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ぷるりんと異世界旅行に、  作者: wawa
断崖の牢獄~トラヴィス山脈
15/75

西から来た賢人 **


 出演

 18歳男性 南方共和国真存在地集落 北方大猿村

      西方大陸調査隊 地質学者 

 35歳男性 南方共和国真存在地集落 熊牙村

      プルム港安全保安部 職員

 25歳男性 南方共和国真存在海集落 鮫牙村

      プルム港安全保安部 職員

 28歳男性 南方共和国真存在空集落 鷹鳶村

      プルム港安全保安部 職員

   

*********


 〈なんでなんでー、なんで僕の荷物だけ、検閲されるのー!?〉


 〈あんただけじゃない。北から船で来る、大猿レンの荷物は、ここでみんな検められる〉


 〈なんでえ!〉


 ガサッ、〈・・・これ、これは何?〉


 〈お土産だよ!みんなが気に入ったら、北方セウスから大量仕入れの交渉する予定!ねえ、少し食べてみてよ、美味しいの!〉


 くんくん〈血のように赤いが、何かの果肉か?〉

 ふんふん〈陽の実の匂いがするね〉

 すんすん〈他にも何か、混ざってるな〉


 〈そうだよ。丸くて赤い、陽の実をすり潰して作るんだよ。いろいろ保存のために薬味も入ってる。北方セウスは寒い日が多いから、この実を育てるのが大変なんだ。だからとても高価なんだよ〉


 ーーぺろり。  


 ぴりっ!〈!!!〉

 ぞわぞわぞわっ!


 ぺろり〈!!〉ペロペロ、もぐ、ごくり。

 ぞわぞわぞわぞわぞわぞわっ!!!


 〈鷹鳶トーフィルカさんもどうぞ!〉さっ!


 ヒヤリ、〈俺は、要らない〉


 〈なら俺がもう少しいただこう〉もぐ。


 〈ね、美味しいでしょう?癖になるでしょう?その酸味。少し味気ないものに乗せると、葉物でも肉類でも、なんでも合うの〉


 ペロペロ。

 もぐもぐ。

 〈・・・・〉


 〈鷹鳶トーフィルカさんには申し訳ないけど、オトの卵をね、フワフワに焼いた上にね、この赤いのを乗せたら、すごくすごく美味しいんだよ!〉


 〈!、卵に?〉ビクッ!


 〈卵に・・・〉モグッ!

  

 〈ふわふわの卵に、〉もぐ、ごくり。


 〈(卵は)やらないぞ。〉ギロッ!

 


 〈ね、美味しいよね!〉にこりっ!



 〈間違いない。アレだ〉

 コクリ。

 〈白色フィー、酸味のある真魔ゴーヴァに続く、赤色へオラ真魔ゴーヴァ

 コクリ。

 〈鹿猿マヤレン守熊ララには、絶対に見せてはいけない〉

 コクリ。


 〈〈〈・・・・・・・・〉〉〉こくり。



 〈没収〉



 〈なんでえっ!!!〉







 魔米酢マヨネズに続く血野富ケチヤプ。南方大陸の住人の食欲を高める血の赤色は、赤い野菜を加工した北方大陸人気の調味料の一つである。酸味のきいたこのソースは様々な食品の味変に役立つのだが、残念ながら、輸入持ち込みは禁止され、検閲所にて全て回収されてしまった。





*********


 出演

 18歳男性 南方共和国真存在地集落 北方大猿村

      西方大陸調査隊 地質学者 

 17歳男性 南方共和国真存在海集落 鯆鮫村

      情報部員 大海域特派員


*********



 〈・・・・・・・・そういえばね、こっちの皆にお勧めのお土産を、港の管理人にとられたんだよ、〉


 〈お土産?〉


 がっかり。

 〈酸味があって、赤色の美味しい調味料。北方セウスでは今すごく人気なの〉


 ・・・・。

 〈親子そろって、おかしな物を南方こっちに運んでくるなよ。あんたの一族が前に、北方セウスから持ち込んだ白色フィーの調味料、アレで森が枯れちゃって、地長グートが心労で毛並みがボサボサになったって、奥さん部会で問題になってたから〉


 ???

 〈親とかそんな昔のこと言われても、それを持ち込んだのは僕じゃない。草木を食べ過ぎの鹿猿マヤレンたちが悪い。それに僕が持ってきた物は、白色フィーじゃなくて赤色へオラ


 〈〈・・・・・・・・〉〉


 

 〈お前はほんと、それを、今やるの?ってゆー、びっくりするほど余計な事をすることがあるからな。変なこと、やめてくれ。〉




 〈そういえば、ガーランドの港でね、なんだか竜騎士かピリピリしてたんだけど、この情報、買う?〉






 

 この後、南方大陸において諸外国の情報を売り買いする青年は、世界的終末の危機を日々想定妄想し、その対策を研究し続けている、西方のド田舎からやって来た学者の青年により、びっくりするほど余計な内容を掴まされる。そしてマスコミ業界で働く青年は、このびっくりするほど余計な内容を各地に配信してしまい、世界各国はじわじわと混沌の渦に巻き込まれていく。



 

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