No. 23 遠足はなかなか終わらない物なのです
ガシャン…
「・・・つ、疲れた・・・」
ドサッ
零はそう呟くとそのまま地面に突っ伏した。
リクも近くの岩に腰掛け、だるそうな顔をする。
「確かに・・・、チェーンソー無しのミッションはキツイ・・・」
じゃあチェーンソー有りなら楽勝なのかよ・・・。
そんなやりとりを遠方500m位にある大樹の枝の上で双眼鏡で眺める2人が居た。
その内一人は紅棘 刻崎だった。
「・・・なぁ刻崎」
「ん、なんだ?R」
Rという名の青年は刻崎より一回り程背が低く、まだ中学生程度のコドモだった。
彼の姿で一番目を引くのは本人の顔全体を覆うサイズの仮面である。
口元辺りが大きく欠けた仮面だが、彼の顔を隠す事には十分に機能していた。
「今回のクエストってあいつらの力量調査と勧誘だったよね?」
「そうだが・・・お前はどう思う?」
「うーん、なんか二人ともあれが本気じゃないし事は明白だし・・・。今回は保留ってとこかな?」
「それもそうだな・・・結論は後で出しても遅くは無いからな・・・あれ?そいえばアイツは何処だ?」
「んぁ?アイツ?多分その辺うろつい…ん?ちょい待ち、ヤベッ!アイツあの二人のとこに向かってるぞ」
「まずいな、アイツは常に強者を求めている。 多分決闘でもしたいんだろ、変な事しでかさなければいいが。少し近付いて様子を見よう」
同刻…零と璃藕は・・・。
「おーいリク、このガラクタ共運ぶから手伝え。寝るなー」
零に言われ、渋々と動き出すリク。
「・・・ったく、めんどくせーなぁ。何で俺まで・・・おい、そこに隠れてる奴、敵じゃないならちょっと手伝ってくれ」
・・・。
返事が無い・・・。
「返事が無いね・・・じゃあアンドロイドって事で吹っ飛ばすか。別にいいよね、リク」
「・・・勝手にしろ、めんどいし」
「りょーかーい」
零がそう言いつつマイティシューターを構えると、正面の茂みから一人の青年が現れた。
「あ、やっと姿出した」
出て来た青年はリク程の身長で大きなコートを羽織り、腰の両側に一本づつ大型の太刀が
鞘に収めずむき出しのまま携わっていた。
「あんたは誰だ?」
「・・・・・」
青年は名乗りもあげずに零をガン無視し、リクに向き直り。
「・・・おい、そこのだるそうな奴」
「何?」
「俺と勝負しろ!!」
「「ハァ!?」」
「ん?何だ、俺は何かおかしい事でも言ったか?」
いやいや開口一番でいきなり勝負しろとかおかしいにも程があるだろ。
しかも俺の事はガン無視かよ!!!
「んで、あの御仁はお前と勝負がしたいとの事だが。どうすんだ?」
零がニヤニヤしながらリクに聞く。
「いや、さすがに理由も無しに戦う人間じやないよ、俺」
「チッ」
「理由?じゃあ理由があればいいのか?」
青年はそう言うといきなり太刀を抜き、リクの乗って来た車を真っ二つにした。
「あ」
ブチィ!!!!
明らかに何かがブチ切れた音が聞こえた気がした。
しかし零はリクの方はあえて見なかった、理由はもちろん。
[目を合わせた瞬間俺までボコボコにされそうな気がしたからである]
『・・・零」
リクの声はもはや半分程人の声をしていなかった。
しかし零は、顔色すら変えずに冷静に答えた。
「ハイハイ、分かったよ」
ただでさえ武器の強化に体力を消耗していた零だが。渋々武器を創り、目を合わせないようにしながらリクに投げ渡す。
「ほれ、零特性チェーンソーブレードだ、ノーカスタムだがそこは気にすんな」
『・・・」
リクは無言でチェーンソーをキャッチし、戦闘体制に入る。
「おお!やっぱりやる気になったか。そうこねぇとな!」
青年も同じように太刀を構える。
「じゃあ俺が審判やるわ」
零はそう呟くと安全そうな位置に座り、片手を挙げる。
「バトル・・・スタート」




