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村人Aの異世界叙事詩  作者: ユッケ=ビビンバ
第二章 誉れの詩〜騎士と魔女編〜
27/120

第27話 たまには昔の話でも

 広大な森が夕日に照らされ、茜色に燃え上がっている。

 そんな静寂な森の中、突如として轟音が響く。

 その音に驚いて、鳥たちが一斉に羽搏く。

 同時に森を形成する巨木の一つが、軋みながらその巨体を地に伏せた。


 その轟音の中心には、二人の人間と一人の亜人二世セカンド・デミ、そして全高二メートルを優に超えそうな巨大猪がいた。



「何でこんな目に遭ってんだ!?」

「今日の晩飯の為にゃ~♪ 今日は猪肉~♪」


 シャトンが鼻歌を歌っていると、巨猪は彼女に向かって突進を始める。

 だが、彼女は軽い身のこなしでこれを難なく避ける。

 躱された巨猪はその突進のスピードを緩めることなく、そのまま巨木に激突する。

 すると、激突された巨木はまたもや音を立てながら倒れた。

 自身より遥かに大きい樹木を一撃で倒すとは、なんて規格外のパワーなんだ。


「ボサっとしている場合ではないぞヒロ君! ヤツが目眩を起こしている今がチャンスだ!」

「……! ああ!」


 あのようなスピードで頭からぶつかれば、いくら図体のデカい怪物でもやはりクラクラするだろう。

 例に漏れず、あの巨猪も動きを止めている。

 そこに三人が飛び掛かる。


「必殺! “スーパーシャトンクロー”!」

「スキル“火の角撃(レッド・ホーン)”!」

「ショックインパクト!」


 三人の一撃をまともに受けた巨猪は、最期の悲鳴をあげながら倒れ伏し、そのまま動くことはなかった。






 ウィザの家を出て暫く経ち、既に夜となっていた。

 暗かった森の中は更に闇を強め、新月の夜よりも暗い漆黒の闇に染まっている。


 僕達はそんな森の中の少し開けた場所に火を焚き、それを囲みながら先程仕留めた巨猪を食べていた。



 今日の夕飯

  巨大猪の丸焼き 〜野草を添えて〜(おいしい)



「というか、洞窟へは何時着くんだニャ?」

「明日の朝に出発して……昼前には着くかな」


 既に洞窟の座標は設定してある。

 ハッターが嘘をついていない限り、確実に辿り着けるだろう。


 因みにバロン達は『他に方法がないか、もう一度調べてみる』と言い、今は僕とエピーヌ、そしてシャトンがこの森に来ていた。

 この人数だけで行くのは多少心配だが、大きな問題にはならないだろう。

 問題は……


 洞窟があるであろう方角に顔を向ける。

 そこにも森は広がっているが、その五十メートル先、そこは今までの空気と完全に違っていた。

 今までは広葉樹が生える一般的な森であったが、そこはシダ植物などの原始的な植物が顔を覗かせる、太古の林のようであった。

 それだけならまだ良い、というかそれだけの方が良かった。


「シャトン、あの話は本当の本当なのか?」

「何度も言ってるニャ。あの奥は蟲型モンスターの本拠地。世の言う“害虫”が巨大化して暮らしている、正に“害蟲の楽園”ニャ」


 ああ、何度聞き返しても同じか……。

 巨大害蟲の楽園、つまりはでっかいGさんとかMさんとかがわんさかと居るのだろう。

 あぁ、絶対に行きたくない……。


「ウジウジすんニャよ、情けニャい。私が小さい時なんかそんなモノそこら中に居たぞ」


 そんなこと言われたって嫌なものは嫌だ。

 というか、それについても考えるのが嫌だ。

 なんとかして意識を他の事に向けないと……そうだ!


