学校には夕焼けが差している
「疲れた…」
俺の大嫌いな化学
好きな人には悪いがどうしても理解でき無い
もう元素記号なんていらねぇよLevelに達した
「あ、蓮夜ー!お疲れだな?」
「クロム…見ての通りだよ」
「そう言えば化学嫌いなんだっけ?俺あれ楽しいけど」
「どこが…」
クロムは頭が良いからそんなこと言えるんだ
俺なんて悪い悪すぎる
どうにかしてほしい
「かわいそーになー。わから無いってなんか辛く無いか?」
「クロムにそんな考えがあったなんてね」
「あれ?貶されてる?」
酷いなぁ、僕は蓮夜大好きなのに
大好きなのに、を強調すんな
「まぁ、ファイト!勉強すれば何とかなる!」
「軽く言ってくれる…」
でもありがと
嬉しかったけどそんな一言言ってやんない
恥ずかしいから
クロムのまえで作ってきたおれが壊れてしまう
「……ヤバい!ちこくだ…!」
先生に作ってきた俺も壊れちまう
急げ、俺
今日はクロムの部活は遅くなるみたいだから
先に帰って良いよ、と言われた
別にいつも一緒に帰ろうなんて一言も言って無いが
取り敢えずわかった、とだけ言っておく
だけど何か寂しいのでクロムの教室で待っていた
1人というものはつまら無いもので教室にいるものの何もする事がなくただ呆然と窓の外を見ていた
県庁に近いこの学校は交通量も多い
バス、電車も充実しており交通面では申し分無い
本当はもう一つ上の学校に行く予定だった
だが俺が受験勉強を怠ったため一つ下げたのだ
自業自得
しかしこちらの方が俺には合っていたのかもしれない
同じぐらいの学力
負けないようにと精一杯頑張れる
ここで良かった
そう思えるようにしたい
「……蓮夜?」
「あ、クロム。終わったのか?」
体操服ではなく登下校時は制服というのをキチンと守っているクロムはもう制服だった
「なんで?帰らなかったの?」
「一緒に帰ろうかなってさ」
「でもどうして教室に?」
「クロムいつも帰る時忘れ物無いように一回見に来るだろ?確か」
「なんで知ってるの?」
「伊達にクロムと付き合ってませんー」
驚いた顔をしたがすぐに戻った
なら帰ろう、と目で促す
釣られるままクロムの後ろを追いかけた
最後にポツリとありがと
クロムが笑いながら言った