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突然変異(実験)

 普通の接ぎ木のようなやり方をしていてふと思った。

 植物の生命力はどれほどの強さを持つだろう、と。


 というのも、魔法による回復は万能に見えて不便なところが多いからだ。

 例えば、人間の切り落とされた腕は再生しない。

 植物だって、切り落とされた枝は再生しない。

 失われた部位は欠落状態が当たり前だと思われるのだ。


 逆に、失われていない部位には融通が利く。

 例えば、切り落とされた腕が近くにあれば、断面を合わせながら回復魔法を使うだけで腕がくっつく。

 植物の場合は切り落とした枝の断面を合わせていればやっぱりくっつく。

 ある程度断面が潰れていても、何とかなる。


 そして死者は蘇らない。

 人も植物も、死んでしまえばお終いだ。例外は無い。

 ただ、植物は死んだように見えて死んでいないことが多い。そこは生命力の差だろう。



 だったら。その生命力の強さはどこまで発揮されるのか?

 俺は種を一つ手に取ると、指に力を入れて押しつぶしてみる。固い殻が割れ、中身が押し出され、そのままプチッと潰された。

 そこで回復魔法を使い、種がどの程度治るのか。

 種は時間を巻き戻したかのように、元の形を取り戻していく。さっき潰した中に、栄養を溜め込む胚乳があったけど、芽になる胚は無かった。つまり胚さえ無事なら大丈夫と言うことだろう。


 その後も実験と検証を続けたが、俺の考えは間違っていないようだった。

 胚まで潰すと再生しない。

 それ以外が潰れていても問題ない。

 胚に傷があっても、半分以上が無事なら大丈夫。



 ここまで分かったなら次のステップ。


 胚をちょっと傷つけた種2つ。

 くっつけて回復魔法を使うと一つの種になった。ちょっと大きくなった種を撒いてもう一度回復魔法。発芽させる。


 見た目は普通の芽が出たよ。


 混ぜた中身は色々と。

 さて、どんな作物になるかねー?

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