美食への道② 魚料理とパン
最近の食生活について。
海に来て良かったと思うのは、魚の塩焼きを食える事だ。あとは海鮮鍋のようなスープ料理。
魚料理があるだけで、俺は食の幸せを取り戻すことができた。
不味いパンはいらない。黒パンも白パンも、美味しくない。
この時代のパンでも、熟成発酵パンはある。小麦で作った柔らかい白パンだな。
しかし普段食べるのはもう一つがライ麦で作る硬い黒パンなんだ。
この時代、パンは一月に一回ぐらいしか焼かないのが普通だ。
そして白パンは痛みやすい。だからあんまり食べる事が出来ない。
黒パンは硬くて酸っぱいが、日持ちする。数ヶ月は保存できるが、時間経過とともに硬さを増し、スープに浸さないと食べられないほどになる。
黒パンの方が栄養価が高く健康食なんだけど、こんなパンばかり食べていれば不機嫌な面にもなるというものだ。
だから魚のスープが食べられるだけで食生活はいっぺんに変わる。
俺は貴族だが、こんな小さな開拓村の領主でしかない。
だから食事はみんなで食べるし、独りだけ贅沢する事も無い。
不味い黒パンを魚のスープに浸して食べるわけだ。
硬く酸っぱく不味い黒パンだが、小さくしてから軽く焼き直し、クルトンのようにしてスープに入れればそれなりに食べられる。
酸味のあるスープっていうのはそこまで珍しくないし、硬い食感もスープに浸したうえで小さければ気にはならない。
魚のアラで出汁をとったスープに、葉菜と根菜を入れ、塩で味付けをしつつ30分以上煮込んで灰汁をとる。
この時代の野菜は苦みがあって食べにくいが、食えないほどではない。その程度だ。
だが、魚は美味い。魚だけだと栄養価の問題で健康に悪いから我慢して野菜も一緒に煮込む。
美食と言えるほど美味いスープを作るのはまだ無理だが、塩と野菜だけのスープよりはよっぽどいい。
ただ、魚料理がどれだけ美味かろうが、こればかりではいずれ飽きる。
獣骨のスープは臭いのせいで止められているが、柑橘系の爽やかな果物が手に入ったらまた挑戦したいものだ。
いや、ラーメンで言うダブルスープ方式、獣骨と魚骨で作ればまだマシになるか?
いかんなぁ。
地球の知識は広く浅く調べたモノがほとんどだから、どうやってやればいいのかよく分からん。




