?俺たちは初対面なはずですけど。」


 この村に来るまでにあった人物はエミュとウンディーネ様だけだ。それともどこかにいたけど気づかなかっただけか?大輝は自分のこれまでを振り返るが、クリシュナは大輝に肯定的なうなずきを示した。


「ええ、そうよ。でもね、あなたたちが普通ならそのまま見過ごしてたでしょうけど。」


「その言い方だと俺も含まれてるんですが。」


「ええ、あなたもよ。寝てる間に少し調べさせてもらったけど、Eランクはさすがにないんじゃないかしら。もっと高いはずよ。」


 そう言ってくれるのは素直に嬉しい。ただ、俺のプライバシーが......。そうクリシュナに言うと「ふふっ」っと笑われただけだ。......俺、案外に苦手かもしれない。ただ、いまいち疑問が残ってる大輝にクリシュナは続けて答える。


「その根拠はというとね―――――――。」


「それは私の魔眼によるものです。あ、ちなみに他言無用ですよ。」


 魔眼?それって俺がもっている精霊の瞳と同じやつか。それに効果も俺のやつと似ている。他言無用ってことは基本知られたダメなのか。まあ、貴重なものだし狙ったりするやつもいるのか。


「これで戦闘力を測らせてもらいました。」


「ス〇カウターかよ。」


「す......え。なんて言いました?」


「いや、気にしないでくれ。」


 思わずツッコんでしまった。平常心。平常心。


「そうですか。それでですね、Eランクにしてはギルドで一番強いので―――――――。」


「一番!?」


 大輝は思わず声を張り上げてしまった。だが、このギルドにおいてエミュを差し置いて一番強いとは言えない。しかし、ユリスの次の発言で大輝は別のことで焦りだす。


「あ、人だけね。エミュさんは竜人族だから除外してるよ。」


「「......!」」


 ば、バレてる。これはまずいのではないか。竜人族を嫌悪している人もいるとエミュが言っていた。......いや、落ち着け。知っていてこのままこうしているのはおかしい。なら、この人達は安全とみなしてもいいのかな?するとユリスはあたふたしながら言葉を付け足す。


「あ、安心してください!私たちはどうするつもりもありませんから。」


「ああ、そうだ。大輝がもう一度あの格好してくれたら黙っていてやろう。」


「わらしは甘いものね。」


「お二人が話すと話が進まなくなりそうなので今まで通り黙っていてください。」


「そんなんらから、いつまれらっれもかららが成長しない―――――――。(そんなんだから、いつまでたっても体が成長しない)」


「そうそ――――――――。」


「誰が貧乳じゃ!ああん!?!?」


「「.......。」」


 ユリスがキレた途端急に黙る二人。一体どちらが年上なのだろうか。そう思いながら大輝は苦笑いし、話を促す。


「一番ってのは正直実感がわかないですけど、Aランクの皆さんが言うならそうでしょうね。それで俺たちが選ばれた理由はおおよそわかりました。そんでここにいるってことは俺たちに何かさせたいんですか?」


「話が早くて助かるわ。どちらかというと『させたい』じゃなくて『手伝ってほしい』なのよ。」


「手伝い?」


「ええ、私たちじゃ数が足りなくてね。それでもって私たちが望む腕っぷしのある人を探してたのよ。」


 ここで大輝は疑問が浮かぶ。クリスさん達はここしばらくで初めて見る人たちだ。ってことは、どこかから来たのだろう。それだったら、ここに着く前にいくらでも集められたのではないか?そして大輝はその疑問を思い切って言ってみることにした。


「クリスさん達ならここに来るまでに集められたんじゃないですか?」


「まあ、集められたのだけれど......正直言うと目線がいやらしいし、妙に上からだし、やたら見返りを求めてくるしで煩わしいのよね。一体何様で私を上から屈服させようと思っているのかしら。あなた達は私の前で這いつくばって靴でも舐めてればいいのにね。それ以外にも――――――――――。」


「落ち着け、クリス。大輝たちが引いてるぞ。」


「......はっ!ふふっ、何も見なかったことにしてくれればありがたいわ。」


 今確かなSっ気を垣間見た気がする。加えて、闇が爆発していた。俺の苦手という気持ちは正しかった。


「ごほん、話を戻しますね。まあ、こういった理由で適当な人物が見当たらなくて、ここに来てようやく見つけたって感じですね。ですから、その......受けてくれるとありがたいな。」


「お!れら!ユリスの甘えるこうれき。」


「よ、余計なことはいわないでください。////」


 ユリスの可愛らしい笑顔は普通に可愛らしかった。一つ返事で受けそうになったが、そこは大輝の相棒エミュ、大輝の横っ腹を摘まみ大輝を制止する。そして、内容を聞くよう促す。


「ん、内容次第ですね......。」


「ま、まあ、そうなりますよね。内容は盗賊団の一斉捕縛です。」


「盗賊団!?」


 まさかの相手は人!?大輝は思わず声が漏れた。これは簡単に返事をしてはいけない内容だった。エミュに感謝しないと。それにこの内容には一応確認しとかないといけないことがある。


「その盗賊団って当然攻撃してきますよね?」


「そうですね。間違いなく。」


「......その場合、殺すこともあり得ますよね?」


「......はい。」


 ユリスは何かを察し、静かに肯定した。空気も少し重くなる。そして大輝はそっと言い始める


「俺は人は殺せません。」


「なんとなくわかりました。安心してください。そういう冒険者もいることは知ってますから。ですが、大輝さん達は陽動してもらうだけでいいんです。手伝っていただけないでしょうか。」


 それくらいならやっても構わない気がする。もちろん危険があることも承知だ。こんなに頼んでるからと思う甘い気持ちがあるかもしれないが、おそらくこのままのさばらせていいものでもない。俺にできることがあるならやってやりたい気持ちもある。だが、俺一人が決めていいことではない。


 大輝はエミュを見る。エミュは大輝が見ていることに気づくと笑って見せる。ただその笑顔はいつもの元気溢れるものではなく、優しい微笑みに近かった。まるで「大ちゃんが決めていいよ」と伝えてるようだ。大輝は小さく「ありがとう」とつぶやく。


「その依頼受けさせてもらいます。」


「......決まりね。実行は今日だけど大丈夫?」


「......!?随分と急ですね。ですが予定はないですし大丈夫です。」


「それなら、18:00にギルド前でまた会いましょう。あ、あとその服でね。」


「......え!?」


「その服でね。」


「あの、いや、ちょっと......。」


「ね。」


「............はい。」


 言いようのない無言の圧に押し切られた大輝。一体何のためなのか。

 クリシュナ達が応接室を出ていくと大輝は緊張を解き、ぐで~~~と脱力した。そして大輝は天井を見ながら一言。


「全員キャラ濃い......。」


 そうつぶやいたのだった。

なんでしょうね、会話のシーン書いてると余計なことを書きたくなってしまいますね。まあ、それで面白さが伝わってくれれば幸いです。

それではまた次回

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