ホットミルク。
「超ー偶然だね!途中まで一緒に帰ろうよ♪」
ごめんね。
本当は偶然なんかじゃないよ。
本当は君が部活終わるの待ってました。
だってね君と一緒に帰りたかったんだもん。
って待ってたくせに結局ろくなこと話せず…
「じゃあ俺こっちだから…バイバイ!」
うなずいてただ手をふるだけで精一杯…
バイバイすらうまく言えない私はどうかしてる。
休み時間。
君が私の椅子に座っているだけでドキドキが止まらない。
「あ、座る?」
「いいよ座ってて!!」
いいよっていうか逆にありがとうって感じだよ。
「じゃあ代わりに俺の椅子座っていーよ♪」
君が私の椅子に座って私が君の椅子に座ってる。
席は離れてるけど何かつながってる感じがする。
君も…
「お、このコーラ一口ちょうだい♪」
間接キス…
あの子嬉しそう。
君は私の椅子だから座ったわけじゃない。
「今日一緒に帰らない?」
"うん"て言わないで…
お願い断って…
私だけって思いたい。
だから神様お願い。
「いーよ。一緒に帰ろ♪」
結局私の片想い。
渡り廊下にある自動販売機。
私はここが好き。
だってここにしか売ってないから。
ホットミルク。
ホットミルクは優しい味。
傷ついた私を癒してくれてそっと包んでくれるの。
「いつもそれ飲んでるよね♪」
私の片想い…
「好きだよ俺も。」
片想い…
「…ホットミルク。俺も好き。」
ホットミルク。
飲むと甘い香りが私を包む。
「…私は?」
「今日…一緒に帰ろっか」
ホットミルクの甘い香りが私たち二人を包んでいる。
「あの子は…?」
「…断った。」
「何で?」
「コーラよりホットミルクの方が好きだから…かな」