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三人で。~その三~

俊太郎は意を決して口を開いた。時間がないと言われても、これをはっきりさせずに迎えに行くべきではないと思ったのだ。

「お母さんが、そう言っているのなら、みんなの責任だよ。おじいちゃんやおばあちゃんのことも聞いてるけど、お父さんだって、俺たちだって、責任がある。」

「どういうことだ?」

「お父さん、お母さんときちんと話したの、いつ?」

「一日置きに電話してるだろう。」

「電話してるのは知ってるよ。お母さんの話、ちゃんと聞いたのは、いつ?」

「そんなこと言われても…。」

「お母さん、相槌を打ってるだけじゃねーかよ。“会話”になってないじゃねーかよ。」

「そんな…。」

聡が口ごもる。

「それに俺も莉乃も、お母さんを頼りすぎだと思う。いつでもどこでも車で送迎させて、好きな時間にメシ作ってもらって。なのに家の手伝いもしてなかったから。でも、俺は何よりも、お父さんからお母さんに謝って欲しい。お父さんがもっとお母さんのことを考えてくれていたら、今も家族四人で暮らしていたはずだ。」

「なんだよ、それ?俺は、お前たちの気持ちを尊重して、単身赴任に踏み切ったんだぞ。」

「ついていく気にならなかった理由、聞いたことあんのかよ?考えたことあんのかよ?」

「理由なんて、ついて行きたくないのが理由だろう?」

「気分次第でバカ呼ばわりする奴についていきたいかよ?自分のしたこと、憶えてねーのかよ!」

「そんなこと、言ったか?」

「はあ?ふざけんなよ!今はお父さんに迎えに行って欲しくない。莉乃、行こう。二人でお母さんに謝ろう。」

俊太郎は強引に莉乃の手を取って歩き出した。


一人残された聡は、呆然としていた。

「俺は、家族のために一生懸命やってきたつもりだぞ。単身赴任だって、お前たちの意思を尊重したからこそなんだぞ。何がいけないんだ。」

そんなつぶやきは、二人の後ろ姿に届かず、姿が見えなくなった。

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