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(頭が)春の出来事②

 一応、俺も何も考えずに力を行使している訳では無い。

 爺さんの庇護については初期の段階で周囲に認知されるように動いていたし、そのために爺さんからの仕事を引き受けていたんだし。

 何度かの戦争参加で力を持っている事を正しく広め、有力者の娘と婚姻関係を結び子を()した。

 少なくとも、子供ができた段階で俺は爵位以上の影響力を持っていると思われるのが爺さんから聞いた「貴族の常識」である。


 だというのに暴走する馬鹿が俺の所に来るのは、予想してはいたがそんなに多くない話だと思っていたのに。



「20を超す貴族の息子が暴走するとはな……」

「一回目は見逃すって考えてましたけど。もう、ぶち殺していいですかね?」

「もう少し待ってくれ。こちらもここまで質の低下が酷いとは思っていなかったのだ。気持ちは分かるが、殺しは控えてくれ」

「一回目限定ですけど、もう少し我慢しますよ。でも二回目はやりますからね?」


 俺の魔法が戦争以外で有用だと知れると、有象無象が寄ってくる。

 そのことは分かっていたし、それでもほんの数人で済むと思っていたのだ。爺さんが後ろに居るんだから。


 それでも暴走した馬鹿は20人を超え、身内も敵も巻き込みつつ、このままだとそろそろ王国貴族の半数に届きそうな勢いになってきた。

 爺さんもこの結果は予想しきれなかった事を考えれば、これがどれほど酷い話か想像もできるだろう。


 当たり前だが、爺さんの子供をはじめ、俺と婚姻関係を結んだ貴族連中の子供は来ていない。



 俺はこれまでの報告に加え、そろそろ我慢の限界が来そうだと爺さんに伝えた。

 爺さんは頭を抱えながらも俺を諌め、思いとどまるように説得する。


 どんだけ子育て・次期当主教育に失敗した貴族がいるんだよと思いたいが、来た貴族の子供の大半は長男や嫡男ではなく次男など当主になれない連中だ。

 要するに、貴族の子供であっても何の力も無いような連中である。それが一縷の望みをかけて俺の所に来るのだ。しかも、交渉材料が無いから親の権力を笠に着て何とかしようとする。


 親にしてみればいい迷惑だろう。

 自分にとって重要でない息子がこんな馬鹿をやるのだから。重要じゃない息子だからやるんだけどね、はっきり言って救いが無い。

 俺からはそんな息子を管理できない親が悪いとしか言えない。



 馬鹿をやった貴族の実家には賠償請求ぐらいはするし、二度目は無いと脅しもする。

 それが牽制になればいいんだけどな。

 あまり効果が無さそうなのは気のせいか?

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