表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/550

俺が法律

 クソ貴族は横において。

 古代のヨーロッパとこの世界の違いで、一番大きいのは俺のような「魔術師」と「魔物」の存在だと思う。ファンタジーさんが息をしている世界って時点で、何かがおかしい。

 細かいことを言うなら共和制じゃなくて王政をやっているのも相違点だが。その程度はどうでもいい。


 ただ、俺の知っている古代世界との共通項も多い。



 例えば、生産性の低さ。

 それを補うのが戦争なんだけど、地球なら人間同士の戦争しかないわけだ。


「飯が足りない」

「奴隷が欲しい」

「「よし、戦争しよう!」」


 だからこのノリで動いたりする。


 この世界でも人間相手に攻め入るのもよくある話で、中世ヨーロッパみたいに宗教が力を持っているという事も無いから、気軽に戦争、殺し合いをする。

 政治形態は違っても、やる事は変わらない。

 魔物相手に戦うとしても、それは魔物のお肉が欲しくて戦う訳だ。「飯が足りない」「じゃあ、一狩り行こうぜ!」といった考え方である。魔物は奴隷にできないが、肉・毛皮という収入があるので戦う理由としては十分だ。


 人間相手の戦争は利権目当てで、魔物相手の戦争は現金収入みたいなものと考えることもできる。継続的なそれなりの収入がある戦争と、瞬間的に大きく儲かる戦争って言い換えた方が分かりやすいか?

 とにかく。この世界では戦う事が一般的なんだ。



 だからか、基本的に男は戦えるのが普通で、戦えない男は扱いが悪い。一段階下の扱いを受ける。

 うちの村民はみんな戦えるけど。魔術師である俺は、その中でも尊敬され、崇められるだけの立場を確立している。


 この時代は強い奴が正義であり、秩序であり、英雄なのだ。



 俺が法律、絶対正義。

 俺の言う事は常に正しい。


 だから俺が村長その他いろんな仕事だけでなく、裁判官の仕事を兼ねているわけだ。

 面倒だから誰かに任せたいが、俺以外では恨まれて新しい揉め事の火種になるか、そもそも言葉に力が足りず従わないか。そんな状況になってしまう。

 本当に、面倒くさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