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親子で炭焼き

 フリーズドライは主に食品保存の役に立つ。

 しかし、真空パックのような保存技術が無いため、その効果は過信できない状態にある。湿度の高い所では湿気を吸収して乾燥状態でなくなってしまう為だ。


 乾物関係を作るのに役立ちそうな魔法であるが、実際は天日干しは日光による糖化なども関係してくるため、本当に乾燥させる以外の用途には使えない。

 例えば干し芋は、魔法で乾燥させると糖度が低く美味しくならないのだ。

 この辺りは要検証といったところだな。



 木材を乾燥させたら、次は炭にする蒸し焼き作業だ。


 炭に適した広葉樹を蒸し焼きにするわけだが、そこでも魔法が役に立つ。

 真空状態で高温に晒せば自動的に蒸し焼きになるからだ。


 普通の蒸し焼きなら炭焼き窯に入れて2~3日火をつけた状態を維持するだけなのだが、魔法による真空状態からの加熱は一日で木材を炭にする。

 また、炭にした後の1日以上かかる冷却にも魔法を使えば長々と待つ必要もない。

 魔法とは言え真空状態でどうやって、何に熱を移動させているのかは謎である。しかしそれを言ったら魔法による加熱そのものが物理法則を無視しているので今更としか言いようがない。


 余談であるが、その昔、熱いままの炭を冷まさずに真空状態を解除したら、その場で炭が燃え始めて焦ると言った事があった。その火勢は爆発と言って良いほどで、実際に爆弾のように爆ぜた。

 あれ、常時展開の防御魔法が無ければ大火傷で死んでいたと思うよ。





 今のアイナに複数の魔法を同時展開する技術は無いので、炭の加熱だけ俺が受け持つ。……できたら親の立場が無いとも言う。

 真空状態はアイナが、炭にした後の冷却はミーナが担当し、親子三人で仲良く炭を作る。本命の炭は魔法を使わずに作らせているけど、こっちはこっちで共同作業を楽しませてもらう。


 可能ならアーサーに加熱を担当させたかったが、奴は魔法をロクに使いこなせないので、今は叶わぬ願いである。ユリアの話だと魔法の使い方を全く理解していないらしい。

 今はまだ3歳だからと言えば済む話だけど、これであと何年か経って何一つ魔法を使いこなせないようなら、良くて廃嫡、最悪は首切り(物理)コースである。



 さすがに息子の首は斬りたくないなぁ。

 いや、本当にやらなきゃいけないようなら()るけどさ。


 出来ればやりたくないんだよねー。

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