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生活レベル

 嫁さん連中は運動後のおやつに寒天を食べている。

 セイヨウハッカ、ミントで香りを付けただけの寒天を、である。

 最後の(なさけ)としてミントはミントでもスペアミントではなくアップルミントを使っている。林檎のような香りがするのだから食欲を減退させることは無いだろうよ。



 寒天は水溶性と不溶性の食物繊維のどちらも豊富に含み、この食物繊維がダイエットに効果的なのだ。


 この食物繊維は水分を吸収することで大きく膨らみ、見た目以上の満腹感を与える。

 膨らむまでに時間がかかるので、食前の30分程度に食べて、ついでに水分補給をするとより効果が増す。


 また、便秘解消や糖の吸収を抑える効果などもあり、寒天はダイエットのための食べ物と言ってもいいほど優秀である。



 ただし頼りすぎるとリバウンドの原因になるので、大量摂取は禁物である。

 必要な栄養価全てを賄えるわけでもないし、バランスの良い食事に寒天を一品添えるぐらいの気持ちが必要だ。その他の食事を減らしすぎてもダイエットには逆効果なのだし。





 こうなると寒天の量産も視野に入れたいところだが、その前にやる事が一つ増えた。

 嫁さんたちに染みつきつつある、贅沢病の治療である。

 今回の贅沢病は「甘いものが食べたい病」とでも言っておこうか。症状はそのまんまだが、これは厄介かつ完治しない事が確定している、最悪の病気であった。



 人間は生活レベルを上げると下げるのが難しいという通説がある。

 基本的には同意であり、応用的には「難しいだけ」という認識だ。生活レベルは現状維持が基本で可能な範囲で上を目指すという考え方は間違っていないだろう。


 では、嫁さんたちがどう駄目なのか。


 たまに俺が何か作り、それが甘いものと知ると食べたいと言いだす。それぐらいなら、まぁ構わない。そして毎回そのお願いを聞くとは限らない。駄目だと断る事もそれなりにある。

 だが、今回はプライドを捨ててまで食べたいと言いだした。酒に酔ったというのも理由の一つだろうが食べさせた後の自制も利かない。

 甘い物を食べたいという欲求が育ち、無視できなくなりつつあると考えることができる。


 俺の見立てでは甘い物を食べる事に馴れ、もっと甘い物を食べたくなる思考に支配された、頭のネジが緩んだ状態である。

 嫁さんなのだ。さすがに放置は不味い。

 ブクブクと肥え太った姿など、見たくは無いのだ。

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