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1.綾川 愛
5月の風が吹く住宅街で、ひときわ目立つ大きな一軒家。そこに住む 綾川 愛(あやかわ まな)は、一人暮らしの高校1年生。母は愛が3歳の時亡くなり、父はどこにいるか分からない。だから一人。ずっと。学校でも、好きな人すらいないし、ましては、友達すらいない。
愛が学校へ行こうとしたその時。
「わっ.........!」
風が吹いてきた。そして、ひらりと来た。それは、
「え?」
ストン。
決して手紙が入れられる事のない、ポストへ入ってしまったのだ。
ポストをのぞく。
そこには一通の手紙。封筒の文字を読む。
『綾川 愛さんへ。つむじ風より』
そのあとに並ぶ、数字や漢字。間違えなくうちの住所。
ふと時計をみると、
「もう時間!?」
愛は走り出す。手紙をカバンに詰め込んで。
『つむじ風って誰だろう』
そんな事は考えず。