第10話 エミュと冒険#7
大輝、エミュ、ウンディーネはそれはそれはバカ騒ぎをした。この世界のことを改めて教えてもらったり、美味しい食べ物、強い魔物のこやいろんな愚痴(主にウンディーネ)を聞いたり、話したりした。大輝はこの世界ではお酒適齢期だったこともあり、初めての酒を飲んで見事に酔っ払いになった。そして......
「うぅ、うぷ、きもぉち悪い。」
「だから初めてなのに飲みすぎんなって言ったでしょ。」
「大ちゃん、大丈夫?」
大輝は見事に二日酔いになった。顔色が悪い。エミュは大輝に肩をかしながらそのまま背中をさする。その優しさが嬉しい......うぷ。やばいまだ結構気持ち悪い。しばらくまともに歩けそうにないな。こんなでエミュに迷惑かけて実に申し訳ない。
ウンディーネは大輝をどうしようもない目で見ていると、ふと大輝に「いいものあげる」と告げた。
「いいものですか?」
「ええそうよ......って、なに私をジロジロ見てんのよ。......はっ!いいものって私のことじゃないわよ!?もう少し顔面偏差値と身長と性格を出直してから来なさい。」
「もはや、それ俺じゃないですよね?」
ウンディーネは身をよじらせながらも辛辣なこと大輝に言い放つ。実にひどい言われようだ。まあ、酔ってるせいで欲望に忠実になっててウンディーネ様の妖艶な容姿をエロい目で見てたのは事実だし、釣り合おうとも思ってないからいいんだけどね。
ウンディーネは自分の胸あたりに両方の手ひらを拳一つ分の間隔をあけて突き合わせると魔力を込め始めた。ウンディーネの体全体から神々しいオーラが放たれ、同時に手と手の間に込められた魔力に神々しい光が吸い込まれ眩い光が周囲へ解き放たれた。大輝とエミュはまぶしさに思わず手で遮る。
凝縮された光の球体ができるとウンディーネは大輝に向かってそっと両手を広げていく。すると球体が大輝のもとへ向かっていき、大輝の胸あたりにくるとすっと溶け込むように体の中に入っていった。
『ユニークスキル 精霊の瞳を獲得しました。』
「精霊の瞳?」
「それはね、そうね.......言わばのこの世界において知ってることの情報体よ。その瞳を通して見れば見たものの情報が脳内に流れ込んでくるのよ。魔物であれ、食べ物であれ何であれね。......まあ、今の私に知らないことの方が少ないから、ほぼ全ては分かると思うわよ。あとは幻想を看破すしたり、魔力を感知するくらいね。」
「!......いいんですか?そんな貴重なスキルを頂いた訳ですが......。」
「いいのよ、あんたには特別ななにかを感じるのよね~、これ精霊の勘。だから別に問題ないわ。」
「よっしゃあああああああ!」
ウンディーネの言葉に大輝は歓喜した。ウンディーネの言葉によるとこれは相手のステータスを盗み見る的なやつだろう。これは念願のチートスキルだ!前の俺だったらもっと最強スキル的なの期待して少し位不満があったかもしれないが、今の俺は不満など一切ない!ああ、ウンディーネ様ありがとうございます。改めてこの忠誠をあなたにイエスマイロード。
大輝は拳を胸に当てるとそのまま膝まづいた。そして目を輝かせてウンディーネを見る。ウンディーネは大輝の行動に上機嫌になったが、大輝の視線の意図に気づいてすぐさま大輝に魔法を行使した。
「.......あんた、今その瞳を使って何を見ようとしたの?」
「.........。」
「言っておくけど、あんたが見れる情報は魔物と植物だけしか見れないわよ。」
「......そ、そんな!?」
「だけ」ってことはもっと早く行動していたら、あの黄金体のスリーサイズが見れたかもしれないってことか!?......チッ。
エミュは怪訝な目で大輝とウンディーネのやりとりを見ている。そしてウンディーネは大輝の思惑がわかってスキル与えたことを少し後悔し、実に冷たい視線を大輝に浴びせる。それからひとつ息を吐くと大輝たちに告げた。
「大輝、もう体調は大丈夫でしょ?魔法で治してあげたわよ。だからあんたたち、さっさと行ってきなさい。」
「!......そうみたいですね。確かに気持ち悪さがなくなって、むしろ体が軽いです。」
大輝は腕をグルグルと回して動きを確かめた。体調は万全。体も動く。出発の準備は......特にないか。よし。
「エミュ、行くか。」
「うん!」
「それじゃ、ありがとうございました。料理、美味しかったです。」
「私の悩みを聞いてくれてありがとうございました。」
エミュは丁寧なお辞儀をした。そんなエミュの姿を見ながらウンディーネは優しく微笑む。
「大輝がどうしようもない奴だったら、さっさと捨てて私のもとへ戻ってきてもいいわよ。というか来なさい!」
「!」
「はーい!ウンディーネ様~。」
「え、エミュ!?」
ウンディーネのとんでも発言とそれに元気よくのるエミュに大輝は思わずたじろぐ。そんな大輝を見て笑うウンディーネとエミュ。最後の楽しい時間が流れた。
そして大輝とエミュは一瞬アイコンタクトをとると同時にお辞儀をした。
「「本当にありがとうございました。」」
「もうまったく律儀ね、あんたたちは。こちらこそ愚痴ばっかだけど聞いてくれてありがとうね。またいつでも遊びに来なさい。あとそれから他の精霊にもあなたたちのことは伝えておくから、困ったら頼りなさい。」
「ありがとうございます。それじゃ、さよ―――――。」
「大ちゃん、ここは『行ってきます』だよ。」
「......そうだな、行ってきます。」
「行ってきま~~~す。」
「はいはい、行ってらっしゃい。」
大輝とエミュは大手を振りながらウンディーネのもとから去っていった。ウンディーネは困った顔をしながらも少し寂しそうな表情も浮かべながら小さく手を振って大輝たちを見送った。
そして大輝たちはウンディーネに教えてもらった進路をもとにしながら数日後、一つの村にたどり着いた。ようやく俺の冒険が始まる。大輝は胸を高まらせながらエミュと共に村に入っていった。
動きを言葉で伝えるって難しいですね。これで語彙力鍛えたいと思います。




