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道路の注意点

 森の探索を兼ねた道路作りに参加するのは俺一人だ。サポートというより俺が切り倒す木材目当てで途中までは何人かが同行するけど。あくまで途中までだ。たとえ木材が欲しかろうと最後までは付き合いきれない。


 そして今回の道路造りには嫁さんの一人すら同行しない。

 若干寂しくも感じるが、嫁さん連中にも思う所があるのだろう。俺とわずかに距離を取り、べったりとはくっつかないでいる方針に切り替えたようなのだ。

 最年少のユリアにはまだ早い話かもしれないが、彼女らの過半数は思春期の娘さんだ。恋愛ごとに興味があるだろうし、政略結婚で嫁いだ先の俺に好意を抱いてもいないだろうし、俺が妻としての振る舞いを求めていない事を考えれば妥当な流れじゃないだろうか。


 さすがに子供は産んでもらわないと対外的に不味いけど、要求するのってそれぐらいだからなぁ。彼女らは子作り契約を結んだ他人に近い。同居もしていないし。


 一応、俺に気を使ったという説もあるけど。

 人間の適切な距離感というのはいつも思うが難しいものだな。





 さて。

 肝心要の道路造りだが、道路を作るにあたって注意点が二つある。



 一つはメンテナンス性。

 周辺の植物の侵蝕を防ぎつつ、壊れた時に修理する事まで考える。


 植物の侵蝕を防ぐなら一枚物の板を使うのがベストだ。どんなに小さくても穴があればそこから広がるのが植物だし。

 ただ、壊れた時の修理を考えるとブロックを組み合わせたものでないと困る。板では交換に手間がかかりすぎるのだ。

 和製コンクリート? 手間を考えなければ作れなくも無いが、隙間を完全に埋めることは難しいし、何より魔法では作れない。よって今回は却下。


 解決策としては、力押しだが地面に一枚物の板を置き、その上にブロックを敷き詰める方式を採用する。

 これぐらいが手間と実利の境界線上だと思う。



 もう一つの注意点は道路の高低差。勾配、傾斜、傾きである。


 当たり前だが、道路の基になる土地はでこぼこしている。それを(なら)してから板を置いていく訳だが、その時に勾配ができるのだ。

 均すついでに水平を取り、勾配が無い道路にしたいのだ。


 勾配が無くなれば高速移動しても振動が発生しなくなるので、利点が非常に大きい。

 欠点の手間については――


「≪液化≫≪液化解除≫」


 ――魔法で解決するので問題ない。


 魔法で解決するから手間をかけているわけだが。

 江戸時代的なお盆の上に針を乗せる水平器を作って、水平を測りながら板を置くような方法だったら絶対にやらない。手間がかからないからこそ、やっているのだ。


 俺の工事は400㎞分である。

 大きく手間をかけると死ねる。



 これら二つに注意しながら俺の道路造りは続く。

 今日は何㎞進めるかなぁ?

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