「そういえば、さっき“小さい時”って言ってたけど、シャトンの小さい時はどんなだったんだ?」

「あー? ニャんだ急に?」

「いやぁ、ちょっと気になっただけだよ。シャトンの小さい頃とか、何時ウィザと出会ったのか、とか」

「……昔の話、か」


 先程の明るい弾けるような笑顔とは違い、その顔は何かを懐かしむような柔らかい微笑が浮かんでいる。


「……大して面白くないと思うけど?」

「別に無理して話さなくてもいいよ」

「聞いておいてそれはニャいニャ! 無理矢理にでも聞かせてやるニャ!」


 こうして、黒猫シャトンの回顧録が始まるのであった。






 ―――――――――


 十年前、某国某市街の裏路地。そこは激しい社会競争に負けた者や全てを失った者が辿り着く、言うなればスラム街のようなところであった。


 当時は“ハン族の侵攻”というユニオス史に残る一大事件のため、社会が安定していなかった。

 当然、そのような状況においては、この裏路地に訪れる人間は増える。

 元騎士、傭兵落ち、冒険者くずれ、チンピラ、指名手配犯、様々な人間がここへ集う。


 そのような者が集まれば、治安が悪くなるのは火を見るより明らかだ。

 喧嘩や殺人は日常茶飯事。歩けば必ず死体と出会う日々。

 道端に落ちている死体は、捨てられた赤ん坊から衰弱死した老人まで様々である。

 そんな死体も一週間したら、いつの間にか消えていた。




 幼きシャトンはそこで暮らしていた。

 力だけが物を言う超弱肉強食の世界。あらゆるものを奪い奪われる世界。明日さえ確定されていない世界。

 そんな社会のサバンナとも言える世界で、彼女はかぼそく生きていた。


 彼女は生きるために何でもした。

 生きるために取り返しのつかないような嘘をついた。生きるために人から盗みもした。生きるために人を殺した。生きるために自ら純潔を差し出した。

 神に悔い改めようとすると、半日はかかるような数の罪を犯してきた。

 それもこれも“生きるため”だった。


 これを諭し導いてくれる者は居なかったのか。居るはずがない。

 彼女は気付いたときから孤独だった。

 親と呼べる者はおらず、親となるものも居なかった。

 生きる術は本能と他の者から盗んで学んだ。



 このままではこの街に生きる者と同様に、生存競争に埋もれ幼くして息絶えてしまうだろう。

 シャトンはそれを直感的に予感していた。そしてそれを受け入れていた。


(生きるためにあらゆるものを利用し奪ってきた。それでも死んでしまうのなら、それはそれでもう良いや)


 この頃になると、既に生への執着も薄れ始めていた。

 “生きるため”に行ってきた行為は、“そうやって生きてきたから”という惰性で続けていた。




 そんな彼女にも最後に一つ、希望ともいえる夢があった。


(お母さんに会ってみたいな……)


 いつも覗いていた窓の中、そこには母に甘える子の姿があった。

 子は楽しげに母と語り合っている。

 時に子は母に抱かれ、時に子は母の手料理を口に頬張り、常に子は母の愛に包まれていた。


 その光景を見ているシャトンの心には一つの感情がある。

 それは憧憬。少年がスター選手に抱くようなささやかで純粋な憧れ。

 だがその憧れは決して叶うはずのない夢でもあった。

 母はもう居ない。母となる人間も現れない。

 このまま孤独の内に死ぬのだと、齢十にも満たない少女はそう覚悟していた。






 とある日、シャトンはいつものように“獲物”を狙っていた。

 入り組んだ裏路地には、意外にも人が行き交いする。

 それはココの住人は勿論、近道しようと入ってきたマヌケもいる。

 狙うはそのマヌケだ。


(アイツは身なりはいいけど、危ないやつだ。……アイツは大して何も持ってなさそうだな。……ん? アレは……)


 目をつけたのは上質な衣服を身に纏い、その小さな体に不釣り合いの大きなとんがり帽子を被った、自分とそう変わらない少女だった。

 道にでも迷ってここまで来たのだろうか?


