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スタートライン

 俺の名はセガール=ロドリゲス。

 転生魔力チート系元冒険者にして、これから貴族になる者だ。



「魔術師セガール。貴公をロドリゲス男爵に任じ、メシマズ村から北、その周辺を領地として与える。貴公の忠義を期待する」

「セガール=ロドリゲス、承りました。我が忠誠は陛下と王国のために」


 異世界転生で魔力チート。

 勝ち組かと思ったが、それは全然違う。


 なぜなら、異世界飯が不味いからだ。



 まず、食材が悪い。地球の肉や野菜などは、長期間、何世代にわたって品種改良し、最高の育て方を模索し、調理前の下処理を研究し、世界中から集めた香辛料で旨味を引き出してきたのだ。


 (タネ)が違う。

 育て方が違う。

 土地に栄養が足りない。

 餌や肥料が違う。

 捌き方が悪い。

 調理道具や調理環境が悪い。

 香辛料が足りない。

 美食のその先を、彼らは知らない。


 美食に掛けた年月と労力。その土台が違いすぎるのだ。



 異世界を旅してきた冒険者の俺は、各地の料理を口にしたが、満足できたことは一度も無い。

 前世の記憶。それを神聖視しているだけかもしれないが、それだけではない事を、俺は知っている。


 だから俺は誓う。



「魔境開拓を任ずるにあたり、ロドリゲス男爵には金貨100枚と10年の免税権、5年の徴兵免除権を与えるものとする」

「その他の物資・奴隷に関しては、執政官より受け取るがいい」

「承りました。必ずや、ご期待に添えてみせます」



 日本にいた頃のような、美味い飯を食べてみせると。

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