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王都の新年祭(不人気)

 ガス関係は、風呂の湯を沸かす程度なら何とか実用化の範疇に収まった。

 そこに至るまでのコストを考えると他の村への転用は無理だけど、グラメ村の規模ならギリギリ大丈夫。


 畜産村のプルヌス村も馬や牛の生産が軌道に乗れば出来るようになるかもね。

 馬糞牛糞の混合比率によってメタンガスの量が増減するので、今は出来るかどうか、判断がつかないのだ。


 シュクレ村とサウボナニ村はそもそも家畜の数が少なすぎるから考えるまでも無くアウト。

 ガス関係、もっと村の規模が大きくなったらその時に考えよう。





 ガス関係の目途がつく頃に、新年祭になった。

 これでガス関係に目途がつく前だと色々とモヤモヤした気持ちを抱えていただろうが、結論が出た後だったのですっきりした気持ちで参加している。



 周囲へ軽く挨拶をしながら、いつものように飯を食う。

 今年も下処理の甘い豚骨や牛骨を使ったスープが出されており、独特の臭気が放たれていた。


 ハーブ類で軽減しようと、その臭いを消し去るまではいかない。

 これで柚子や生姜などがあればもっと誤魔化しようがあったんだけど。こちらにあるハーブ類では力不足のようだ。原液ほどドギツイ臭いはしないが、他の料理と離れた所に置かれている現状を見ればその扱いの悪さが窺い知れるだろう。


 もっとも、臭かろうが味が良いため、俺以外にも客はいるのだが。



 逆に俺が提供する味噌は、相変わらず人が来ない。

 今回は頑張って味噌汁の上澄み部分、透明なスープを提供しているというのに不人気のままだ。

 これならいっそ、味噌汁ではなく豚汁にするべきだったかと後悔するレベルである。


 なんちゃって西京焼きというか、魚を白味噌ベースのソースに漬けてから焼く、そんな焼き魚にも誰も手を付けてくれない。

 誰も手を付けないままだと悲しいので、自分で一切れ食べておく。


 美味しいんだけどなぁ、まだ味噌の普及には時間がかかるか。

 俺が用意している事を教えれば食べに来るやつも増えるんだろうか。今のところ、その情報は抑えているんだよな。



 そうやって飯を食べていると、知らない貴族が俺の方に来た。

 俺に直接用事があるのではなく、味噌汁を含む俺の用意した料理に手を付けていく。


 食べた後に顔をしかめる事も無く、淡々と味見をしてはフラフラと他の料理に流れていった。



 もしかして、味噌仲間にと、期待できるかな?

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