 まあそんなことはどうでもいい。

 あの子を人質にして、親に身代金でもせしめてやろう。

 そんなことを企てながら彼女にちかづいていく。



 猫特有の忍び足をフルに活かし、自分の爪が届くあたりにまで近付けた。

 あとは後ろから脅せば、少女は恐怖で動くことすら出来なくなるだろう。

 タイミングを見計らい、満を持して自慢の爪を少女の喉元に突き立てる。


「動くな。叫んでも構わないが、誰も助けてはくれないぞ」


 シャトンが予想した少女の次なる行動は、言われたとおりに叫ぶか、それとも恐怖で動けなくなるかのどちらかだと思った。

 大人の男性なら抵抗するだろうが、目の前に居るのは年端も行かぬ少女だ。抵抗などするはずもない。

 ()()()()()()()



「……ふぇ?」


 気が付いた時には彼女の体は空中に舞っていた。

 なぜそのような状況に陥っているのか、理解が追い付かない。

 ただ反転した地面が近づいてきている事だけは理解できた。


 持ち前の身体能力でなんとか着地できたが、考えを改めないといけないだろう。

 ただのか弱い幼気いたいけな少女だと思っていたが、間違いなく自身を吹き飛ばしたのはその少女だ。


「もういいかしら? それじゃあ私は急いでいるから、またね黒猫さん」

「調子乗ってんじゃねえぞクソガキッ!!」


 そうだ、さっきのは自分が油断していたからだ。何も出来ない子供だと油断していたからだ。

 今度は油断なんかしない。泣くまで痛めつけてから連れ去ってしまおう。

 心の中でそう決め、再び襲い掛かる。


「……ったく、鬱陶しいなぁ」


 少女は振り返り、その金色の右目をシャトンに見せる。

 するとどうだろう、まるで蛇に睨まれたかのように体が固まってしまう。


「な、何をした!?」

「ちょっと“金縛り”にあってもらっただけよ。大丈夫、暫くしたら自然と解けるわよ。その頃には私はここには居ないけどね。

 ……あら、貴女もオッドアイなのね。私もなの、お揃いね」


 そう言いながら微笑を浮かべる。

 何が“お揃いね”だ、調子に乗りやがって。

 くそ、この私がただの子供に負けるなんて―――



 ぐうううぅぅぅぅううううう~~~~~……



 突如としてその場に間抜けな腹の虫が鳴る。

 そうだ、もう何日も何も口にしていない。

 そもそもコイツを襲ったのも食料の為だった。

 しかし腹が減ってやる気がもう起きない。


「……貴女、お腹が減っているの?」

「見たらわかるだろ。減りすぎて痛いほどペコペコだよ」


 ていうか、なんでコイツと話なんかしてんだ。

 折角助かったんだからどこへでも行けってんだ、このクソガ―――


「はい、これ」

「……何だこれは?」

「見ての通りパンよ。知らないのかしら?」

「知ってるよ。そうじゃなくて、なんでパンを目の前に出してきてんのか、理由を聞いてんだよ」

「なんでって、アンタお腹がすいてるんでしょ?だったら食べればいいじゃない。金縛り(パラライシス)も解いてあげるから、自分で食べなさいよね」


 そう言われると、急に体が動くようになった。

 しかし馬鹿じゃないのか?さっきまで襲おうとしていた奴を自由にさせて、あまつさえ食べ物を恵むとは。

 やはり表の人間は腑抜けているな。


「何? 食べないの? 食べないんだったら私が貰うけど?」

「……! 食べるよ! よこせ!!」


 少々手荒に彼女の手からパンをとる。

 特段変な臭いはしない。それどころか食欲を誘う良い匂いだ。

 毒などは入っていない、ただのパンのようだ。

 恐る恐るそれを口に含む。


「……!!!」


 おいしい。今まで食べたどのパンより遥かに美味しい。

 パリッとした表面を破ると、中にはふわふわの中身が詰まっている。

 口の中には自然本来の麦の味が広がる。その中には味を邪魔しない程度のささやかな甘みも含まれている。

 残飯のカサカサとしたパンとは大違いだ。



 一口、また一口とパンが口の中に入っていく。

 気が付けばもう全て食べてしまっていた。


「ふぅ、おいしかった……」

「お粗末様。おかわりもあるけど、要るかしら?」

「いるっ!!」


 その後、同じパンを五つも食べてしまった。

 その時間は生まれてきた中で一番幸福な時間だった。





「……ところで貴女、親は?」

「親? いないよ。気が付いたときからずっと一人だったからね」

「そう、私と同じなのね……。よし、決めた!」


 その一言ともにスックと立ち上がる。

 そしてシャトンに指を指して、言い放つ。


「貴女、私と一緒に暮らしなさい!」

「……はあ?」

「お互いに一人ぼっちなんだし、助け合った方がいいじゃない。それに魔女の使い魔といえば黒猫だしね」


 急な提案に思わず首を傾げる。

 一緒に暮らす? 私とコイツが?

