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治安維持活動

 よくよく考えてみれば、文官を育てるのにもちゃんと苦労している。

 ついでに言えば、俺は学ぶ機会を与えていない。


 自分から学ぼうと努力するなら、その努力をどうやってするかを知らなければ話にならない訳で。

 それを知っているのは女性陣だけという訳で。

 女に頭を下げられない男が学ぼうとすると、おのずと限界が早く訪れてしまう訳だ。


 ここは金と時間があれば何でも学べる日本ではないのだ。

 義務教育すら無いからな。





 不穏分子はただの駄目人間という結論は出たが、それは彼らが全くの無害な存在と言える要素ではない。

 他に考えられるのは、武力によるクーデターである。


 知的階級(インテリゲンチャ)を自称しようと実際にそこまでの頭が無い人間が我儘を押し通そうとすれば、それは暴力(テロル)しかない。

 それで支配者層としての資質を認められる事は無いのだが、恐怖による支配はできる。

 短絡的で考え無しな奴の思いつきそうな行動で危険なのはそれぐらいだろう。



 俺も戦闘能力の高さを村の統治に利用しているが、あくまでも利用しているだけだ。暴力的な独裁者(テロリスト)とは違う。

 基本は住環境とか食糧などの利益やウォータースライダーのような娯楽を、農耕畜産伐採その他の労働の対価として与えている。これは対等な関係を作る物であり、領主と領民の間にある契約だ。

 王国は一番上が陛下なので法治国家ではないが、それでも法という名の契約が根底にある。

 それに従う俺も他の領主も、暴力による支配などしていないのだ。



 もしもあいつらが武器を手にクーデターを起こした場合、俺やちゃんとした戦闘訓練を受けた兵が近くにいればすぐに終わるけど、非戦闘要員などが相手では要らぬ被害が出る恐れがある。

 かと言って見張りを付けるのはコストがかかりすぎるのでやりたくない。兵や狼たちだって暇ではないし、それぞれの仕事がある。

 ちょっとだけ、警戒するように言っておくのが限界だな。


 それとも、冤罪で拘束(しょぶん)するか?

 いっそ、事故に見せかけて?

 そっちの方が後腐れないかね。



 ただ、疑心暗鬼になって不穏分子を処分するのは独裁者の理屈だからなぁ。かつて眠れる獅子と言われたマジキチ国みたいで気持ち悪い。

 国の運営としては正しいのかもしれないけど、ああはなりたくないと思ってしまう。


 密告奨励の24時間人民監視国家なんて言ったらコスト以前に住人の反発も凄いし、村の空気がギスギスして俺が嫌だ。



 治安維持は難しいね。

 しばらくは頭を悩ませるだけ悩ませて、現状維持のままでいこう。


 っと、その前に魔法の暗示で考えている事を聞き出しておくか。

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