 それは今までの生活からは想像もできないことだった。



 シャトンはその言葉に混乱してしまう。

 そのためか、少女の頭に乗っている帽子が動いた気がした。というか実際動いた。


「少なくともテメーは一人じゃねーだろーがッ!」

「うわぁ!! 帽子が喋った!!?」


 余りの事で後ろにひっくり返ってしまう。

 その事を気にも留めていないのか、少女は友人と談話するかのように帽子に話しかける。


「急に喋りだすんじゃないわよ。驚いちゃうでしょう」

「これはこれは失礼ッ! ギャハハハ!」


 帽子が動いていることもそうだが、何よりもその奇怪な帽子と普通に話し合っている少女に“奇妙である”という感想を抱いた。

 さらに混乱してしまった脳内を無理やり落ち着かせて、なんとかして一つの疑問を口にする。


「な……なんだソレ……!?」

「ん? コレ? コイツは“マッド・ハッター”、意思を持つ狂った帽子よ」

「よー。ヨロピクー」


 ハッターは縁を上手く動かし、まるで手を立てるかのように縁を立てる。

 “意思のある帽子”、そう説明されたが、到底信じられる訳がない。

 シャトンは眼前に晒された不可解な現実に、目を丸くして応えることしかできなかった。



「……オーイ。俺様が折角挨拶してやったんだから、テメーも名前くらい言っても良いんじゃねーか!?」

「コイツの言うことに賛同するのも癪だけど、そうね、名前くらいは知っておきたいわ。貴女、名前は?」

「名前……」


 名前、そんなものは無い。

 物心ついたときから自分をさす名前はなかったし、そもそもこの裏路地セカイにおいてそんなものなんの意味も成さない。

 交友関係など成立するはずもないし、例え互いに名前を見知ったとしても、すぐにどちらかは死んでしまうのだ。

 だからシャトンにとって、名前など持つ必要もなかったし、持つ道理もなかったのだ。


「……ない」

「ない?」

「名前なんか無い。好きに呼べばいいさ」

「好きに、ってそれじゃあ何かと不便じゃない。……そうだ! 良いこと思いついた!」


 少女はパンッと手を叩いて、顔を輝かせる。

 その姿は今までの大人びた妖しい雰囲気とは違い、年相応の可愛らしい少女のそれだった。


「私が名前をつけてあげる!」

「は?」

「おー、それは良い! ならば、ポポテック=グルディアド・ヘカテー・プルプル・娘々(ニャンニャン)・キノウノ=バンメ・シハカレー・ガヨカッ―――」

「“シャトン”なんてどう? フルーランスの言葉で“仔猫”って意味なのよ」

「シャトン……」


 “シャトン”。それが私につけられた名前。

 今まで散々、“小賢しい黒猫”やら“泥棒猫”と罵られ続けたが、少女からつけられた名前はそれらとは違う感覚を覚えた。

 初めて他者から貰った意味のある名前。

 それを思うとなんだかこそばゆいような、温かいような気持ちに包まれて、自然と笑みが溢れる。



「気に入ってくれたようね。じゃあ改めて、私はウィザ、ブルジトル・ウィザよ。シャトン、私に付いて来てくれるかしら?」


 再度行動を共にする勧誘をかけながら、その少女、ウィザはシャトンに手を差し出す。

 その時、丁度斜光がシャトン達がいる所を照らした。

 斜光を背に浴びたウィザの姿は、シャトンに自然とある者を重ねさせた。


(お母……さん……)


 そう、見たこともない自身の母の姿を目の前の少女と重ねたのだ。


 気がつくと既にウィザの手を握っていた。無意識だった。

 自身が何を思ってかその提案に乗ったのか。そんなことはどうでもいい。

 だって、今の私には、この人に付いて行くことだけしか心に無いんだもの。


「勿論ニャ、おかあ、……リーダー!」

「リーダー? それに何なのその喋り方?」

「リーダーはリーダーニャ! あとこの喋り方は元からニャ!」

「流石に“ニャ”はねーぜ、“ニャ”はよー」

「うるさいニャ、笑い方汚いくせに!」

「なっ!?」

「あはは、私もそれは思っていたわ」

「ウィザぁ! テメー!!」

「「アハハハハハ」」


 その日、珍しく裏路地に二人の女の子の笑い声が響いたという。


 ―――――――――






「―――その後にバロンとゴエモンが加入して、今の“宵闇の怪盗団”ができたのニャ」

「そうか、貴様にとってウィザは親友であり、恩人であり、そして母でもあるのだな」

「うっ……。他人からバッサリ言われると、流石に恥ずかしいニャ……」


 おー、あのシャトンが顔を赤くしてしおらしくなっている。

 これはいいものを見れたかもしれないな。


「うにゃーー!! 私が話したんだから、お前らも何か話せニャ!」

「さあ、明日は早い。ヒロ君、私達はもう寝よう。あ、シャトン、貴様は火の番と見張りを頼む」

「こら待て逃げんニャーーー!」


 その場に、当時の二人に負けないくらいの明るい空気が流れる。

 怪盗とは言え、やはり笑ったり、泣いたり、慈しんだりできる心があるのだ。

 そんな人は見殺しはできない。


 渋々見張りに行こうとするシャトンを呼び止める。


「シャトン!」

「ん? 何ニャ、クソガキ?」


 一、二回、呼吸を整える。

 そして伝えるべきことを彼女に投げかける。



「必ず、ウィザを助けよう」



 拍子抜けしたのか、シャトンは目をぱちくりさせている。

 だが、すぐにいつもの勝気な顔に戻ると、僕の言葉に応える。


「おう! 当たり前ニャ、ヒロ!」


 先の尖った歯を存分に見せつけながら、そう言う。

 これで僕達の目的は再確認する。

 さあ! ウィザのため、ブォワホレの洞窟へ行こう!!








 ヒロ達の宿泊地、そこから数十メートル離れた所に、もう一つ火を焚いてある場所がある。

 そこには一人の青年がいた。

 その背後には、ヒロ達が仕留めた猪より数倍巨大な怪物猪が倒れている。


「超巨大猪“キング”討伐完了っと。にしても、ここらの野獣相手だとちと物足りないな」


 そう言うと森の奥地を見つめる。

 奥には野獣より凶暴な巨蟲が蠢く魔境である。


「何度も探索隊を追い払った“害蟲の楽園”……か」


 そうボソリと呟くと、口の端が切れるくらい、大きな笑顔を見せる。


「ワクワクしてきた……!」


 ダンジョンのモンスターを相手に興奮を抑えきれないこの青年。

 この青年とヒロ達は出会うことになる。

 しかし、彼らはこの運命を、まだ知らない。

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